2024/12/04 21:00 |
[PR] |
2013/02/22 03:24 |
マグネットの違い |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
しばらくブログの更新をサボってしまい申し訳ございません。
今うちのホームページをすべて刷新するため、慣れない作業に悪戦苦闘しております。
おまけにパソコンも旧式ということもあり、複数のプログラムを同時に動かすと動きも非常に悪く、なかなか作業が思うようにはかどらないものです。
さて今回は、最近問い合わせの中でも比較的多い事なのですが、AudioNirvanaのフルレンジユニットには、アルニコマグネット、ネオジウムマグネット、フェライトマグネットの3種類の磁気回路を持つユニットがあるのですが、それでどれが音がいいの?というような質問が多く寄せられます。
AudioNirvanaの場合、3インチ~15インチという口径別でも音の違いがあるわけだし、同軸2ウエイタイプもありますから、同じオーディオニルバーナのユニットだからといって、どれもが同じ音というわけにはいきません。
今回はそのような中で、マグネットの違いによる音の傾向の違いについてお話をしようと思います。
さて昔からオーディオを趣味にされてきた方にとって、音に良いユニットの代名詞として言われている磁気回路はアルニコマグネットの磁気回路になります。
大昔はほとんどアルニコタイプの磁気回路のユニットが主流でしたが、原材料のひとつでもあるコバルトの価格高等に伴い、多くのメーカーが価格的に安いフェライトマグネットへと移行してしまいました。
この流れはオーディオマニアに人気の高いブランドでも同じで、JBLやALTEC、TANNOYなどの人気ブランドもその例に漏れず、軒並みフェライトマグネットモデルへと移行した経緯があります。
しかし市場は正直なもので、磁気回路のスペック上はアルニコマグネット時代と変わりがないか、中には優れたスペックのものもありましたけど、実際に音のよさを感じるのはアルニコマグネットタイプのほうで、そのあたりが人気を二分する流れとなった事もあります。
さてそれでは一体どのように音がいいの?というような話をしたいと思います。
それではまずはじめにアルニコマグネットタイプについてお話をします。
アルニコマグネットの特徴のひとつに、透磁力という磁気抵抗の少なさがあります。
これは磁力のスムーズな流れを意味し、トランジェント特性や制動性に優れ、緻密で繊細な表現力を得意とし、つややかな音色を奏でるところから、そのあたりが昔から音のよさとして評価されてきたところです。
またフェライトマグネット型のような外磁型ではなく内磁型となるため、外部に対する磁束もれも非常に少なくなります。
一般的に総磁束や磁束密度という表記でスピーカーの磁気回路のスペックが現されますが、これが意外と落とし穴で、これを見れば磁気回路のおおよその性能の見当はつくものの、これが優れているからといっても、必ずしも音が良いスピーカーと限らないところがオーディオの難しさです。
さてそのようなアルニコマグネットですが、やはり永久磁石のスピーカーとしては、音質的に優位なのは間違いありません。
ホールに漂う空気感や、楽器や声が震わす微細な空気の振動の表現力など、このあたりに透磁力の優れた面が現れやすいようです。
そのためジャズやクラッシックを中心としたアコーステック楽器の音の質感や、ボーカルの艶やかな声などの表現力にも優れていますので、このようなジャンルを中心に音楽をお聞きになる方にはお勧めといえます。
もちろんアルニコマグネットだから必ずしも音がいいというわけではなく、振動板との相性など、音質を決定する要素はほかにもたくさんありますので、これはひとつの傾向として捕らえてください。
アンプやケーブル類などに固有の個性が少なく、ソースの音を自然に表現できるシステムとの相性がいいのも特徴で、音源の音を原音に近い状態で聞きたいという場合にお勧めできます。
さて次はオジウムマグネットです。
最近高性能スピーカーにこぞって採用される事が多いこのマグネットは、永久磁石最強といわれる強力な磁気回路が特徴です。
そのためアルニコマグネットやフェライトマグネットと比べても、小型でシンプルでありながらそれ以上の強力な磁力を発します。
音質的には音をくっきりと際立たせたメリハリを感じさせる音質が特徴で、超強力な磁気回路が織り成す音の傾向としては、ややアップライトな傾向を示す事から、相対的に鮮やかな音色に聞こえます。
たとえばオーディオ店などでの試聴をした場合、一番目立ちやすく聴き取り易い音色傾向を示すのも特徴で、多くの方にとって目立つ音を示す傾向があり、また良い音として感じやすいものといえます。
アンプなどの他の機材の音色がややソフトな音の傾向の場合、それらを改善するための手段としてもお勧めできますし、とにかくくっきりとした音色が好みの方にもお勧めできます。
エネルギッシュで切れ味がいいので、近年録音された音楽ソースとも相性がよく、たとえばAKB48やモモクロZみたいなアイドルものだってゴキゲンに鳴らしきる事もできます。
また音響環境の良くないカーオーディオの分野でも、音質改善の秘策として、ネオジウムマグネットのユニットはお勧めできます。
ただアルニコマグネットと比較した場合、音の際立ち感は優れているものの、繊細な空気感やホール感のような微細な表現という点では、わずかに及ばない面があります。
これは透磁力という点ではアルニコマグネット及ばないところが音として現れてくる面かも知れません。
さて最後にフェライトマグネットのモデルについて。
フェライトマグネットモデルは、比較的低価格ユニットにも数多く採用されている事から、一般的に最もなじみのある時期回路といえます。
薄いドーナツ型のマグネットが特徴で、外部の磁性体に反応するなど、外部への磁束漏れも非常に大きい磁気回路です。
それに磁気回路のスペックとしてみた場合、他の磁気回路に見劣りする事はありません。
さてその音の傾向ですが、フェライトだからといって絶対悪いというわけではありません。
アルニコマグネットが繊細にチューニングされたレーシングエンジンだとすれば、ネオジウムマグネットはターボやスーパーチャージなどの過給機でブーストされたような傾向で、フェライトマグネットといえば、大型マグネットの場合は大排気量エンジンのようなものかもしれません。
繊細さやしなやかな表現力はアルニコマグネットに及びませんし、クッキリとした際立つ音が得意というわけではありませんけど、大型フェライトマグネットの場合、力強さや馬力感を感じさせる傾向になります。
しかし最大限の特徴は、なんと言ってもそのコストの安さではないでしょうか。
オーディオマニアの誰しもが、微細で繊細な表現力まで求めるわけではありませんし、切れ味鋭くクッキリとした音色でなければならないというわけではありませんから、現実的にフェライトマグネットの音で十分という方も意外と多いのではないでしょうか。
もちろん音を決定付けるのは磁気回路だけではありませんし、振動板やエンクロージャーなど他の要素も比重が大きいし、アンプやケーブル、音源となるソースの音質などを考えると、磁気回路の違いは総合的な音の一部でしかありません。
たとえばAudioNirvanaの場合、その口径の違いでも音の傾向も大きく異なってきますので、どのよううに音楽を聴き、どのような音を求めているのか、それによってその選択肢が変わってくるものです。
今回磁気回路の違いによる音の傾向について話しましたが、磁気の専門家からすれば異論が出る事もあるかもしれませんし、マニアの方によっても、その捕らえ方に違いがあるかもしれません。
だからこれは音がいいとかあれは音が悪いなんて話はしません。
その求める要求を満たす事ができれば、どんなシステムだって世界最高のものになるものです。
と、ついつい話し込んでいるうちに長くなってしまいましたので今回はここまで。
また次回楽しい話をしたいと思います。
PR
- トラックバックURLはこちら