2024/12/05 06:55 |
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2013/03/07 22:09 |
P610 再考 その4 |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
さてここ最近はP610に関する話題を続けてきましたが、今回も飽きずにP610関連のお話をしようと思います。
P610といっても大きく分けると、皆さんご存知のように前期型、後期型、そして復刻再生産型となるかと思います。
そしてこの3モデルはどれもP610に違いはありませんが、まったく同じものというわけではなく、意外とキャラクターの違いを見せる面があります。
私がはじめて手に入れたP610は前期型の8Ωのタイプで、そりゃ見た目の安っぽさといったら、当時流行のデジタル対応を合言葉にした新素材見本市のような華等ありません。
振動板も紙を主張した外観だし、真ん中の磁石が丸見えの鉄ヨークの磁気回路だし、プレスでガチャンと打ち抜いたフレームだし、おまけにカタログスペックは見るも無残で、入力3Wなんてありえないとさえ思ったほどです。
それに比べれば、後期型は将来のデジタル時代を見据えた仕様となり、カタログデーターも改善されています。
最終再生産版は基本スペックは後期型をベースに、P610のアキレス腱であるエッジに手が加えられ、外観上の陳腐さも多少改善されました。
前期型と後期型に関しては前にお話もしてきたので、今回は最終再生産版に関してお話を進めて生きたいと思います。
最終型に関しては、私が試聴したのはDIATONE純正のエンクロージジャー仕様のもので、ユニット単体で聴いた事はないのですが、この最終モデルは前期型に比べるとかなりキャラクターが変わったように感じました。
もちろん出てくる音はP610に共通するものに違いはないのですけど、おそらくこれはエンクロージャーの影響が大きいからなのかもしれません。
さすがにメーカー純正箱だけあって、非常にバランスがよくまとめられてはいるものの、ゾクゾクするような躍動感も形を潜めてしまったようで、表情や表現力もやや控えめな感じがしました。
ユニットから出ている音自体はP610の基本的なキャラクターに違いはないのですけど、前期型が最も得意とする人の声やアコーステック楽器の音の質感や表現力、初期初動のよさや緻密なまでの解像力などには今ひとつ物足りなさを感じます。
ただすべてが悪い事ばかりではなく、近年の録音ソースなどを聴く場合、非常にバランスもよく楽しめる音として表現されますので、これを前期型で聞いてしまうとちょっと白けた印象が気になってしまいますから、悪い意味で言えばある程度適当に誤魔化してしまう鳴り方ですが、よい意味で言えば音楽に華を添えるような鳴り方といえるでしょうか。
多分この最終型も、音楽ソースで音をチューニングしてきたのかもしれません。
とはいえ、後期型も最終型もなんだかんだ言ってもP610には変わりがなく、そのポテンシャルは非常に高いものがあります。
これは基本設計がそれだけ優れている証でもあり、出ては消え去る一過性のユニットとはやはり次元の違いを見せ付けられますね。
前にも何度か話したように、私はアンプやスピーカーやケーブルなどを選択する際の基本として、家族や知人友人など、普段聴き慣れている声を判断材料にする事を話したと思います。
たとえばお気に入りの愛聴盤など音楽ソースで判断するのもありなのですが、元の音源がどのようなものかはまったくわからず、基本的にレコーディングの録音スタッフの意図する音がどのようなものかなどうかがい知れないわけですから、うまく組み合わせが成功して好みの音を得る事ができても、結果的に何でそうなったのかを知らないという事もあります。
もちろんオーディオ装置は音楽を聴いて楽しむものですから、音楽ソースを判断材料におくのは正しい事です。
中には音楽を聴くことよりも、出てくる音の出方や音色だけで判断される方もいますが、もちろんオーディオの楽しみ方は千差万別ですから、これだって間違いではありません。
話を戻しますけど、人の声を正しく正確に再生できるには、微細で繊細な入力にも敏感に反応しなければなりませんし、一方誇張や強調などないように音を出さなければなりません。
そのためには強力な磁気回路が必要ですが、アルニコ、フェライト、ネオジウム、励磁型などによっても音の違いもありますし、振動板の剛性と内部損失などバランスも重要ですし、フレームの共振やエンクロージャーの影響など、その影響は多岐にわたるものです。
そのような意味では、この人の声を正確に再生させるのは意外と難しいものです。
P610シリーズも人の声の再生をしてみると、意外とそのキャラクターの違いが浮き彫りになります。
音楽を聴いていても気付き難いその違いも、人の声の場合誤魔化しが難しいのです。
歴代の名機といわれるスピーカーユニットを聴いてみると、この人の声の再生能力が非常に高いものが多く存在します。
AudioNirvanaのユニットも、人の声の再生能力は近年のユニットの中では非常に高いレベルで、総合的なパフォーマンスでいえば、P610の後期型や最終版を凌駕する一面もあります。
しかし相手がP610の前期型だと、やはり格の違いを多少感じてしまいます。
特定の音楽再生だけではP610凌駕するスピーカーなど数多く存在するものですが、きめ細かい質感表現や解像力など、未だにP610は高水準に位置しているものです。
もちろんオーディオは趣味の世界ですから、好きな音楽を好きな音で楽しめるのが一番なわけですので、卓上スピーカーで楽しもうと、見た目の凄い巨大なマルチシステムで楽しもうと、オーディオの世界に間違いはないのです。
ただ自分の立つ位置を確かめる基準のひとつとして、P610はとても良い道標でもあります。
と、P610の話をしているとキリがありませんが、私のところのボロいP610の前期型も、エッジを張り替えて現在復活してますので、次回はそのあたりのお話しをしたいと思います。
サムライジャパンでございます。
さてここ最近はP610に関する話題を続けてきましたが、今回も飽きずにP610関連のお話をしようと思います。
P610といっても大きく分けると、皆さんご存知のように前期型、後期型、そして復刻再生産型となるかと思います。
そしてこの3モデルはどれもP610に違いはありませんが、まったく同じものというわけではなく、意外とキャラクターの違いを見せる面があります。
私がはじめて手に入れたP610は前期型の8Ωのタイプで、そりゃ見た目の安っぽさといったら、当時流行のデジタル対応を合言葉にした新素材見本市のような華等ありません。
振動板も紙を主張した外観だし、真ん中の磁石が丸見えの鉄ヨークの磁気回路だし、プレスでガチャンと打ち抜いたフレームだし、おまけにカタログスペックは見るも無残で、入力3Wなんてありえないとさえ思ったほどです。
それに比べれば、後期型は将来のデジタル時代を見据えた仕様となり、カタログデーターも改善されています。
最終再生産版は基本スペックは後期型をベースに、P610のアキレス腱であるエッジに手が加えられ、外観上の陳腐さも多少改善されました。
前期型と後期型に関しては前にお話もしてきたので、今回は最終再生産版に関してお話を進めて生きたいと思います。
最終型に関しては、私が試聴したのはDIATONE純正のエンクロージジャー仕様のもので、ユニット単体で聴いた事はないのですが、この最終モデルは前期型に比べるとかなりキャラクターが変わったように感じました。
もちろん出てくる音はP610に共通するものに違いはないのですけど、おそらくこれはエンクロージャーの影響が大きいからなのかもしれません。
さすがにメーカー純正箱だけあって、非常にバランスがよくまとめられてはいるものの、ゾクゾクするような躍動感も形を潜めてしまったようで、表情や表現力もやや控えめな感じがしました。
ユニットから出ている音自体はP610の基本的なキャラクターに違いはないのですけど、前期型が最も得意とする人の声やアコーステック楽器の音の質感や表現力、初期初動のよさや緻密なまでの解像力などには今ひとつ物足りなさを感じます。
ただすべてが悪い事ばかりではなく、近年の録音ソースなどを聴く場合、非常にバランスもよく楽しめる音として表現されますので、これを前期型で聞いてしまうとちょっと白けた印象が気になってしまいますから、悪い意味で言えばある程度適当に誤魔化してしまう鳴り方ですが、よい意味で言えば音楽に華を添えるような鳴り方といえるでしょうか。
多分この最終型も、音楽ソースで音をチューニングしてきたのかもしれません。
とはいえ、後期型も最終型もなんだかんだ言ってもP610には変わりがなく、そのポテンシャルは非常に高いものがあります。
これは基本設計がそれだけ優れている証でもあり、出ては消え去る一過性のユニットとはやはり次元の違いを見せ付けられますね。
前にも何度か話したように、私はアンプやスピーカーやケーブルなどを選択する際の基本として、家族や知人友人など、普段聴き慣れている声を判断材料にする事を話したと思います。
たとえばお気に入りの愛聴盤など音楽ソースで判断するのもありなのですが、元の音源がどのようなものかはまったくわからず、基本的にレコーディングの録音スタッフの意図する音がどのようなものかなどうかがい知れないわけですから、うまく組み合わせが成功して好みの音を得る事ができても、結果的に何でそうなったのかを知らないという事もあります。
もちろんオーディオ装置は音楽を聴いて楽しむものですから、音楽ソースを判断材料におくのは正しい事です。
中には音楽を聴くことよりも、出てくる音の出方や音色だけで判断される方もいますが、もちろんオーディオの楽しみ方は千差万別ですから、これだって間違いではありません。
話を戻しますけど、人の声を正しく正確に再生できるには、微細で繊細な入力にも敏感に反応しなければなりませんし、一方誇張や強調などないように音を出さなければなりません。
そのためには強力な磁気回路が必要ですが、アルニコ、フェライト、ネオジウム、励磁型などによっても音の違いもありますし、振動板の剛性と内部損失などバランスも重要ですし、フレームの共振やエンクロージャーの影響など、その影響は多岐にわたるものです。
そのような意味では、この人の声を正確に再生させるのは意外と難しいものです。
P610シリーズも人の声の再生をしてみると、意外とそのキャラクターの違いが浮き彫りになります。
音楽を聴いていても気付き難いその違いも、人の声の場合誤魔化しが難しいのです。
歴代の名機といわれるスピーカーユニットを聴いてみると、この人の声の再生能力が非常に高いものが多く存在します。
AudioNirvanaのユニットも、人の声の再生能力は近年のユニットの中では非常に高いレベルで、総合的なパフォーマンスでいえば、P610の後期型や最終版を凌駕する一面もあります。
しかし相手がP610の前期型だと、やはり格の違いを多少感じてしまいます。
特定の音楽再生だけではP610凌駕するスピーカーなど数多く存在するものですが、きめ細かい質感表現や解像力など、未だにP610は高水準に位置しているものです。
もちろんオーディオは趣味の世界ですから、好きな音楽を好きな音で楽しめるのが一番なわけですので、卓上スピーカーで楽しもうと、見た目の凄い巨大なマルチシステムで楽しもうと、オーディオの世界に間違いはないのです。
ただ自分の立つ位置を確かめる基準のひとつとして、P610はとても良い道標でもあります。
と、P610の話をしているとキリがありませんが、私のところのボロいP610の前期型も、エッジを張り替えて現在復活してますので、次回はそのあたりのお話しをしたいと思います。
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