2024/12/04 21:02 |
[PR] |
2013/05/27 00:06 |
L-Cao FA6 |
みなさまこんにちは。
サムライジャパンでございます。
前回は、P610が持つ魅力の理由のひとつに、優れた構造と形状を持つ振動板について簡単にお話しました。
今回はそんなP610繋がりで生み出されたユニットの、L-Cao FA6についてお話をしたいと思います。
今までもサムライジャパンで取り扱いをしていたバナナ色の振動板が特徴的なユニットですが、こちらは最近基本的な外観関係は共通ですが、振動板などを含め、目に見えない部分の更なる音質改善のための改良が施されたのです。
このマイナーチェンジに伴い、以前はL-Cao 6.5 Alnicoという名称だったものが、L-Cao FA6という名称に変更になりました。
以前は1ドル80円時代に、できるだけ多くの方に手に入れてもらおうと低価格を設定させていただきましたが、ここ最近の急激な円安で原価の大幅な高騰と、マイナーチェンジに伴い原価アップのため、販売価格を値上げしてしまいました。
さてL-Caoなんて何じゃそりゃ?と思われる方も多いと思いますので、ここで簡単にL-Caoの説明をしたいと思います。
L-Caoの開発者は、某メーカーで長年スピーカー関連の技術開発部門に身をおいた経験も豊富で、自ら開発する指標として、世界的にも多くのファンを持つP610の優れた再生音を目標にしました。
その振動板の優れた形状と絶妙な剛性バランスが奏でる音のすばらしさに気が付き、P610のそのすばらしい音を超えるために開発されたのが、中国に拠点を持つL-Caoのユニットなのです。
以前ブログの中でも紹介しましたが、世界的に有名なブランドでもなければ歴史のあるブランドでもありません。
おそらく多くのベテランオーディオマニアの方でも、L-Caoなんて名前を知る方はほとんどいない事でしょう。
当然雑誌で有名な評論家先生の賞賛の声もありませんし、ネットで話題になる事もありません。
でもその潜在能力は、中国製のLowther(ローサー)なんてヨーロッパで言われるなど、その潜在能力は非常に高いものなのです。
さ手今回マイナーチェンジが行われたといいましたが、旧モデルとどこがどのように変わったのか、そのあたりをお話していきたいと思います。
ご覧のように外観形状も振動板の色や顔つきも、マイナーチェンジ前を見る限り、マイナーチェンジ後とほとんど代わり映えがありません。
しかしF特やユニットのパラメーターが細部で異なります。
まずは旧モデルのf特性。
新モデルのf特性。
LCR共振回路補正後の旧モデルf特性
LCR共振回路補正後の新モデル
これだけ見ても音質に変化については説得力はありませんが、ただF特にも現れているように、聴感上のワイドレンジ感の改善が施されています。
旧モデルのスペックは
Specification:
Power : 30W
Frequency : 58~20k (see fig. 7)
Impedance : 8 Ohm
Sensitivity : 91DB
Fs : 58HZ
Qes : 0.71
Qms : 5.71
Qts : 0.63
Cms : 1.1122mm/N
Re : 6.1 Ohm
BL : 4.37T.m
Mmd : 5.31g
Mms : 6.08g
Sd : 0.0129m2
Vas : 25.7L
Weight : 1.83 each (5.5kg/pair after packaging)
新モデルのスペックは
このように旧モデルとマイナーチェンジ版では、ユニットのパラメータも微妙に異なります。
ところで一般的に奇抜とも言えるバナナ色の派手な振動板は、実はハンドメイドで作られているとのことです。
振動板のカーブ形状やコルゲーションの入れ方など、色以外P610の振動板とほとんど同じですが、よく見るとエッジ部分はフィックスドエッジで、振動板と一体の材質でできています。
一般的にフィックスドエッジのユニットといえば、機械で成型されてもエッジ部分も振動板部分も同一の材質で作られるため、その厚みも基本的に振動板と同じです。
そのため振動板がフラフラと動きにくいものが多く、切れやしまりを感じさせる切れのある音を聞かせるものの、どうしても伸びを感じさせる低音は苦手です。
そのためエッジ部分を別の材質で動きを制限しないように成型されるものが多いのです。
P610も初期型では薄いスポンジ、後期型ではロールエッジなど、製造の容易さや成型の簡単な物が使われて、生産コストを抑えたものでした。
一方L-Caoのエッジ部分は、振動板本体と微妙に厚みが異なるように成型されたものです。
これにより不必要に振動板の動きを抑制しすぎないようになるのです。
しかしそれをオートメーションの機械で成型ができないため、ハンドメイドで作られているとのことです。
機械でがんがん出来上がる低価格ので高性能なユニットができる時代、音のために製法にまで拘るというのは、時代錯誤ともいえるのでしょうけど、でも昔から評価の高いユニットは、必要以上の妥協をしていないものです。
と話が長くなってしまいましたので今回はここまで。
次回は20センチ8インチのお話をしたいと思います。
PR
2013/02/04 11:26 |
L Cao 6.5&8 inch Alnico 新たなフルレンジ伝説の予感 |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
多くの地域で梅雨も明けましたが、それと引き換えに猛暑に見舞われましたね。
九州などでは台風の接近でまた豪雨の心配もありますが、皆様十分お気をつけくださいませ。
さて前回私がフルレンジのよさを理解した原点に、ダイヤトーンのP610があるという話をしました。
もちろん世の中にはフルレンジユニットなど数多くあるわけで、P610じゃなければいけないというわけではありません。
現在の私といえば、P610は非常に好きなユニットには違いありませんし、それはあくまでも指標のひとつとして捕らえていますが、正直総合的なパフォーマンスで言えば、ダンボールに入れられて鳴らしているAudioNirvanaのAlnicoとは大きな開きがあります。
AudioNirvanaの場合、ちょっとクラスを遥かに超えた別次元の話になってしまい、同じ16センチだからというだけで比較するわけにもいきません。
しかし現在でもその人気が衰えないように、それだけ世界中に根強いファンがいるのは間違いなく、フルレンジユニットのひとつの指標、あるいは目標といっても過言ではありません。
それが証拠に、台湾のメーカーがP610の音を忠実に再現するために、その復刻版ともいえるユニットを熱い情熱の元作り上げたのですからね。
スペック的には物凄いフルレンジなどたくさんありますけど、実際にP610の優れた表現力などを本質的に超えられているユニットは意外と少ないものです。
また16センチという口径サイズからして、入門用や初心者用というイメージを持つ方も多く、意外とそのような方に喜ばれる音作りをされたユニットが大半だからなのかもしれませんね。
さて話は変わりますが、以前ブログでL Cao 6.5&8 inch Alnico といフルレンジユニットをご紹介したと思います。
Specification:
Power : 30W
Frequency : 58~20k (see fig. 7)
Impedance : 8 Ohm
Sensitivity : 91DB
Fs : 58HZ
Qes : 0.71
Qms : 5.71
Qts : 0.63
Cms : 1.1122mm/N
Re : 6.1 Ohm
BL : 4.37T.m
Mmd : 5.31g
Mms : 6.08g
Sd : 0.0129m2
Vas : 25.7L
Weight : 1.83 each
Specification:
Power : 30W
Frequency : 40~20k (see fig. 5)
Impedance : 8 Ohm
Xmax : 1.8mm
Sensitivity : 94DB
Fs : 55HZ
Res : 5.3
Qes : 0.78
Qms : 6.45
Qts : 0.69
Vas : 70L
Weight : 2.7Kg each
見てのとおりイエローの振動板が印象的なフルレンジユニットですが、今流行の新素材の振動板でもなければ、高級感漂うような雰囲気もありません。
しかもどこの馬の骨だかさえわからないようなブランド名。
さらにみんなの憧れ欧米製品ではなくアジア製。
これでニューヨーク育ちなんていうキャッチコピーがあれば違うのでしょうが、そんなものありませんからもうこれだけで脱亜入欧のごとく、音が悪いと一蹴されてしまうものです。
当然有名な評論家先生のご推奨もなければ、オーディオ雑誌で取り上げられる事もありませんから、一般ユーザーの方々に評判になる事はありません。
音の傾向はP610のように自己主張が控えめなところがあるため、目立つような音で鳴るわけではありませんから、P610のようにブランド力があるのなら話題にもなるのでしょうけど、なおさら地味な存在になりますね。
たとえば白い振動板のユニットといえば、メーカー製品ではJBL4312などのように一部見受けられるものの、その比率は非常に少ないものですね。
でもフォステクスやローザーのように、特殊なフルレンジユニットとして、自作派の世界になると一気にその比率が高まるものです。
同じイエローの振動板でもケブラーなどの新素材ならインパクトがあるかもしれませんけど、これはただの紙の振動板ですから、これじゃオーディオ仲間に見せても、自慢ひとつ言えないばかりか、逆に笑われてしまいかねません。
私が始めてこのユニットを見たときの印象は、和紙で振動板でも作ったのかな?なんて思うほどでしたから。
と見た目的に論評を語っても仕方がないので、今回はこのユニットの開発コンセプトについて少しお話をしようと思います。
ご覧のようにどこか懐かしさを感じる面構えですが、この振動板のコルゲーションですが、よく見るとP610と同じように円状に付いています。
実はこのユニットの開発者にとって、指標となる理想的なフルレンジユニットがP610でした。
そしてP610の音の良さ、表現力の高さなどを生み出す秘密のひとつとして、この独特な形状の振動板に秘密があることを突き止めたそうです。
そのため16センチも20センチもP610の振動板が持つ、緩やかなRを描く独特の形状までそっくりコピーしたそうです。
しかし基本的なコンセプトはValab P-610V 6.5 AlnicoのようなダイヤトーンのP610の再現ではなく、その良さをさらに追求してP610を超えるパフォーマンスの獲得でした。
P610のアキレス腱であるエッジは、スピード感や切れ味を感じさせ、極めて反応のよいフィックスドエッジに改められ、磁気回路もさらに強力なアルニコマグネットとし、フレームは強固なアルミ製へと変更する事で、P610の持つ音の良さを引き継ぎながら、さらにその先のパフォーマンス向上を目指したのです。
P610が持つ非常ににバランスのよう表現力は大変魅力的であり、それだからこそいまだにファンが絶えないのも頷けます。
しかしだからといって、P610一本ではどうしても超えられない限界もあります。
たとえワイドレンジを狙って大型システムに移行しても、このパフォーマンスバランスを超えるシステムを探すのは非常に困難ですし、他のどのクラスのフルレンジを探してみてもP610を超えるのはそれほど多いわけではなく、そのキャラクターが大きく異なるものばかりなのが目立つだけです。
もちろん自分好みの音色さえ出ればOKという方が多い話ですので、それに不満がなければまったく問題はない事ですが、もし熱狂的P610ファンであって、違和感を感じずにさらにハイレベルな音楽世界を再現できるユニットを求めているのであれば、Valab P-610V 6.5 Alnicoと共にL. Cao 6.5" inch Alnico またはL. Cao 8" inch Alnico のユニットは、とても魅力的だと思います。
メーカー側で指定箱のひとつとして、バスレフBOXやTQWT方式の図面も公開されており、またSEASのユニットのように、アップライトな傾向を抑えるLCR共振回路も紹介されているため、自作派の方にとっても使いやすいユニットといえるかもしれませんね。
ちなみにLCR共振回路に関しては、いずれネットワークの裏技でご紹介していきたいと思います。
という事で、実はP610の実力を超えるために生まれたユニットですが、P610ユーザーが聴いても安心できる、その見た目以上に非常に魅力的なユニットです。
では海外ではどのようなエンクロージャーで鳴らしているのか、今回はその一部をご紹介します。
うちのダンボールスペシャルのような、ショートホーン付きのバスレフBOXです。
本来ホーンの目的を考えれば、ユニット開口部を絞り込んでいけば音圧は上がりますが、実はここが非常に難しいところで、ホーンのカーブ形状にもよりますけど、どうしても効率的にいい特定の周波数だけホーンロードがかかりやすい現象もおきることがあります。
私のところのダンボールスペシャルも開口率~50%までテストしましたが、開口部を狭く絞り込んでいくと能率もそれにあわせて音圧も上がりましたが、ホーンカーブなど様々な要素があるというものの、どうしてもロードがかかって能率が上がるのが中音域中心になってしまい、中音域は大きく聞こえてくるものの、聴感上どんどんハイ落ちに聞こえてきてしまいました。
もちろん低音域も基本的に変化がないので、聴感上はカマボコ形状の特性に聞こえてきてしまい、やりすぎるとピークが出て、カーカーコーコーと特定の音域だけうるさく響く音になってしまいました。
これがはじめからサブウーハーやトゥイーターを追加する鳴らし方をするならいいのですが、基本的にフルレンジ1発の再生を目指したため、全体の帯域バランスを考えて、私のところのダンボールスペシャルはこんな中途半端な形状になったわけです。
同じような形状のALTECのA5やA7なら、上にホーンとドライバーという能率の高いユニットを組み合わせるため、ウーハー側の開口部が少し絞り込まれ、能率の向上を意図的に狙っています。
でもこれが同軸2ウエイなら別ですけど、フルレンジ1発では高音域だけの音圧を上げるなどは難しい話で、そのためにあれやこれといじりまわしてしまえば、手軽に扱えるせっかくのフルレンジの魅力も薄れてしまいますからね。
スピーカーを機械としてその機能を見れば、ホーンの効率を無視したこの中途半端な形状ですが、LCR共振回路で高域の特定帯域のレスポンスをなだらかにするか、あるいは中音域をわずかに持ち上げて全体的になだらかにするかの違いともいえ、スピーカーを楽器として考えれば、多少アップライトに感じるフルレンジユニットなど、バランスを整えて聴くには非常に都合がいいこともありますし、普通のエンクロージャーとは一味違う再生音も楽しめますので、一度このような形状も試してみると楽しいと思いますよ。
某メーカーのフルレンジの指定箱としてこのスタイルの参考図を出しているところもあり、意外とこのスタイルの箱の音も隠れファンが多いようです。
といったところで、ダンボールで鳴らしているやつが言うな!!なんて声が聞こえてきそうですね。(笑)
という事で今回はここまで。
また次回楽しい話をしたいと思います。
サムライジャパンでございます。
多くの地域で梅雨も明けましたが、それと引き換えに猛暑に見舞われましたね。
九州などでは台風の接近でまた豪雨の心配もありますが、皆様十分お気をつけくださいませ。
さて前回私がフルレンジのよさを理解した原点に、ダイヤトーンのP610があるという話をしました。
もちろん世の中にはフルレンジユニットなど数多くあるわけで、P610じゃなければいけないというわけではありません。
現在の私といえば、P610は非常に好きなユニットには違いありませんし、それはあくまでも指標のひとつとして捕らえていますが、正直総合的なパフォーマンスで言えば、ダンボールに入れられて鳴らしているAudioNirvanaのAlnicoとは大きな開きがあります。
AudioNirvanaの場合、ちょっとクラスを遥かに超えた別次元の話になってしまい、同じ16センチだからというだけで比較するわけにもいきません。
しかし現在でもその人気が衰えないように、それだけ世界中に根強いファンがいるのは間違いなく、フルレンジユニットのひとつの指標、あるいは目標といっても過言ではありません。
それが証拠に、台湾のメーカーがP610の音を忠実に再現するために、その復刻版ともいえるユニットを熱い情熱の元作り上げたのですからね。
スペック的には物凄いフルレンジなどたくさんありますけど、実際にP610の優れた表現力などを本質的に超えられているユニットは意外と少ないものです。
また16センチという口径サイズからして、入門用や初心者用というイメージを持つ方も多く、意外とそのような方に喜ばれる音作りをされたユニットが大半だからなのかもしれませんね。
さて話は変わりますが、以前ブログでL Cao 6.5&8 inch Alnico といフルレンジユニットをご紹介したと思います。
Specification:
Power : 30W
Frequency : 58~20k (see fig. 7)
Impedance : 8 Ohm
Sensitivity : 91DB
Fs : 58HZ
Qes : 0.71
Qms : 5.71
Qts : 0.63
Cms : 1.1122mm/N
Re : 6.1 Ohm
BL : 4.37T.m
Mmd : 5.31g
Mms : 6.08g
Sd : 0.0129m2
Vas : 25.7L
Weight : 1.83 each
Specification:
Power : 30W
Frequency : 40~20k (see fig. 5)
Impedance : 8 Ohm
Xmax : 1.8mm
Sensitivity : 94DB
Fs : 55HZ
Res : 5.3
Qes : 0.78
Qms : 6.45
Qts : 0.69
Vas : 70L
Weight : 2.7Kg each
見てのとおりイエローの振動板が印象的なフルレンジユニットですが、今流行の新素材の振動板でもなければ、高級感漂うような雰囲気もありません。
しかもどこの馬の骨だかさえわからないようなブランド名。
さらにみんなの憧れ欧米製品ではなくアジア製。
これでニューヨーク育ちなんていうキャッチコピーがあれば違うのでしょうが、そんなものありませんからもうこれだけで脱亜入欧のごとく、音が悪いと一蹴されてしまうものです。
当然有名な評論家先生のご推奨もなければ、オーディオ雑誌で取り上げられる事もありませんから、一般ユーザーの方々に評判になる事はありません。
音の傾向はP610のように自己主張が控えめなところがあるため、目立つような音で鳴るわけではありませんから、P610のようにブランド力があるのなら話題にもなるのでしょうけど、なおさら地味な存在になりますね。
たとえば白い振動板のユニットといえば、メーカー製品ではJBL4312などのように一部見受けられるものの、その比率は非常に少ないものですね。
でもフォステクスやローザーのように、特殊なフルレンジユニットとして、自作派の世界になると一気にその比率が高まるものです。
同じイエローの振動板でもケブラーなどの新素材ならインパクトがあるかもしれませんけど、これはただの紙の振動板ですから、これじゃオーディオ仲間に見せても、自慢ひとつ言えないばかりか、逆に笑われてしまいかねません。
私が始めてこのユニットを見たときの印象は、和紙で振動板でも作ったのかな?なんて思うほどでしたから。
と見た目的に論評を語っても仕方がないので、今回はこのユニットの開発コンセプトについて少しお話をしようと思います。
ご覧のようにどこか懐かしさを感じる面構えですが、この振動板のコルゲーションですが、よく見るとP610と同じように円状に付いています。
実はこのユニットの開発者にとって、指標となる理想的なフルレンジユニットがP610でした。
そしてP610の音の良さ、表現力の高さなどを生み出す秘密のひとつとして、この独特な形状の振動板に秘密があることを突き止めたそうです。
そのため16センチも20センチもP610の振動板が持つ、緩やかなRを描く独特の形状までそっくりコピーしたそうです。
しかし基本的なコンセプトはValab P-610V 6.5 AlnicoのようなダイヤトーンのP610の再現ではなく、その良さをさらに追求してP610を超えるパフォーマンスの獲得でした。
P610のアキレス腱であるエッジは、スピード感や切れ味を感じさせ、極めて反応のよいフィックスドエッジに改められ、磁気回路もさらに強力なアルニコマグネットとし、フレームは強固なアルミ製へと変更する事で、P610の持つ音の良さを引き継ぎながら、さらにその先のパフォーマンス向上を目指したのです。
P610が持つ非常ににバランスのよう表現力は大変魅力的であり、それだからこそいまだにファンが絶えないのも頷けます。
しかしだからといって、P610一本ではどうしても超えられない限界もあります。
たとえワイドレンジを狙って大型システムに移行しても、このパフォーマンスバランスを超えるシステムを探すのは非常に困難ですし、他のどのクラスのフルレンジを探してみてもP610を超えるのはそれほど多いわけではなく、そのキャラクターが大きく異なるものばかりなのが目立つだけです。
もちろん自分好みの音色さえ出ればOKという方が多い話ですので、それに不満がなければまったく問題はない事ですが、もし熱狂的P610ファンであって、違和感を感じずにさらにハイレベルな音楽世界を再現できるユニットを求めているのであれば、Valab P-610V 6.5 Alnicoと共にL. Cao 6.5" inch Alnico またはL. Cao 8" inch Alnico のユニットは、とても魅力的だと思います。
メーカー側で指定箱のひとつとして、バスレフBOXやTQWT方式の図面も公開されており、またSEASのユニットのように、アップライトな傾向を抑えるLCR共振回路も紹介されているため、自作派の方にとっても使いやすいユニットといえるかもしれませんね。
ちなみにLCR共振回路に関しては、いずれネットワークの裏技でご紹介していきたいと思います。
という事で、実はP610の実力を超えるために生まれたユニットですが、P610ユーザーが聴いても安心できる、その見た目以上に非常に魅力的なユニットです。
では海外ではどのようなエンクロージャーで鳴らしているのか、今回はその一部をご紹介します。
うちのダンボールスペシャルのような、ショートホーン付きのバスレフBOXです。
本来ホーンの目的を考えれば、ユニット開口部を絞り込んでいけば音圧は上がりますが、実はここが非常に難しいところで、ホーンのカーブ形状にもよりますけど、どうしても効率的にいい特定の周波数だけホーンロードがかかりやすい現象もおきることがあります。
私のところのダンボールスペシャルも開口率~50%までテストしましたが、開口部を狭く絞り込んでいくと能率もそれにあわせて音圧も上がりましたが、ホーンカーブなど様々な要素があるというものの、どうしてもロードがかかって能率が上がるのが中音域中心になってしまい、中音域は大きく聞こえてくるものの、聴感上どんどんハイ落ちに聞こえてきてしまいました。
もちろん低音域も基本的に変化がないので、聴感上はカマボコ形状の特性に聞こえてきてしまい、やりすぎるとピークが出て、カーカーコーコーと特定の音域だけうるさく響く音になってしまいました。
これがはじめからサブウーハーやトゥイーターを追加する鳴らし方をするならいいのですが、基本的にフルレンジ1発の再生を目指したため、全体の帯域バランスを考えて、私のところのダンボールスペシャルはこんな中途半端な形状になったわけです。
同じような形状のALTECのA5やA7なら、上にホーンとドライバーという能率の高いユニットを組み合わせるため、ウーハー側の開口部が少し絞り込まれ、能率の向上を意図的に狙っています。
でもこれが同軸2ウエイなら別ですけど、フルレンジ1発では高音域だけの音圧を上げるなどは難しい話で、そのためにあれやこれといじりまわしてしまえば、手軽に扱えるせっかくのフルレンジの魅力も薄れてしまいますからね。
スピーカーを機械としてその機能を見れば、ホーンの効率を無視したこの中途半端な形状ですが、LCR共振回路で高域の特定帯域のレスポンスをなだらかにするか、あるいは中音域をわずかに持ち上げて全体的になだらかにするかの違いともいえ、スピーカーを楽器として考えれば、多少アップライトに感じるフルレンジユニットなど、バランスを整えて聴くには非常に都合がいいこともありますし、普通のエンクロージャーとは一味違う再生音も楽しめますので、一度このような形状も試してみると楽しいと思いますよ。
某メーカーのフルレンジの指定箱としてこのスタイルの参考図を出しているところもあり、意外とこのスタイルの箱の音も隠れファンが多いようです。
といったところで、ダンボールで鳴らしているやつが言うな!!なんて声が聞こえてきそうですね。(笑)
という事で今回はここまで。
また次回楽しい話をしたいと思います。
2012/02/26 19:55 |
L. Cao 8" inch Alnico Fullrange Speaker |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
さて先日のブログでは、L. Cao 6.5" inch Alnico Fullrange Speakerに関してご紹介しましたので、今回はそれの8インチモデル、20センチフルレンジユニットに関してご照会します。
L. Cao 8" inch Alnico Fullrange Speaker
先日ご紹介した16センチモデルと基本的にデザインも共通ですが、口径が大きい分F特や能率などがわずかに違います。
Specification:
Power : 30W
Frequency : 40~20k (see fig. 5)
Impedance : 8 Ohm
Xmax : 1.8mm
Sensitivity : 94DB
Fs : 55HZ
Res : 5.3
Qes : 0.78
Qms : 6.45
Qts : 0.69
Vas : 70L
Weight : 2.7Kg each (7kg/pair after packaging)
見ての通りとてもシンプルな顔つきの振動版は、ダイヤトーンのP610を思い起こさせるような作りで、とても自然な音を奏でそうです。
エッジもフィックスドタイプですので、振動版のストロークは稼げませんから、重々しいローエンドや激しい低音感は苦手かもしれないのですが、エンクロージャー次第では、低域の空気感を上手く表現しそうな感じがします。
バランス的にもいい感じですので、このままフルレンジ1発でもいいでしょうし、上質で繊細な高音域を表現するために、良質なスーパートゥイーターを付加して2ウエイにしてもいいかもしれません。
やはり軽量振動系に強力アルニコマグネットの組み合わせですので、20センチといえどもコンパクトなシステムには向かないユニットでしょう。
しか同クラスの多くのユニットがコンパクト化と引き換えに、能率を落としてしまった事を考えれば、小出力でも元気のいいサウンドが聞けそうですね。
しかも音の質感も非常に高そうな予感さえします。
メーカー指定エンクロージャーはやはり大型になりますが、スリムな形状のため意外と場所はとらないでしょう。
エンクロージャーのシステムは共鳴間タイプになりますので、バックロードホーンや後面開放型、あるいは平面バッフルとも相性もよさそうです。
この感じなら、ダクトの開口面積を大きめにしたバスレフBOXなどもいいかもしれません。
ローエンドの音圧を稼ぎ、ショートフロントホーンなどで中音域を豊かにし、良質なスーパートゥイーターで高音域を延ばし・・・
なんか見ているとまた妄想が止まらなくなってしまいます。
ダイヤトーンの2S-208みたいなシステムにするのも面白そうです。
やばいです。
妄想全開になりそうです。
既存の有名ブランドなどではないのですが、名機になる予感がします。
20センチフルレンジなんて、今は数千円も出せばいくらでも簡単に手に入る時代です。
一方音の良し悪しはともかく、名機と言われるだけでとんでもない高額ユニットも存在します。
でもこのユニットの顔つき、そして何気ないスペックが、なぜか無視できない可能性を感じるのですね。
もともとフルレンジはダイヤトーンのP610の前期型が好きでしたので、なぜかそれに通じるものを感じます。
期待に胸を躍らせ、いざ視聴・・・
はたしてどんな音楽が聞こえてくるのでしょう。
サムライジャパンでございます。
さて先日のブログでは、L. Cao 6.5" inch Alnico Fullrange Speakerに関してご紹介しましたので、今回はそれの8インチモデル、20センチフルレンジユニットに関してご照会します。
L. Cao 8" inch Alnico Fullrange Speaker
先日ご紹介した16センチモデルと基本的にデザインも共通ですが、口径が大きい分F特や能率などがわずかに違います。
Specification:
Power : 30W
Frequency : 40~20k (see fig. 5)
Impedance : 8 Ohm
Xmax : 1.8mm
Sensitivity : 94DB
Fs : 55HZ
Res : 5.3
Qes : 0.78
Qms : 6.45
Qts : 0.69
Vas : 70L
Weight : 2.7Kg each (7kg/pair after packaging)
見ての通りとてもシンプルな顔つきの振動版は、ダイヤトーンのP610を思い起こさせるような作りで、とても自然な音を奏でそうです。
エッジもフィックスドタイプですので、振動版のストロークは稼げませんから、重々しいローエンドや激しい低音感は苦手かもしれないのですが、エンクロージャー次第では、低域の空気感を上手く表現しそうな感じがします。
バランス的にもいい感じですので、このままフルレンジ1発でもいいでしょうし、上質で繊細な高音域を表現するために、良質なスーパートゥイーターを付加して2ウエイにしてもいいかもしれません。
やはり軽量振動系に強力アルニコマグネットの組み合わせですので、20センチといえどもコンパクトなシステムには向かないユニットでしょう。
しか同クラスの多くのユニットがコンパクト化と引き換えに、能率を落としてしまった事を考えれば、小出力でも元気のいいサウンドが聞けそうですね。
しかも音の質感も非常に高そうな予感さえします。
メーカー指定エンクロージャーはやはり大型になりますが、スリムな形状のため意外と場所はとらないでしょう。
エンクロージャーのシステムは共鳴間タイプになりますので、バックロードホーンや後面開放型、あるいは平面バッフルとも相性もよさそうです。
この感じなら、ダクトの開口面積を大きめにしたバスレフBOXなどもいいかもしれません。
ローエンドの音圧を稼ぎ、ショートフロントホーンなどで中音域を豊かにし、良質なスーパートゥイーターで高音域を延ばし・・・
なんか見ているとまた妄想が止まらなくなってしまいます。
ダイヤトーンの2S-208みたいなシステムにするのも面白そうです。
やばいです。
妄想全開になりそうです。
既存の有名ブランドなどではないのですが、名機になる予感がします。
20センチフルレンジなんて、今は数千円も出せばいくらでも簡単に手に入る時代です。
一方音の良し悪しはともかく、名機と言われるだけでとんでもない高額ユニットも存在します。
でもこのユニットの顔つき、そして何気ないスペックが、なぜか無視できない可能性を感じるのですね。
もともとフルレンジはダイヤトーンのP610の前期型が好きでしたので、なぜかそれに通じるものを感じます。
期待に胸を躍らせ、いざ視聴・・・
はたしてどんな音楽が聞こえてくるのでしょう。