2024/12/04 20:53 |
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2013/02/27 03:31 |
良い音 悪い音 |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
さて前回のブログでは、ALTEC604系のAlnicoマグネット版である、GPA 604-8E-Ⅱの復刻版のお話をしました。
発売時期は未定ですが、とても楽しみなユニットの登場ですね。
ALTECの604系同軸ユニットは私も大好きなユニットのひとつなのですが、なぜこのユニットが好きなのかというあたりについてお話をしていきたいと思います。
ご存知のように、かつてALTECといえば、ボイスオブシアターとして名を馳せ、世界的に熱い支持を受けてきたブランドです。
映画館での音響システムという事ですから、会場内隅々まで音を増幅して迫力のあるサウンドを再生させますが、再生されるのは音楽だけに限らず、俳優などの音声もきっちり聞き取れなければなりません。
そのあたりが音をただ拡大する拡声器とは根本的に目的が違います。
たとえば学校などの場外放送用に、メガホン型の拡声器を使用しているところが多いのは、皆さんも記憶にあることでしょう。
ホーン型のメガホン拡声器は、ホーン効率と相まって、小さな出力で大きな音を出してくれます。
でも学校などで全体朝礼や運動会などで感じたように、ぐわぐわぼそぼその声で聞き取りにくく、音楽にいたっては、ぐわぁ~んぐぅぉ~んとはっきりしません。
これが業務用のPA装置のスピーカーになると、音楽の音はバンバンブンブンギィーギィージャキジャキと聴き取りやすくなるものの、声はグワァーグゥワァーボォーボォーとしてやはり聞き取りにくいものが数多くあります。
当然映画館の音声がこれでは、さすがに映画を見ていても興ざめしてしまいますね。
スクリーンに映し出された美しい女優さんの声が、老婆のような声だったり、太く逞しい声なんかでしたら、余計イメージダウンとなってしまいます。
そのような意味で考えると、ボイスオブシアターとしての要求は非常に高くなります。
つまりALTECの魅力のひとつに、この人の声の再生能力高さにあるのではないでしょうか。
以前何度かブログにも書いた事ですが、私がスピーカーやケーブル、アンプなどの選定の際の基準として、家族や友人知人など、常に聞きなれた人の声を再生させて判断しているという話をしたと思います。
本来なら一番聞き慣れているはずの自分の声が一番なのでしょうが、頭蓋骨の中で振動している音ですから、当然再生させるとこんなはずじゃなかったという事になりますから、そのような意味で普段聞き慣れた方の声が一番なのです。
これでどんな事がわかるかといえば、アンプやケーブルやスピーカーなどが持っている、固有の音色の傾向を聴き取る事ができます。
私の場合音楽ソースの情報をストレートに楽しみたい事もあり、極力そこの部分の色付けを排除した、自然な音に近いものを選択してきました。
これは簡単に言えば原音忠実再生というものなのでしょうけど、この方向性が必ずしも理想的でないのは、多くのオーディオファンもご存知の事と思います。
一般的に大半の有名メーカーのオーディオ装置などの場合、固有の音色傾向などを持たせ、独自の個性を主張するものが大半を占めます。
もし仮に理想の良い音というものが原音忠実再生だったとしたら、どこのメーカーのシステムもみな同じ音になってしまいます。
それではオーディオマニアと選択肢も少なくなってしまうわけで、視聴したときに目立つ音に意図的に音作りをしたり、独自の強い個性を持たせて、聴感上の印象を強くしています。
この独自の強い個性がいわゆる良い音か悪い音かの基準となる事が多く、私たちマニアの方がよく話すように、あれ音いいねとか、あれは音悪いよなんて話す事が多いはずです。
さて私のように、ソースの音源の音を忠実に聴こうとする場合、聴きなれた声はより自然に感じ、時には驚くほどリアルな音が聴けたりもしますし、音源がどのような意図で録音されているのかなどまで感じ取れる事もあるものの、ソースの録音状態や質によっては、聴くに堪えないものが出てきてしまうのも事実です。
しかし一般的に考えてみれば、良い音か悪い音かを判断する基準としては、自分の好きな曲、つまり愛聴盤を再生させてみて、それで判断する事が多いことだと思います。
つまり音楽である音楽ソースに合わせ、オーディオ装置が良い音か悪い音かを判断をするわけです。
そこであれは音いいねとか、これは音悪いねなんて話しになるものです。
さてそのように音楽ソースで判断して音が良いとか悪いとかのジャッジを下したオーディオ装置ですが、そこで聞きなれた人の声を録音して再生してみると、意外と面白い気付きもあります。
婆さんのはずの母親の声が10代のアイドルのように瑞々しかったり、時には小さい自分の子供の声が、逞しい声に感じられたり、意外とシステム固有の強い個性に気が付くと思います。
これが音楽を聴いていて心地の良い音であるのなら、その方向性を持つものを選択していけばいいわけですから、迷いや悩みからも開放される事も多くあります。
しかしこの声の再生ですが、テレビの音声などを再生してみると、自慢のオーディオ装置の声よりも、テレビ内臓スピーカーの音声のほうが明確で聞き取りやすいなど、意外と容易な事ではないのです。
昔からオーディオマニアに音のいいスピーカーとして支持を受けてきたものの中には、この音声再生が非常に優れたものが意外と多いものです。
ALTECの755、俗に言うパンケーキなども、再生レンジこそ狭いのですが、驚くほどリアルな質感の再生能力があります。
またNHKと共同開発されたDIATONEの2S-305などのスタジオモニターなども、基本は音声再生を正確に聞き取るためのもので、それが音楽を再生させても、ソースの質感を隅々まで正確に表現し、アコーステック楽器などの表現力がとてもすばらしい一面を覗かせます。
このように人の声の再生という、単純でシンプルな音源がきっちりと再生できるもの中に、世界的な名機が数多く存在しやすいのも事実です。
でも実際にオーディオ装置では人の声ばかり聞くわけではありませんから、愛聴盤がゴキゲンな音を奏でてくれればそれでいいわけで、そのような観点で見てみると、特定の音楽に合わせた音作りをされたシステムというのが多いのもうなずけると思います。
さてさて話がかなり脱線してしまいましたけど、私がALTEC製品を好きな理由のひとつに、人の声の再生能力の高さがあり、結果としてそれが音楽ソースの情報を正確に引き出してくれる、そんな質感の高さが魅力だと思います。
見た目が凄い大型の派手なマルチシステムも自慢の種にはいいのですが、シンプルなフルレンジユニットが好きな理由も同じです。
先ほどのALTEC755などもそうですし、DIATONEのP610の初期型なども、非常にすばらしい音を奏でてくれますし、AudioNivanaのAlnicoマグネットモデルも、やはりすばらしい表現力を持ち合わせています。
もちろん好きな音楽ソフトだけ好みの音を奏でてくれるというのも間違いではありませんから、自分自身がどのような音を望み、どのような方向性を求めているのはだけはっきりしていれば、オーディオ評論家の意見に惑わされたり、ネットの書き込みに左右されないで済みます。
音がいい、音が悪い、そう話す前に、自分が求めている音は何なのか?これをはっきりさせておくのも必要な事かもしれませんね。
と長くなってしまいましたが、今回はここまで。
また次回楽しい話をしたいと思います。
サムライジャパンでございます。
さて前回のブログでは、ALTEC604系のAlnicoマグネット版である、GPA 604-8E-Ⅱの復刻版のお話をしました。
発売時期は未定ですが、とても楽しみなユニットの登場ですね。
ALTECの604系同軸ユニットは私も大好きなユニットのひとつなのですが、なぜこのユニットが好きなのかというあたりについてお話をしていきたいと思います。
ご存知のように、かつてALTECといえば、ボイスオブシアターとして名を馳せ、世界的に熱い支持を受けてきたブランドです。
映画館での音響システムという事ですから、会場内隅々まで音を増幅して迫力のあるサウンドを再生させますが、再生されるのは音楽だけに限らず、俳優などの音声もきっちり聞き取れなければなりません。
そのあたりが音をただ拡大する拡声器とは根本的に目的が違います。
たとえば学校などの場外放送用に、メガホン型の拡声器を使用しているところが多いのは、皆さんも記憶にあることでしょう。
ホーン型のメガホン拡声器は、ホーン効率と相まって、小さな出力で大きな音を出してくれます。
でも学校などで全体朝礼や運動会などで感じたように、ぐわぐわぼそぼその声で聞き取りにくく、音楽にいたっては、ぐわぁ~んぐぅぉ~んとはっきりしません。
これが業務用のPA装置のスピーカーになると、音楽の音はバンバンブンブンギィーギィージャキジャキと聴き取りやすくなるものの、声はグワァーグゥワァーボォーボォーとしてやはり聞き取りにくいものが数多くあります。
当然映画館の音声がこれでは、さすがに映画を見ていても興ざめしてしまいますね。
スクリーンに映し出された美しい女優さんの声が、老婆のような声だったり、太く逞しい声なんかでしたら、余計イメージダウンとなってしまいます。
そのような意味で考えると、ボイスオブシアターとしての要求は非常に高くなります。
つまりALTECの魅力のひとつに、この人の声の再生能力高さにあるのではないでしょうか。
以前何度かブログにも書いた事ですが、私がスピーカーやケーブル、アンプなどの選定の際の基準として、家族や友人知人など、常に聞きなれた人の声を再生させて判断しているという話をしたと思います。
本来なら一番聞き慣れているはずの自分の声が一番なのでしょうが、頭蓋骨の中で振動している音ですから、当然再生させるとこんなはずじゃなかったという事になりますから、そのような意味で普段聞き慣れた方の声が一番なのです。
これでどんな事がわかるかといえば、アンプやケーブルやスピーカーなどが持っている、固有の音色の傾向を聴き取る事ができます。
私の場合音楽ソースの情報をストレートに楽しみたい事もあり、極力そこの部分の色付けを排除した、自然な音に近いものを選択してきました。
これは簡単に言えば原音忠実再生というものなのでしょうけど、この方向性が必ずしも理想的でないのは、多くのオーディオファンもご存知の事と思います。
一般的に大半の有名メーカーのオーディオ装置などの場合、固有の音色傾向などを持たせ、独自の個性を主張するものが大半を占めます。
もし仮に理想の良い音というものが原音忠実再生だったとしたら、どこのメーカーのシステムもみな同じ音になってしまいます。
それではオーディオマニアと選択肢も少なくなってしまうわけで、視聴したときに目立つ音に意図的に音作りをしたり、独自の強い個性を持たせて、聴感上の印象を強くしています。
この独自の強い個性がいわゆる良い音か悪い音かの基準となる事が多く、私たちマニアの方がよく話すように、あれ音いいねとか、あれは音悪いよなんて話す事が多いはずです。
さて私のように、ソースの音源の音を忠実に聴こうとする場合、聴きなれた声はより自然に感じ、時には驚くほどリアルな音が聴けたりもしますし、音源がどのような意図で録音されているのかなどまで感じ取れる事もあるものの、ソースの録音状態や質によっては、聴くに堪えないものが出てきてしまうのも事実です。
しかし一般的に考えてみれば、良い音か悪い音かを判断する基準としては、自分の好きな曲、つまり愛聴盤を再生させてみて、それで判断する事が多いことだと思います。
つまり音楽である音楽ソースに合わせ、オーディオ装置が良い音か悪い音かを判断をするわけです。
そこであれは音いいねとか、これは音悪いねなんて話しになるものです。
さてそのように音楽ソースで判断して音が良いとか悪いとかのジャッジを下したオーディオ装置ですが、そこで聞きなれた人の声を録音して再生してみると、意外と面白い気付きもあります。
婆さんのはずの母親の声が10代のアイドルのように瑞々しかったり、時には小さい自分の子供の声が、逞しい声に感じられたり、意外とシステム固有の強い個性に気が付くと思います。
これが音楽を聴いていて心地の良い音であるのなら、その方向性を持つものを選択していけばいいわけですから、迷いや悩みからも開放される事も多くあります。
しかしこの声の再生ですが、テレビの音声などを再生してみると、自慢のオーディオ装置の声よりも、テレビ内臓スピーカーの音声のほうが明確で聞き取りやすいなど、意外と容易な事ではないのです。
昔からオーディオマニアに音のいいスピーカーとして支持を受けてきたものの中には、この音声再生が非常に優れたものが意外と多いものです。
ALTECの755、俗に言うパンケーキなども、再生レンジこそ狭いのですが、驚くほどリアルな質感の再生能力があります。
またNHKと共同開発されたDIATONEの2S-305などのスタジオモニターなども、基本は音声再生を正確に聞き取るためのもので、それが音楽を再生させても、ソースの質感を隅々まで正確に表現し、アコーステック楽器などの表現力がとてもすばらしい一面を覗かせます。
このように人の声の再生という、単純でシンプルな音源がきっちりと再生できるもの中に、世界的な名機が数多く存在しやすいのも事実です。
でも実際にオーディオ装置では人の声ばかり聞くわけではありませんから、愛聴盤がゴキゲンな音を奏でてくれればそれでいいわけで、そのような観点で見てみると、特定の音楽に合わせた音作りをされたシステムというのが多いのもうなずけると思います。
さてさて話がかなり脱線してしまいましたけど、私がALTEC製品を好きな理由のひとつに、人の声の再生能力の高さがあり、結果としてそれが音楽ソースの情報を正確に引き出してくれる、そんな質感の高さが魅力だと思います。
見た目が凄い大型の派手なマルチシステムも自慢の種にはいいのですが、シンプルなフルレンジユニットが好きな理由も同じです。
先ほどのALTEC755などもそうですし、DIATONEのP610の初期型なども、非常にすばらしい音を奏でてくれますし、AudioNivanaのAlnicoマグネットモデルも、やはりすばらしい表現力を持ち合わせています。
もちろん好きな音楽ソフトだけ好みの音を奏でてくれるというのも間違いではありませんから、自分自身がどのような音を望み、どのような方向性を求めているのはだけはっきりしていれば、オーディオ評論家の意見に惑わされたり、ネットの書き込みに左右されないで済みます。
音がいい、音が悪い、そう話す前に、自分が求めている音は何なのか?これをはっきりさせておくのも必要な事かもしれませんね。
と長くなってしまいましたが、今回はここまで。
また次回楽しい話をしたいと思います。
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