2024/12/05 06:42 |
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2013/02/04 09:58 |
YAMAHA GT2000 YSA-2 メンテ 続き |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
しばらく更新が途絶えてしまいましたが、毎日細々といろいろやっておりました。
さて前回のブログでは、YAMAHAのGT2000に搭載されているYSA-2というピュアストレートアームの軸受けに関して、小改造のテスト直前まで話したところ、軸受けのボールベアリング球を紛失してしまい、現在専門の問屋へ発注したところまで話しました。
そして古いオンボロプレーヤーを引きずり出し、YAMAHAのMC100をクリーニングして鳴らすところまで話しました。
しかし結果からいえば、おんぼろプレーヤーの回転が非常に不安定で、なかなかまともな音を聞く事ができません。
そのようなわけでしばらくCDばかり聞いていましたが、念願のアーム軸受けのベアリング球が届きました。
本来なら直ぐに取り付けて視聴と行きたいところでしたが、しばらく鳴らしこんでいなかったYSA-2のメンテナンスも同時に行おうと考えました。
以前買い込んでおいたアーム内ケーブルも同時に交換しようと思ったのです。
長年の使用で外皮もわずかに硬化していたし、見た目も汚れが付着していましたからね。
そこで細かい作業になるので実態顕微鏡での作業となります。
YSA-2のほうもばらばらに分解して、ケーブルを通し直します。
私のYSA-2はカートリッジからアンプの入力端子までの接点をなくした繋ぎ方ですので、アーム内にあった純正の無酸素銅の単線を束ねたものなども取り出していたため、アーム単体が非常に軽くなってしまい、YAMAHAのMC100の時はギリギリゼロバランスが取れましたけど、シェルターの場合わずかに軽く、ゼロバランスも取れない問題がありました。
そのため1グラムのメモリをゼロとみなしてバランスをとっていましたが、以前から気になっていたアームの先端の方も少し手を加える事にしました。
内部配線材を取り除いたため、ウエイトが軽くなっただけではなく、その線材を固定するために入っていたプラスチックのガイドなども取り除いていたため、アームパイプがカンカンと鳴り易くなっていたのです。
そこでこの鳴きを抑える事とウエイトを増やす目的で、手を加える事にしました。
もうかなり昔の事になりますが、私がオーディオを始めて間もない頃、名前は忘れましたがあるオーディオ評論家の方が、雑誌にアナログプレーヤーの改良記事を載せていました。
そこにはアームやシェルなど様々な部分の鳴きを押さえるという意味で、ブチルゴムを貼り巡らせて鳴きを抑えるというものでした。
雑誌にはすばらしい評価が書かれていましたので、当時の私もブチルゴムを買い込みペタペタと貼り付けたことがございます。
結果はといえば、不要な共振を抑えるわけですので、音が全体的に静かになりました。
・・・しかし・・・
何か物足りない・・・
聞こえていた音が聞こえなくなり、モゴモゴボテボテのゴムのような音になり、音楽の躍動感まですべて失われた音となってしまいました。
そのような経験から、不要振動を避けるために極力ゴムに頼るのはやめようと思ったものです。
これとは逆に重くて硬いもので不要振動を抑える方向性もあるのですが、繊細で敏感に音に反応するアナログプレーヤーの場合、硬くて重いもので振動を抑えると、暗く沈んだ音色になりやすく、これもやりすぎるとよくない結果につながります。
そのような意味では、材質の固有の音がダイレクトに反映されやすいアナログプレーヤーは、そこが楽しい面であり、また難しく迷宮への入り口という悩ましいことになるのですけどね。
上の画像ではクリーニングを済ませたYAMAHAのMC100を取り付けて鳴らしているところです。
アームにリング状のアルミをかませ、アームパイプの共振モードを変化さる実験をしているところです。
またケーブルをカートリッジからアンプまで直付けで繋ぐ場合、非常に細い線を使用すためできるだけ短くつなげられるようにしたいものです。
また細いケーブルといってもそれなりにテンションがかかるため、ゼロバランスをとっている状態で、アームの前後左右の動きに制約が生じないように引き回さないと、逆に音質を劣化させてしまう事もあるので注意が必要です。
このケーブルの制約は、引き回し方によってはインサイドフォースキャンセラー以上に強いテンションがかかるので、非常にデリケートな部分なのです。
という事で、ベアリングを変えたYSA-2の音はすこぶるゴキゲンな音で、やはり軸受け部の空洞にアルミ材を固定したためか静かになる事も確認できましたので、いずれアームベース部も手を加えたい部分です。
ケーブルの引き回しも以前に比べてテンションがかかりにくいため、音の透明感が劇的に改善され、微小でで繊細な音が聞き取れるようになってきました。
久しぶりにMC100の音も聞いてみましたが、多少くたびれているとはいえ、緻密さと繊細を併せ持ち、切れとスピードのある活発な音を聞かせてくれます。
アナログ再生の場合、ポイントをきちんと抑えた鳴らし方をしないとまともな音を再生する事ができず、手軽で誰でもお勧めですとはいえません。
しかしそんな難しい面はあるのですが、つぼを押さえたときの音楽は、いつまでも聴き続けていたいと思う快楽をもたらせてくれます。
そんな音が出て来るから、いまだにアナログをやめられないのですけどね。
サムライジャパンでございます。
しばらく更新が途絶えてしまいましたが、毎日細々といろいろやっておりました。
さて前回のブログでは、YAMAHAのGT2000に搭載されているYSA-2というピュアストレートアームの軸受けに関して、小改造のテスト直前まで話したところ、軸受けのボールベアリング球を紛失してしまい、現在専門の問屋へ発注したところまで話しました。
そして古いオンボロプレーヤーを引きずり出し、YAMAHAのMC100をクリーニングして鳴らすところまで話しました。
しかし結果からいえば、おんぼろプレーヤーの回転が非常に不安定で、なかなかまともな音を聞く事ができません。
そのようなわけでしばらくCDばかり聞いていましたが、念願のアーム軸受けのベアリング球が届きました。
本来なら直ぐに取り付けて視聴と行きたいところでしたが、しばらく鳴らしこんでいなかったYSA-2のメンテナンスも同時に行おうと考えました。
以前買い込んでおいたアーム内ケーブルも同時に交換しようと思ったのです。
長年の使用で外皮もわずかに硬化していたし、見た目も汚れが付着していましたからね。
そこで細かい作業になるので実態顕微鏡での作業となります。
YSA-2のほうもばらばらに分解して、ケーブルを通し直します。
私のYSA-2はカートリッジからアンプの入力端子までの接点をなくした繋ぎ方ですので、アーム内にあった純正の無酸素銅の単線を束ねたものなども取り出していたため、アーム単体が非常に軽くなってしまい、YAMAHAのMC100の時はギリギリゼロバランスが取れましたけど、シェルターの場合わずかに軽く、ゼロバランスも取れない問題がありました。
そのため1グラムのメモリをゼロとみなしてバランスをとっていましたが、以前から気になっていたアームの先端の方も少し手を加える事にしました。
内部配線材を取り除いたため、ウエイトが軽くなっただけではなく、その線材を固定するために入っていたプラスチックのガイドなども取り除いていたため、アームパイプがカンカンと鳴り易くなっていたのです。
そこでこの鳴きを抑える事とウエイトを増やす目的で、手を加える事にしました。
もうかなり昔の事になりますが、私がオーディオを始めて間もない頃、名前は忘れましたがあるオーディオ評論家の方が、雑誌にアナログプレーヤーの改良記事を載せていました。
そこにはアームやシェルなど様々な部分の鳴きを押さえるという意味で、ブチルゴムを貼り巡らせて鳴きを抑えるというものでした。
雑誌にはすばらしい評価が書かれていましたので、当時の私もブチルゴムを買い込みペタペタと貼り付けたことがございます。
結果はといえば、不要な共振を抑えるわけですので、音が全体的に静かになりました。
・・・しかし・・・
何か物足りない・・・
聞こえていた音が聞こえなくなり、モゴモゴボテボテのゴムのような音になり、音楽の躍動感まですべて失われた音となってしまいました。
そのような経験から、不要振動を避けるために極力ゴムに頼るのはやめようと思ったものです。
これとは逆に重くて硬いもので不要振動を抑える方向性もあるのですが、繊細で敏感に音に反応するアナログプレーヤーの場合、硬くて重いもので振動を抑えると、暗く沈んだ音色になりやすく、これもやりすぎるとよくない結果につながります。
そのような意味では、材質の固有の音がダイレクトに反映されやすいアナログプレーヤーは、そこが楽しい面であり、また難しく迷宮への入り口という悩ましいことになるのですけどね。
上の画像ではクリーニングを済ませたYAMAHAのMC100を取り付けて鳴らしているところです。
アームにリング状のアルミをかませ、アームパイプの共振モードを変化さる実験をしているところです。
またケーブルをカートリッジからアンプまで直付けで繋ぐ場合、非常に細い線を使用すためできるだけ短くつなげられるようにしたいものです。
また細いケーブルといってもそれなりにテンションがかかるため、ゼロバランスをとっている状態で、アームの前後左右の動きに制約が生じないように引き回さないと、逆に音質を劣化させてしまう事もあるので注意が必要です。
このケーブルの制約は、引き回し方によってはインサイドフォースキャンセラー以上に強いテンションがかかるので、非常にデリケートな部分なのです。
という事で、ベアリングを変えたYSA-2の音はすこぶるゴキゲンな音で、やはり軸受け部の空洞にアルミ材を固定したためか静かになる事も確認できましたので、いずれアームベース部も手を加えたい部分です。
ケーブルの引き回しも以前に比べてテンションがかかりにくいため、音の透明感が劇的に改善され、微小でで繊細な音が聞き取れるようになってきました。
久しぶりにMC100の音も聞いてみましたが、多少くたびれているとはいえ、緻密さと繊細を併せ持ち、切れとスピードのある活発な音を聞かせてくれます。
アナログ再生の場合、ポイントをきちんと抑えた鳴らし方をしないとまともな音を再生する事ができず、手軽で誰でもお勧めですとはいえません。
しかしそんな難しい面はあるのですが、つぼを押さえたときの音楽は、いつまでも聴き続けていたいと思う快楽をもたらせてくれます。
そんな音が出て来るから、いまだにアナログをやめられないのですけどね。
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2013/02/04 09:56 |
YAMAHA MC100 カートリッジクリーニング |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
さて前回のブログでは、YAMAHAのGT2000に搭載されているYSA-2というピュアストレートアームの軸受けに関して、小改造のテスト直前まで話したところ、軸受けのボールベアリング球を紛失してしまい、現在専門の問屋へ発注したところまで話しました。
ベアリング球が届くまでアナログ再生はお預けという事でしたが、やはり我慢ができなくなり、どうにかアナログを再生できないかと考えたのです。
そういえば押入れの中に、生前母が使用していた古いSONNYのプレーヤーがーある事を思い出しました。
早速引っ張り出してみると、いかにも安っぽい作りのへなちょこプレーヤーが出てきました。
昔のシステムコンポに付いてきそうなその安っぽいプレーヤーですが、駆動系は当時の主流であったダイレクトドライブではなく、当時安物のイメージが強かったベルトドライブのプレーヤーです。
これは使えるかもしれないと思い、早速再生できるように準備を始めてみました。
見ればカートリッジも付属しています。
オーディオテクニカのMMタイプのカートリッジです。
しかしうちのプリアンプのフォノ回路は、音質優先のためMC専用のフォノ回路のため、MM型のカートリッジは使用できません。
GT2000についているYAS-2のアームに取り付けられたシェルターのカートリッジを外すのもちょっと面倒ですし、他に何かないかとジャンク箱を物色していたらシェルターの入っていた箱が出てきました。
中を開けてみると、以前メインに使用していたYAMAHAのMC100というカートリッジが入っていました。
当時YAMAHAのカートリッジは繊細な音のものが多かったのですが、美しい音色とレンジ感や繊細さは魅力でも、どことなくパンチ力や切れ味が弱く感じられたのですが、このMC100は他のモデルと違いメタルボディーを採用し、テーパー状のベリリウムカンチレバーの織り成す音は、その切れ味の鋭さやパンチ力も備わり、非常に分解能も高いコストパフォーマンスに優れたカートリッジでした。
発売間もない頃に手に入れたのですが、あまりにも素晴らしい音のよさにつられ、頻繁に聞いていたものです。
そのような事もあって、いい加減音質も切れ味やレンジ感、そして繊細さも新品の頃に比べれば落ちてきたので、そろそろ針交換だと思い針交換を頼んだところ在庫なしとの答えでした。
その頃YAMAHAはアナログからは撤退してしまったので、意外と短命なモデルです。
とても残念に思い次のリファレンス用にシェルターを手に入れたのです。
本来ならMC100のように空芯コイルのカートリッジが欲しかったのですが、その頃選択肢は少なくなってしまい、色付けの少ない音色のカートリッジというのもなかなか見つけ難いものでした。
今までいろいろなカートリッジを所有してきましたが、どうしても重針圧系の極太の音は好きではなく、繊細さと広い音場感やレンジ感を感じさせ、切れ味鋭くスピード感が伴い、高い分解能を有するカートリッジというのもそれほど多くありません。
オーディオテクニカのAT33系などはコストパフォーマンスは悪くはないのですが、独特の煌びやかな音色もあり、DENONの103系も安価に手に入れられるものの、安定した再生は可能ですがレンジも狭く分解能も高くないため、これらも以前所有していたので却下です。
そこで当時手に入れられるものとしてシェルターを購入したのですが、上級機ならMC100を凌駕する一面を感じるものの価格は卒倒してしまうほど高額です。
そこで下のモデルを手に入れたのですけど、音の質感やパンチ力もあり、変な癖を感じさせないカートリッジです。
さて余談はさておき、出てきたMC100を見てびっくり仰天です。
シェルターに付け替えた時、もう聞く事もないかも知れないと思いそのまま仕舞い込んでいたのでしょう。
見たら当時の汚れそのままに、まるで海底から引き上げられた沈没船のような状況です。
頻繁にスタイラスクリーナーで清掃していたつもりでしたが、とてもじゃないですがかなりひどい有様です。
とりあえず掃除をすることにしました。
といっても微小な針先の清掃ですから、慎重かつ繊細な作業になります。
そこで以前精密作業用に購入していた実体顕微鏡を使用する事にしました。
さすがに顕微鏡で見ると針先がよく見えます。
自慢のベリリウムテーパーカンチレバーは、様々な付着物で引き上げられた沈没船のよににボコボコな表面です。
周囲も汚れがびっちり付着しています。
そこでアルコールとブラシを使い、慎重に汚れを浮かしながら落としていきます。
しかしそれでも落ちにくい固着物は、クラフトナイフの先端を使い落としました。
しつこくクリーニングを繰り返してみたら、テーパー状のベリリウムカンチレバーも見事な姿を現し、針先も鋭角に尖り輝いています。
昔は実体顕微鏡など持っていませんので、単純に針先が磨耗しているものだと考えていましたが、たぶん音質劣化の要因の大半は、このように固着して積重ねられてきた付着物が、結果として音を悪くしていたのかもしれません。
でも問題はきちんと音が出るかですね。
クリーニングも終わったので、へなちょこプレーヤーに付いていたテクニカのMMカートリッジを外し、MC100をへっとシェルへ装着しました。
見事にベリリウムのテーパー状のカンチレバーも蘇り、付着物に埋もれ先端だけ顔を覗かせていた鋭角に加工されたダイアモンドの針先も輝いています。
そしてきゃしゃなS字アームにセットしてターンテーブルを回してみました。
・・・・・
ストロボライトが・・・・
どうも回転がえらく遅いようです。
昔も回転が安定するまでは少し時間がかかったと思い様子を見てみましたが、やはりめちゃくちゃ回転が遅いです。
ためしの45回転に切り替えて見ると、それでも33回転の適正よりはるかに遅いのです。
速度調整用のボリュームが付いていますのでMAXにしてみましたが、それでも33回転の適性には到達できません。
仕方なくプレーヤーの裏板を外し、プレーヤー内部を覗いてみてみても原因がわかりません。
速度調整用のボリュームの基盤を外してみたところ、そこの調整用の部品が付いていたのでいじってみたところ、どうにか45回転に設定すれば、33回転の適正に調整可能になりました。
しかしなかなか回転が安定しないですね。
でもしばらくすると、とりあえず聞けるようになったのでレコードをかけてみました。
MC100は蘇りました。
へなちょこターンテーブルにへっぽこアーム、セッティングもいい加減ですが、やはりMC100の音です。
幸いベルトドライブのため、これだけへなちょこでも安物DDプレーヤーのような音の濁りを感じさせません。
そういってもレンジ感は狭く、音の透明感も不足して、スピードも切れ味もないへなちょこプレーヤーですが、聞くに耐えないような音はしません。
なんかこのおんぼろプレーヤーを改造したくなりましたね。
回転系さえ安定すればこのターンテーブルは十分使えそうですし、アームも大幅改造を施せば面白いかもしれません。
なんて妄想描いているより、MC100はもしかしてまだまだ現役続行できそうです。
GT2000のYSA-2が復活したら、一度付け替えてもう一度あの音を聞きたくなりましたね。
サムライジャパンでございます。
さて前回のブログでは、YAMAHAのGT2000に搭載されているYSA-2というピュアストレートアームの軸受けに関して、小改造のテスト直前まで話したところ、軸受けのボールベアリング球を紛失してしまい、現在専門の問屋へ発注したところまで話しました。
ベアリング球が届くまでアナログ再生はお預けという事でしたが、やはり我慢ができなくなり、どうにかアナログを再生できないかと考えたのです。
そういえば押入れの中に、生前母が使用していた古いSONNYのプレーヤーがーある事を思い出しました。
早速引っ張り出してみると、いかにも安っぽい作りのへなちょこプレーヤーが出てきました。
昔のシステムコンポに付いてきそうなその安っぽいプレーヤーですが、駆動系は当時の主流であったダイレクトドライブではなく、当時安物のイメージが強かったベルトドライブのプレーヤーです。
これは使えるかもしれないと思い、早速再生できるように準備を始めてみました。
見ればカートリッジも付属しています。
オーディオテクニカのMMタイプのカートリッジです。
しかしうちのプリアンプのフォノ回路は、音質優先のためMC専用のフォノ回路のため、MM型のカートリッジは使用できません。
GT2000についているYAS-2のアームに取り付けられたシェルターのカートリッジを外すのもちょっと面倒ですし、他に何かないかとジャンク箱を物色していたらシェルターの入っていた箱が出てきました。
中を開けてみると、以前メインに使用していたYAMAHAのMC100というカートリッジが入っていました。
当時YAMAHAのカートリッジは繊細な音のものが多かったのですが、美しい音色とレンジ感や繊細さは魅力でも、どことなくパンチ力や切れ味が弱く感じられたのですが、このMC100は他のモデルと違いメタルボディーを採用し、テーパー状のベリリウムカンチレバーの織り成す音は、その切れ味の鋭さやパンチ力も備わり、非常に分解能も高いコストパフォーマンスに優れたカートリッジでした。
発売間もない頃に手に入れたのですが、あまりにも素晴らしい音のよさにつられ、頻繁に聞いていたものです。
そのような事もあって、いい加減音質も切れ味やレンジ感、そして繊細さも新品の頃に比べれば落ちてきたので、そろそろ針交換だと思い針交換を頼んだところ在庫なしとの答えでした。
その頃YAMAHAはアナログからは撤退してしまったので、意外と短命なモデルです。
とても残念に思い次のリファレンス用にシェルターを手に入れたのです。
本来ならMC100のように空芯コイルのカートリッジが欲しかったのですが、その頃選択肢は少なくなってしまい、色付けの少ない音色のカートリッジというのもなかなか見つけ難いものでした。
今までいろいろなカートリッジを所有してきましたが、どうしても重針圧系の極太の音は好きではなく、繊細さと広い音場感やレンジ感を感じさせ、切れ味鋭くスピード感が伴い、高い分解能を有するカートリッジというのもそれほど多くありません。
オーディオテクニカのAT33系などはコストパフォーマンスは悪くはないのですが、独特の煌びやかな音色もあり、DENONの103系も安価に手に入れられるものの、安定した再生は可能ですがレンジも狭く分解能も高くないため、これらも以前所有していたので却下です。
そこで当時手に入れられるものとしてシェルターを購入したのですが、上級機ならMC100を凌駕する一面を感じるものの価格は卒倒してしまうほど高額です。
そこで下のモデルを手に入れたのですけど、音の質感やパンチ力もあり、変な癖を感じさせないカートリッジです。
さて余談はさておき、出てきたMC100を見てびっくり仰天です。
シェルターに付け替えた時、もう聞く事もないかも知れないと思いそのまま仕舞い込んでいたのでしょう。
見たら当時の汚れそのままに、まるで海底から引き上げられた沈没船のような状況です。
頻繁にスタイラスクリーナーで清掃していたつもりでしたが、とてもじゃないですがかなりひどい有様です。
とりあえず掃除をすることにしました。
といっても微小な針先の清掃ですから、慎重かつ繊細な作業になります。
そこで以前精密作業用に購入していた実体顕微鏡を使用する事にしました。
さすがに顕微鏡で見ると針先がよく見えます。
自慢のベリリウムテーパーカンチレバーは、様々な付着物で引き上げられた沈没船のよににボコボコな表面です。
周囲も汚れがびっちり付着しています。
そこでアルコールとブラシを使い、慎重に汚れを浮かしながら落としていきます。
しかしそれでも落ちにくい固着物は、クラフトナイフの先端を使い落としました。
しつこくクリーニングを繰り返してみたら、テーパー状のベリリウムカンチレバーも見事な姿を現し、針先も鋭角に尖り輝いています。
昔は実体顕微鏡など持っていませんので、単純に針先が磨耗しているものだと考えていましたが、たぶん音質劣化の要因の大半は、このように固着して積重ねられてきた付着物が、結果として音を悪くしていたのかもしれません。
でも問題はきちんと音が出るかですね。
クリーニングも終わったので、へなちょこプレーヤーに付いていたテクニカのMMカートリッジを外し、MC100をへっとシェルへ装着しました。
見事にベリリウムのテーパー状のカンチレバーも蘇り、付着物に埋もれ先端だけ顔を覗かせていた鋭角に加工されたダイアモンドの針先も輝いています。
そしてきゃしゃなS字アームにセットしてターンテーブルを回してみました。
・・・・・
ストロボライトが・・・・
どうも回転がえらく遅いようです。
昔も回転が安定するまでは少し時間がかかったと思い様子を見てみましたが、やはりめちゃくちゃ回転が遅いです。
ためしの45回転に切り替えて見ると、それでも33回転の適正よりはるかに遅いのです。
速度調整用のボリュームが付いていますのでMAXにしてみましたが、それでも33回転の適性には到達できません。
仕方なくプレーヤーの裏板を外し、プレーヤー内部を覗いてみてみても原因がわかりません。
速度調整用のボリュームの基盤を外してみたところ、そこの調整用の部品が付いていたのでいじってみたところ、どうにか45回転に設定すれば、33回転の適正に調整可能になりました。
しかしなかなか回転が安定しないですね。
でもしばらくすると、とりあえず聞けるようになったのでレコードをかけてみました。
MC100は蘇りました。
へなちょこターンテーブルにへっぽこアーム、セッティングもいい加減ですが、やはりMC100の音です。
幸いベルトドライブのため、これだけへなちょこでも安物DDプレーヤーのような音の濁りを感じさせません。
そういってもレンジ感は狭く、音の透明感も不足して、スピードも切れ味もないへなちょこプレーヤーですが、聞くに耐えないような音はしません。
なんかこのおんぼろプレーヤーを改造したくなりましたね。
回転系さえ安定すればこのターンテーブルは十分使えそうですし、アームも大幅改造を施せば面白いかもしれません。
なんて妄想描いているより、MC100はもしかしてまだまだ現役続行できそうです。
GT2000のYSA-2が復活したら、一度付け替えてもう一度あの音を聞きたくなりましたね。
2013/02/04 09:55 |
YAMAHA GT2000 YSA-2 改造 |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
さて前回のブログでは、YAMAHAのGT2000に搭載されているYSA-2というピュアストレートアームの軸受けに関して、オイル汚れによる軸受けの動きの制限が音に影響する話をしました。
そうしたところ、YSA-2のユーザー様から簡単なご質問があり、軸受けベース部分付近に見られるひび割れに関してのお話でした。
はじめ表面上の塗膜についてと勘違いしてしまいましたが、そんな事ならコメントなどすることもないはずで、以前から気になっていたひび割れについてもこれから改善しなければとずーっと考えてもいたのです。
そのようなわけで、実はGT2000系の純正アームを分解した事がある方ならご存知のように、意外とコストダウンの為、音質的に悪影響を及ぼしそうな点もいくつか上げられます。
もちろんすべてがコストダウンというわけではなく、それなりに音質的な評価基準をクリアーする為のアイデアも取り入れているのでしょうし、何が何でもよくないというのではありません。
そこで今回は、以前から手を付けずにいた懸案事項についてお話したいと思います。
そんなわけでまたまたアーム部分を分解しました。
とりあえず今回はアームの方はそのまま手を付けませんが、軸受け部分を中心にベース部分まで分解します。
GT2000シリーズ共通のアームの取り付けベース部分です。
アルミ合金の鋳物製で、裏を見るとこんな感じです。
こんな姿を見れば、剛性マニアの方ならアレルギーを起こすほどの肉抜き構造になりますので、やれ砲金だ!アルミ無垢材の削りだしだ!と気が動く部分です。
確かに音質的にはベストになりにくい構造なのは確かでしょう。
さてアーム軸受け部分を分解してみます。
ここはさすがにひどいつくりですね。
本来なら取り付けガイド用にプラスチックのスペーサーもありましたが、とうの昔にそんなもの捨ててしまいました。
しかもGT2000のアームに共通する高さ調整時にアームベースがすとんと下へ落ちる事を考慮して、スプリングとプラ板のガイドも付いていましたが、どう考えても共振バリバリ出すものなので、すべて削除してあります。
実はこれだけでも音がすっきりと澄んで、不透明な濁りを感じる音質が消え、レコードに刻まれている微細な音が聞こえてくるようになります。
ただしこんなことすれば中古品としての価値はなくなりますので、転売を常に考えている方は手を付けないでください。
ただしこのアームを使い倒すという意気込みのある方は、いちど試されてみるとよくわかります。
しかし二度と同じように戻せなくなる可能性があるので、誰にでもお勧めするわけにはいかないのですけどね。
さてこの軸受け部分の裏側ですが、ご覧のように空洞です。
ここの軸受けベース部分の材質に関しては正確には不明ですが、アルミ合金の類なのは確かなようです。
しかも音質的に固有の共振を抑える為なのでしょうけど、結晶の結合もあまり強くないようで、それにより内部損失を増やして共振を逃がしているのでしょう。
どうしても万人向けの使い勝手を考えれば致し方ない選択で、本来ならここは一番力を入れたい部分です。
しかもプレーヤー本体には内部に大きな空洞を持つ構造のGT2000ですが、アームベース部の大きな開口部にじかに向き合う為、内部の空気の共振などの影響ももろに受けてしまいそうです。
そこで材質的に共振を逃がすようにしたのかもしれませんね。
でもこの軸受け部分を爪で叩いてみると、まるでプラスチックのようなカツカツとした軽い音が響きますので、ちょっと考えてしまう部分です。
もちろん高剛性にすればいいというものでもなく、材質固有の共振モードの音がもろに出てしまいますので、そこも難しいところです。
またこの音を制振しようと共振をダンプしてしまえば、ノイズリダクションのように静かにはなるけれど、おいしい音の部分まで一緒に消えてしまう事がほとんどですので、これもまた難しいところです。
重くて硬い重量物の場合、不要な振動の発生は抑える方向性にはなるのですが、固有の共振モードが低い周波数に移行するだけで、結果としてカチッとした音で静かになったと喜んでも、暗く沈んだ音色になる事も多いのです。
さてこの軸受けの空洞部分何とかいじれないかとジャンク箱を覗いていたら、バイク用に使用していたアルミの肉厚のあるスペーサーが出てきました。
これを空洞内に入れ、長いねじで軸受け部分と一緒に固定して、どれだけ音が変化するか実験です。
さてベースも取り付けて、軸受けのベアリングを取り付けて・・・・・
やぁ!!やってしまった!!!
ピンセットで摘んだボールベアリング球のひとつがどこかへ消え去りました。
YSA-2の命といえる鋼球・・・・
とりあえず速攻で問屋に発注しました。
どうせそろそろ代えようと思っていましたので、少し多めに仕入れる事にしました。
という事で、音質評価はまた次回という事で。
サムライジャパンでございます。
さて前回のブログでは、YAMAHAのGT2000に搭載されているYSA-2というピュアストレートアームの軸受けに関して、オイル汚れによる軸受けの動きの制限が音に影響する話をしました。
そうしたところ、YSA-2のユーザー様から簡単なご質問があり、軸受けベース部分付近に見られるひび割れに関してのお話でした。
はじめ表面上の塗膜についてと勘違いしてしまいましたが、そんな事ならコメントなどすることもないはずで、以前から気になっていたひび割れについてもこれから改善しなければとずーっと考えてもいたのです。
そのようなわけで、実はGT2000系の純正アームを分解した事がある方ならご存知のように、意外とコストダウンの為、音質的に悪影響を及ぼしそうな点もいくつか上げられます。
もちろんすべてがコストダウンというわけではなく、それなりに音質的な評価基準をクリアーする為のアイデアも取り入れているのでしょうし、何が何でもよくないというのではありません。
そこで今回は、以前から手を付けずにいた懸案事項についてお話したいと思います。
そんなわけでまたまたアーム部分を分解しました。
とりあえず今回はアームの方はそのまま手を付けませんが、軸受け部分を中心にベース部分まで分解します。
GT2000シリーズ共通のアームの取り付けベース部分です。
アルミ合金の鋳物製で、裏を見るとこんな感じです。
こんな姿を見れば、剛性マニアの方ならアレルギーを起こすほどの肉抜き構造になりますので、やれ砲金だ!アルミ無垢材の削りだしだ!と気が動く部分です。
確かに音質的にはベストになりにくい構造なのは確かでしょう。
さてアーム軸受け部分を分解してみます。
ここはさすがにひどいつくりですね。
本来なら取り付けガイド用にプラスチックのスペーサーもありましたが、とうの昔にそんなもの捨ててしまいました。
しかもGT2000のアームに共通する高さ調整時にアームベースがすとんと下へ落ちる事を考慮して、スプリングとプラ板のガイドも付いていましたが、どう考えても共振バリバリ出すものなので、すべて削除してあります。
実はこれだけでも音がすっきりと澄んで、不透明な濁りを感じる音質が消え、レコードに刻まれている微細な音が聞こえてくるようになります。
ただしこんなことすれば中古品としての価値はなくなりますので、転売を常に考えている方は手を付けないでください。
ただしこのアームを使い倒すという意気込みのある方は、いちど試されてみるとよくわかります。
しかし二度と同じように戻せなくなる可能性があるので、誰にでもお勧めするわけにはいかないのですけどね。
さてこの軸受け部分の裏側ですが、ご覧のように空洞です。
ここの軸受けベース部分の材質に関しては正確には不明ですが、アルミ合金の類なのは確かなようです。
しかも音質的に固有の共振を抑える為なのでしょうけど、結晶の結合もあまり強くないようで、それにより内部損失を増やして共振を逃がしているのでしょう。
どうしても万人向けの使い勝手を考えれば致し方ない選択で、本来ならここは一番力を入れたい部分です。
しかもプレーヤー本体には内部に大きな空洞を持つ構造のGT2000ですが、アームベース部の大きな開口部にじかに向き合う為、内部の空気の共振などの影響ももろに受けてしまいそうです。
そこで材質的に共振を逃がすようにしたのかもしれませんね。
でもこの軸受け部分を爪で叩いてみると、まるでプラスチックのようなカツカツとした軽い音が響きますので、ちょっと考えてしまう部分です。
もちろん高剛性にすればいいというものでもなく、材質固有の共振モードの音がもろに出てしまいますので、そこも難しいところです。
またこの音を制振しようと共振をダンプしてしまえば、ノイズリダクションのように静かにはなるけれど、おいしい音の部分まで一緒に消えてしまう事がほとんどですので、これもまた難しいところです。
重くて硬い重量物の場合、不要な振動の発生は抑える方向性にはなるのですが、固有の共振モードが低い周波数に移行するだけで、結果としてカチッとした音で静かになったと喜んでも、暗く沈んだ音色になる事も多いのです。
さてこの軸受けの空洞部分何とかいじれないかとジャンク箱を覗いていたら、バイク用に使用していたアルミの肉厚のあるスペーサーが出てきました。
これを空洞内に入れ、長いねじで軸受け部分と一緒に固定して、どれだけ音が変化するか実験です。
さてベースも取り付けて、軸受けのベアリングを取り付けて・・・・・
やぁ!!やってしまった!!!
ピンセットで摘んだボールベアリング球のひとつがどこかへ消え去りました。
YSA-2の命といえる鋼球・・・・
とりあえず速攻で問屋に発注しました。
どうせそろそろ代えようと思っていましたので、少し多めに仕入れる事にしました。
という事で、音質評価はまた次回という事で。
2013/02/04 09:52 |
YAMAHA GT2000 YSA-2 メンテナンス |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
さてサムライジャパンとしてブログを書いてきたのですが、今までスピーカーの話ばかりでしたので、今回はアナログプレーヤーに関してお話を書きたいと思います。
かなり前のブログで、悪しき先輩としてAMAHA GT2000改造で一度掲載された事があります。
今回はそれに搭載されているYSA-2というピュアストレートアームにまつわるお話です。
今どきアナログプレーヤー?
時代遅れじゃないの。
懐古趣味なんですか。
そんな音が悪い前時代の化石の話などされても。。。
アナログ拒絶派の方々からはこのような言葉も聞こえてくるかもしれませんね。
といいましても、うちでは今もメインはアナログプレーヤーなのです。
もちろんCDだって聞きますけど、ここ一発の再生はやはり今でもアナログなのです。
今まで多くのマニアの方とお会いしましたが、CDのほうが絶対音がいいとアナログに見切りをつけてきた方も数多くいらっしゃいましたが、そのほとんどがアナログプレーヤーをきちんと再生する事の出来ない場合が多く見られ、結果的にアナログのよさを十分理解する手前だったという感じに見られます。
ご存知のようにアナログはターンテーブル、アーム、ケーブル、カートリッジ、セット場所、セッティング微調整、等等、とにかく手間もかかり、そのためのノウハウなど、また膨大な経験も必要であるなど、簡単お手軽と行かないのがアナログ再生の難しさです。
しかもいい音を追求するためにかかる費用だって、CDに比べべたらはるかに高くつきます。
そう考えたらコストパフォーマンスなんて悪いわけで、それならと手軽に扱えるCDプレーヤーのほうが簡単にいい音を出す事が可能なのです。
CDプレーヤーだって年々新しい優れたモデルが発売され、音のいいCDプレーヤーも数多くなりました。
さて音のいいCDプレーヤーっていっても、究極的にはアナログの音なわけです。
デジタルな音が世の中に存在しないので、そりゃそうですよね。
今は半導体の技術も高まり、それに習うようにCDプレーヤーの音もよりアナログに近づいてきました。
もともといわれていたCDのサンプリングなどに対するデーター不足も、そのような部分でかなり改善されてきたのでしょう。
とはいっても、昨今のPCや携帯電話の大幅な技術の進歩があるように、制約が多くデーターが少ないCD規格よりはるかに膨大なデーターの新たなデジタル音源も登場してきたわけで、よりいっそう緻密な音楽再生が可能な時代になってきました。
そうなればまた楽しく音楽が楽しめますね。
さて一方のアナログといえば、情報量は無限大のアナログですから、その点ではCDとは比較にならないほど優秀です。
しかし、先ほどお話したように、機械的に信号を拾い上げる構造上、どうしても難しい面が多くあります。
どんなにがんばってもSNやダイナミックレンジじゃCDにかないません。
しかも正確さという意味でも、常に危ういピックアップをしていますので、常に正確無比なCDには足元にも及びません。
でも今でも新たなカートリッジやターンテーブルが生まれ出ているように、その無限に広がる情報をいかに多く引き出せるか、いまだに探求が続いています。
そのような意味ではCDであろうとアナログであろうと、ましてや新たなデジタル音源であろうと、その求める方向は同じなのです。
と前置きばかり話しても仕方がありませんから、そろそろ本題に移ります。
私が使用しているGT2000には、当時ヤマハがオプションとして発売したYSA-2というアームが取り付けられています。
ご覧のようにカートリッジの取り付けに角度がついておらず、しかも通常のアームより短い長さの軌道を描きます。
そのためトラッキングエラーが発生しますが、それと引き換えに、アームがレコード内周へ引き寄せる力をキャンセルするインサイドフォースキャンセラーがありません。
短いアームによりアーム剛性を高め、より感度をよくする狙い、また音質に悪影響を及ぼしやすインサイドフォースキャンセラーの排除、そして絶対的な安定した軸受けとして、シンプルな3点支持など、江川三郎氏によって考案されたアームをヤマハが商品化したものです。
このアームをつける前はGT2000の純正アームを使用していましたが、このピュアストレートアームに交換したときは、まるでレコーディングスタジオのモニター室で聞く音はこんな感じなのかと思えるほど衝撃的でした。
それほど感度がいいアームでしたが、私はさらに改造を施してしまいました。
カートリッジからアンプの入り口まで完全無接点化したのです。
モガミのアーム内部向けの細い同軸ケーブルを用いましたので、直流抵抗を考えたら相当ひどいはずです。
そのためアームの外で一度太いケーブルに半田付けにより繋ぎ直してみたものの、この接点ひとつの音質劣化のほうが遥かに大きく、結局このような形となったのです。
しかも純正のYSA-2は、途中3箇所の接続変換があり、直流抵抗は少ないと自信満々にカタログへ記載されていましたが、この接点は微小な信号を扱うアナログにとっては非常に音質を低下させる要因です。
接点毎にどうしても微細な信号情報が欠落してしまうようです。
ただ純正は万人に向けた使い勝手を考えなければならず、そのような意味でこのような構造になったのでしょう。
さて私のYSA-2ですが、そのような改造もあり非常に使い難いものへとなってしまいました。
一番の大きな問題点は、最小限の接触抵抗とスムーズで安定した軸受けを採用した事で、その動きを妨げないようにアーム内部から外へケーブルを出す際、純正は極細のリッツ線の束で逃がしていました。
私のは通常の内部用配線財ですので、外へ出すとケーブルの太さによるテンションが掛、アームの動きに影響を与えやすくなります。
そこであれこれと動きの制限を受けにくくするために、ケーブルの引き回しに工夫が必要でした。
そんな事もあったのですが、ALTECを解体してからほとんど動かしていなかったGT2000ですが、最近AudioNirvanaのダンボールスペシャルを鳴らすのに再稼動中になったものの、何か今ひとつ現役時代の透明感や繊細な感じというか、微妙な空気の質感が感じ難いように思えたのです。
ケーブルの取り回しで動きをスポイルされているわけでもないのですが、よく見てみるとやはりアームの動きがわずかに重い感じです。
そこで軸受けをクリーニングしました。
やはりといいますか、グリスが汚れており、しかも粘度も硬くなっていました。
これではスムースな動きをするわけがありません。
そこで古いグリスを落とし、新しいグリスを塗布して組直しです。
実はここのオイル粘度を変えると音が変わります。
ある程度粘性の低い方がいいのですが、あまりサラサラになると今度は逆にガタツキ音が出てしまうので、適切な粘性のオイルを使用する必要があります。
こんなところのオイルの汚れで音がすぐに悪くなるんですから、面倒といえば面倒です。
もちろんここまで高感度のアームでなく、再生装置もそこまで敏感に反応しないなら気になる事のないのでしょうけど、そんな些細なオイルの汚れまで音として出てきてしまうのは良いのやら悪いのやら。
という事で、再びゴキゲンなアナログサウンドが復活いたしました。
この緻密で繊細な空気の色まで感じ取れる音は病み付きになります。
そんな音がレコードに刻まれているのを知ってしまったから、いまだにアナログやめられないのですけどね。
でもダンボールスペシャルのAudioNirvanaのフルレンジですけど、その見かけ以上にオイルの汚れを音に出すとは、さすがにパフォーマンスが高いユニットです。
かなり分解能が高いユニットだと思いましたけど、まだ段ボール箱で鳴らしているにもかかわらずですからね。
でもその惨たらしい見かけによらず、びっくりするほどかなりまともな音がしますよ。
サムライジャパンでございます。
さてサムライジャパンとしてブログを書いてきたのですが、今までスピーカーの話ばかりでしたので、今回はアナログプレーヤーに関してお話を書きたいと思います。
かなり前のブログで、悪しき先輩としてAMAHA GT2000改造で一度掲載された事があります。
今回はそれに搭載されているYSA-2というピュアストレートアームにまつわるお話です。
今どきアナログプレーヤー?
時代遅れじゃないの。
懐古趣味なんですか。
そんな音が悪い前時代の化石の話などされても。。。
アナログ拒絶派の方々からはこのような言葉も聞こえてくるかもしれませんね。
といいましても、うちでは今もメインはアナログプレーヤーなのです。
もちろんCDだって聞きますけど、ここ一発の再生はやはり今でもアナログなのです。
今まで多くのマニアの方とお会いしましたが、CDのほうが絶対音がいいとアナログに見切りをつけてきた方も数多くいらっしゃいましたが、そのほとんどがアナログプレーヤーをきちんと再生する事の出来ない場合が多く見られ、結果的にアナログのよさを十分理解する手前だったという感じに見られます。
ご存知のようにアナログはターンテーブル、アーム、ケーブル、カートリッジ、セット場所、セッティング微調整、等等、とにかく手間もかかり、そのためのノウハウなど、また膨大な経験も必要であるなど、簡単お手軽と行かないのがアナログ再生の難しさです。
しかもいい音を追求するためにかかる費用だって、CDに比べべたらはるかに高くつきます。
そう考えたらコストパフォーマンスなんて悪いわけで、それならと手軽に扱えるCDプレーヤーのほうが簡単にいい音を出す事が可能なのです。
CDプレーヤーだって年々新しい優れたモデルが発売され、音のいいCDプレーヤーも数多くなりました。
さて音のいいCDプレーヤーっていっても、究極的にはアナログの音なわけです。
デジタルな音が世の中に存在しないので、そりゃそうですよね。
今は半導体の技術も高まり、それに習うようにCDプレーヤーの音もよりアナログに近づいてきました。
もともといわれていたCDのサンプリングなどに対するデーター不足も、そのような部分でかなり改善されてきたのでしょう。
とはいっても、昨今のPCや携帯電話の大幅な技術の進歩があるように、制約が多くデーターが少ないCD規格よりはるかに膨大なデーターの新たなデジタル音源も登場してきたわけで、よりいっそう緻密な音楽再生が可能な時代になってきました。
そうなればまた楽しく音楽が楽しめますね。
さて一方のアナログといえば、情報量は無限大のアナログですから、その点ではCDとは比較にならないほど優秀です。
しかし、先ほどお話したように、機械的に信号を拾い上げる構造上、どうしても難しい面が多くあります。
どんなにがんばってもSNやダイナミックレンジじゃCDにかないません。
しかも正確さという意味でも、常に危ういピックアップをしていますので、常に正確無比なCDには足元にも及びません。
でも今でも新たなカートリッジやターンテーブルが生まれ出ているように、その無限に広がる情報をいかに多く引き出せるか、いまだに探求が続いています。
そのような意味ではCDであろうとアナログであろうと、ましてや新たなデジタル音源であろうと、その求める方向は同じなのです。
と前置きばかり話しても仕方がありませんから、そろそろ本題に移ります。
私が使用しているGT2000には、当時ヤマハがオプションとして発売したYSA-2というアームが取り付けられています。
ご覧のようにカートリッジの取り付けに角度がついておらず、しかも通常のアームより短い長さの軌道を描きます。
そのためトラッキングエラーが発生しますが、それと引き換えに、アームがレコード内周へ引き寄せる力をキャンセルするインサイドフォースキャンセラーがありません。
短いアームによりアーム剛性を高め、より感度をよくする狙い、また音質に悪影響を及ぼしやすインサイドフォースキャンセラーの排除、そして絶対的な安定した軸受けとして、シンプルな3点支持など、江川三郎氏によって考案されたアームをヤマハが商品化したものです。
このアームをつける前はGT2000の純正アームを使用していましたが、このピュアストレートアームに交換したときは、まるでレコーディングスタジオのモニター室で聞く音はこんな感じなのかと思えるほど衝撃的でした。
それほど感度がいいアームでしたが、私はさらに改造を施してしまいました。
カートリッジからアンプの入り口まで完全無接点化したのです。
モガミのアーム内部向けの細い同軸ケーブルを用いましたので、直流抵抗を考えたら相当ひどいはずです。
そのためアームの外で一度太いケーブルに半田付けにより繋ぎ直してみたものの、この接点ひとつの音質劣化のほうが遥かに大きく、結局このような形となったのです。
しかも純正のYSA-2は、途中3箇所の接続変換があり、直流抵抗は少ないと自信満々にカタログへ記載されていましたが、この接点は微小な信号を扱うアナログにとっては非常に音質を低下させる要因です。
接点毎にどうしても微細な信号情報が欠落してしまうようです。
ただ純正は万人に向けた使い勝手を考えなければならず、そのような意味でこのような構造になったのでしょう。
さて私のYSA-2ですが、そのような改造もあり非常に使い難いものへとなってしまいました。
一番の大きな問題点は、最小限の接触抵抗とスムーズで安定した軸受けを採用した事で、その動きを妨げないようにアーム内部から外へケーブルを出す際、純正は極細のリッツ線の束で逃がしていました。
私のは通常の内部用配線財ですので、外へ出すとケーブルの太さによるテンションが掛、アームの動きに影響を与えやすくなります。
そこであれこれと動きの制限を受けにくくするために、ケーブルの引き回しに工夫が必要でした。
そんな事もあったのですが、ALTECを解体してからほとんど動かしていなかったGT2000ですが、最近AudioNirvanaのダンボールスペシャルを鳴らすのに再稼動中になったものの、何か今ひとつ現役時代の透明感や繊細な感じというか、微妙な空気の質感が感じ難いように思えたのです。
ケーブルの取り回しで動きをスポイルされているわけでもないのですが、よく見てみるとやはりアームの動きがわずかに重い感じです。
そこで軸受けをクリーニングしました。
やはりといいますか、グリスが汚れており、しかも粘度も硬くなっていました。
これではスムースな動きをするわけがありません。
そこで古いグリスを落とし、新しいグリスを塗布して組直しです。
実はここのオイル粘度を変えると音が変わります。
ある程度粘性の低い方がいいのですが、あまりサラサラになると今度は逆にガタツキ音が出てしまうので、適切な粘性のオイルを使用する必要があります。
こんなところのオイルの汚れで音がすぐに悪くなるんですから、面倒といえば面倒です。
もちろんここまで高感度のアームでなく、再生装置もそこまで敏感に反応しないなら気になる事のないのでしょうけど、そんな些細なオイルの汚れまで音として出てきてしまうのは良いのやら悪いのやら。
という事で、再びゴキゲンなアナログサウンドが復活いたしました。
この緻密で繊細な空気の色まで感じ取れる音は病み付きになります。
そんな音がレコードに刻まれているのを知ってしまったから、いまだにアナログやめられないのですけどね。
でもダンボールスペシャルのAudioNirvanaのフルレンジですけど、その見かけ以上にオイルの汚れを音に出すとは、さすがにパフォーマンスが高いユニットです。
かなり分解能が高いユニットだと思いましたけど、まだ段ボール箱で鳴らしているにもかかわらずですからね。
でもその惨たらしい見かけによらず、びっくりするほどかなりまともな音がしますよ。