2024/12/04 21:31 |
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2013/02/04 11:18 |
振動を考えてみますの続き。 |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
前回のブログでは、うちで鳴らしている見るも無残な姿の惨たらしいAudioNirvanaのダンボールスペシャルを例に、振動について少しお話をしました。
多分この振動や共振に関する話をすれば、ものすごく膨大な話を展開しても収まりがつきそうにないような事ですし、私もこの分野の専門的な研究者というわけではないので、あくまでも今までの実験や経験を基にしたお話しまでしかできません。
おそらく専門書などを探せば、この手に関する記述や論文も数多く出てくると思いますが、数値データーや理論などのようなもので音色の良し悪しが決められないように、やはりどうしても自らの体験や経験など、その裏付けも必要になります。
今回のお話はスピーカーを例にとりながらお話しましたが、これらはアンプでもプレーヤーでも無関係な話ではありませんので、皆様もいろいろと試してみると新たな発見があるかもしれません。
もしセッティングやチューニングを進めても変化を感じられないというケースもあるでしょうし、それらが気にならない場合なら特別熱心になる必要もない話しですので、皆様それぞれのチューニングを進めていただければと思います。
さて、話は少し飛びますが、わたしがAudioNirvanaの超強力なハイスペックフルレンジを、ダンボールというエンクロージャーとしては最低最悪の部類に該当するもので鳴らしているわけですが、本来私は高比重高剛性主義を貫いてきました。
もちろんそれらは正しいと思い、それを信念のごとく持っていたわけですが、前回のブログにも記載したように、コンクリートの床が振動を起こし、オーディオ全体の音を濁していた経験もあったため、少し自分が持つ常識を疑ってみることにしたのです。
それはいわば自分が考えてきた常識というものを、非常識な考えとしてみるとどうか、そのような視点でも考えてみようと思ったのです。
たとえばアナログプレーヤーを例に取れば、それまで一般的な常識といえば、ハウリングなどに絶対的な優位性が必要で、ターンテーブルも巨大な高質量による慣性モーメントを稼ぐなど、まるで金属の塊の見本市みたいなプレーヤーこそが素晴らしい物だと信じていた頃もあります。
でもこれとまったく正反対の対極のプレーヤーに、ロングセラーでいまだに世界中で人気の高いLINNのLP12というモデルがあります。
そのコンパクトな姿からは想像できない、伸びやかな低音域の再生や切れやスピード感など、多少使いこなしは難しいものですが、巨大で重ければいいという風潮の流れに一石を投じるものだったと思います。
そのためか、最近は比較的小型でコンパクトでありながら、優秀な再生が可能なターンテーブルも出てきましたし、一方大型の重量級のものに関しても、十分共振などの制動を考慮して、音が暗く沈んだようにならないようにするなど、やはり時代とともに研究されています。
私のところのGT2000も、ダイレクトドライブのモデルとしては巨大な部類ですが、当時はこの巨大で重量級のものこそが偉いとさえ思っていましたからね。
さてそんな常識非常識の話の中で、スピーカーに関しても気になるものがあったのです。
以前のブログでも一度ご紹介しましたけど、それはフランス製のPHY-HPというブランドのユニットをはじめて知ったときです。
ø voice coil = 25 mm
h = 8 mm 2 layers silk silver
M = 5,9 gr
dB = 98
G = 1,4T alnico Alcomax 3SC
Admissible power = 15 W rms
fs = 40 Hz
re = 12,8 Ohm
Qes = 0,65
Qms = 6,10
Qts = 0,59
Vas = 97 litre
Z = 15 Ohm
Zmin = 14,4 Ohm
Zmax = 155 Ohm
D = 176 mm
Ms = 9,4 gr
Le = 1,1 mH
このユニットですが、軽量振動版を非常に強力なアルニコマグネットで駆動するため、音圧など能率もクラスを超えたものですが、これだけ見ると非常に強固で重量級のエンクロージャーで鳴らす必要性があるのではと思えます。
ユニットのメインフレームはブロンズ製になり、振動板後面のフレームは比較的細身に出来ているため、背面への音圧は、あまり負荷がかかりにくい構造を狙ったものかもしれません。
そのためか、メーカーの推奨の鳴らし方としては、巨大な平面バッフルを指定しています。
そしてこのユニットに関して、ある海外のガレージメーカーが専用のエンクロージャーを製作しました。
そのエンクロージャーの製作風景を見た時、ここでのひとつ自分の持つ常識の一部が崩されました。
エンクロージャーの正確な材質は不明ですが、非常に薄い板を用い、わずかな補強を添えられて作られているエンクロージャーは軽量です。
しかも構造上平行面を持ちにくいために、内部に吸音材などを詰め込む事もされていませんので、吸音材などによる音への影響も非常に少なそうです。
ユニット単体で見ればかなり強力なはずですので、強固で高比重のエンクロージャーなどにガッチリと固定するのが常識です。
でもこのエンクロージャーはそれとはまったく逆の、軽量で比較的剛性も高くないエンクロージャーに入れて鳴らしています。
もちろん後面開放型という事もあり、普通のBOXと同じ理屈で考えるわけにはいきませんし、バックロードホーンのような、エネルギーの大きな低音域を積極的に鳴らすものの場合、このような理屈には当てはまらないのも事実です。
しかしこのような鳴らし方もあるという事が、高比重高剛性主義の自分の常識を、一度見直してみようというきっかけになったのも事実です。
でもだからって段ボールは・・・・・
これも非常識極まりない話ですけど、そんな非常識な世界もすべてが非常識とは限らず、常識こそが本当の非常識という事もありえます。
皆さんの中にはダンボールエンクロージャーを経験された方もいるかもしれませんが、思ったほどひどいなり方にならないのも事実です。
どんなにがんばっても、良質な木材のようには鳴らす事はできないのも事実ですが、うちで実際に試聴された方は、予想外の出来事に皆驚かれていたのも事実です。
ただそんな非常識を非常識として片付けるのは簡単ですが、一度そのような非常識といわれる事を疑ってみると、意外と楽しい新たな発見に出会えるかもしれませんね。
という事で長くなってしまいましたが、今回はここまで。
また次回楽しい話をしたいと思います。
サムライジャパンでございます。
前回のブログでは、うちで鳴らしている見るも無残な姿の惨たらしいAudioNirvanaのダンボールスペシャルを例に、振動について少しお話をしました。
多分この振動や共振に関する話をすれば、ものすごく膨大な話を展開しても収まりがつきそうにないような事ですし、私もこの分野の専門的な研究者というわけではないので、あくまでも今までの実験や経験を基にしたお話しまでしかできません。
おそらく専門書などを探せば、この手に関する記述や論文も数多く出てくると思いますが、数値データーや理論などのようなもので音色の良し悪しが決められないように、やはりどうしても自らの体験や経験など、その裏付けも必要になります。
今回のお話はスピーカーを例にとりながらお話しましたが、これらはアンプでもプレーヤーでも無関係な話ではありませんので、皆様もいろいろと試してみると新たな発見があるかもしれません。
もしセッティングやチューニングを進めても変化を感じられないというケースもあるでしょうし、それらが気にならない場合なら特別熱心になる必要もない話しですので、皆様それぞれのチューニングを進めていただければと思います。
さて、話は少し飛びますが、わたしがAudioNirvanaの超強力なハイスペックフルレンジを、ダンボールというエンクロージャーとしては最低最悪の部類に該当するもので鳴らしているわけですが、本来私は高比重高剛性主義を貫いてきました。
もちろんそれらは正しいと思い、それを信念のごとく持っていたわけですが、前回のブログにも記載したように、コンクリートの床が振動を起こし、オーディオ全体の音を濁していた経験もあったため、少し自分が持つ常識を疑ってみることにしたのです。
それはいわば自分が考えてきた常識というものを、非常識な考えとしてみるとどうか、そのような視点でも考えてみようと思ったのです。
たとえばアナログプレーヤーを例に取れば、それまで一般的な常識といえば、ハウリングなどに絶対的な優位性が必要で、ターンテーブルも巨大な高質量による慣性モーメントを稼ぐなど、まるで金属の塊の見本市みたいなプレーヤーこそが素晴らしい物だと信じていた頃もあります。
でもこれとまったく正反対の対極のプレーヤーに、ロングセラーでいまだに世界中で人気の高いLINNのLP12というモデルがあります。
そのコンパクトな姿からは想像できない、伸びやかな低音域の再生や切れやスピード感など、多少使いこなしは難しいものですが、巨大で重ければいいという風潮の流れに一石を投じるものだったと思います。
そのためか、最近は比較的小型でコンパクトでありながら、優秀な再生が可能なターンテーブルも出てきましたし、一方大型の重量級のものに関しても、十分共振などの制動を考慮して、音が暗く沈んだようにならないようにするなど、やはり時代とともに研究されています。
私のところのGT2000も、ダイレクトドライブのモデルとしては巨大な部類ですが、当時はこの巨大で重量級のものこそが偉いとさえ思っていましたからね。
さてそんな常識非常識の話の中で、スピーカーに関しても気になるものがあったのです。
以前のブログでも一度ご紹介しましたけど、それはフランス製のPHY-HPというブランドのユニットをはじめて知ったときです。
ø voice coil = 25 mm
h = 8 mm 2 layers silk silver
M = 5,9 gr
dB = 98
G = 1,4T alnico Alcomax 3SC
Admissible power = 15 W rms
fs = 40 Hz
re = 12,8 Ohm
Qes = 0,65
Qms = 6,10
Qts = 0,59
Vas = 97 litre
Z = 15 Ohm
Zmin = 14,4 Ohm
Zmax = 155 Ohm
D = 176 mm
Ms = 9,4 gr
Le = 1,1 mH
このユニットですが、軽量振動版を非常に強力なアルニコマグネットで駆動するため、音圧など能率もクラスを超えたものですが、これだけ見ると非常に強固で重量級のエンクロージャーで鳴らす必要性があるのではと思えます。
ユニットのメインフレームはブロンズ製になり、振動板後面のフレームは比較的細身に出来ているため、背面への音圧は、あまり負荷がかかりにくい構造を狙ったものかもしれません。
そのためか、メーカーの推奨の鳴らし方としては、巨大な平面バッフルを指定しています。
そしてこのユニットに関して、ある海外のガレージメーカーが専用のエンクロージャーを製作しました。
そのエンクロージャーの製作風景を見た時、ここでのひとつ自分の持つ常識の一部が崩されました。
エンクロージャーの正確な材質は不明ですが、非常に薄い板を用い、わずかな補強を添えられて作られているエンクロージャーは軽量です。
しかも構造上平行面を持ちにくいために、内部に吸音材などを詰め込む事もされていませんので、吸音材などによる音への影響も非常に少なそうです。
ユニット単体で見ればかなり強力なはずですので、強固で高比重のエンクロージャーなどにガッチリと固定するのが常識です。
でもこのエンクロージャーはそれとはまったく逆の、軽量で比較的剛性も高くないエンクロージャーに入れて鳴らしています。
もちろん後面開放型という事もあり、普通のBOXと同じ理屈で考えるわけにはいきませんし、バックロードホーンのような、エネルギーの大きな低音域を積極的に鳴らすものの場合、このような理屈には当てはまらないのも事実です。
しかしこのような鳴らし方もあるという事が、高比重高剛性主義の自分の常識を、一度見直してみようというきっかけになったのも事実です。
でもだからって段ボールは・・・・・
これも非常識極まりない話ですけど、そんな非常識な世界もすべてが非常識とは限らず、常識こそが本当の非常識という事もありえます。
皆さんの中にはダンボールエンクロージャーを経験された方もいるかもしれませんが、思ったほどひどいなり方にならないのも事実です。
どんなにがんばっても、良質な木材のようには鳴らす事はできないのも事実ですが、うちで実際に試聴された方は、予想外の出来事に皆驚かれていたのも事実です。
ただそんな非常識を非常識として片付けるのは簡単ですが、一度そのような非常識といわれる事を疑ってみると、意外と楽しい新たな発見に出会えるかもしれませんね。
という事で長くなってしまいましたが、今回はここまで。
また次回楽しい話をしたいと思います。
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