2024/12/13 03:02 |
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2013/02/04 11:16 |
Audio Nirvanaの隠された能力 |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
前回はオーディオケーブルのお話をいたしました。
オーディオを鳴らす上で必要不可欠なケーブルですが、構造による音の傾向、素線による音の傾向、絶縁体による音の傾向など、それぞれ特徴があり、その中から自分の求める方向性を見つけるのも楽しいものです。
さて今回は、前回のお話とはまったく無関係ではないようなお話しをしていきたいと思います。
少し前に数回に分けて、YAMAHAのGT2000というアナログプレーヤーについている、YSA-2というトーンアームのアームパイプを変更し、その効果によりアナログの再生能力が劇的に改善されたお話をしたと思います。
これは使用しているトーンアームのアームパイプが組み立て式という事もあり、アームパイプの交換も容易に行えた理由もあります。
トーンアームの軸受け部分を中心をした根元部分は、たぶん砲金削り出しのもののようで、先端のアームパイプは薄い砲金のパイプを4本のスクリューネジで固定しているというシンプルなつくりです。
そのためこの4本のスクリューネジを緩めればアームパイプの抜き差しも容易ですので、交換による比較試聴も大掛かりな作業にならずにすみました。
さて今回、その4本のスクリューネジの増し締めを行いました。
もちろん今までも緩く締めていたわけではありませんが、交換作業から日時も経ち、確認のため増し締めを行ったのです。
実際増し締めを行ってみると、わずかに締め込める余地がありました。
もちろん力いっぱい締めると破壊してしまいますから、ほどほどにしなければなりませんけどね。
さてネジを締めこんで確認のために例の再生困難レコードである、ブラムースのレコードをかけてみました。
最初の音が出た瞬間から音の透明感が違って聴こえます。
さらに音の陰影やホールの奥行きのような音場の表現力、空間に漂う空気感、一つ一つのパートの音の解像度、すべてが明らかの向上して、今までは音の悪いレコードだと思っていたのですが、悪いのはプレーヤー側の使いこなしの問題で、プレーヤーの能力が高ければ普通の音質のレコードにしか聞こえません。
それに今までこのレコードでこんな音したことなどありませんし、他のレコードも、どれをかけてもやはり同じ傾向を示しますし、久しぶりにかけるレコードなどでは、今まで聴く事ができないような新たな次元の領域の音に聞こえます。
でも今回はそんなアナログのお話をするのではありません。
私のところで試聴用モニターとして使用しているAudioNirvanaの16センチフルレンジですが、皆さんご存知のようにダンボール製エンクロージャーという最低最悪の条件で鳴らしているのですが、今までの微妙なアナログプレーヤーのセッティングやチューニングの音の変化を的確に音として伝え、そのお陰でアナログプレーヤー関係のチューニングやセッティングが容易に進める事ができたのも、この微妙な信号の変化を的確に再生できる能力の高さという点が非常に優れていたからなのです。
もちろんどのスピーカーユニットでも、多かれ少なかれ信号の微妙な違いを音の変化として表現しますが、その能力には大きな開きがあるのも事実です。
前にブログで紹介したように、私は16センチサイズのフルレンジユニットは、ダイヤトーンのP610の前期型を持っているという話をしたと思います。
今ではエッジもぼろぼろですので近々エッジの修理もしなければいけないのですが、このユニットに惚れ込んだ理由は、先ほどAudioNirvanaのお話のように、微小なセッティングやチューニングの音の変化を的確に表現する能力が高かったためです。
これに比べればロールエッジを採用したP610no後期方のユニットは、再生レンジも耐入力も上がりスペック的には向上したのですが、聴こえてくる音はどこかメタボ的なところがあり、この信号に対する変化の違いの対応力が落ちてしまいました。
その点限定生産されたP610の革エッジを採用したユニットは、ジムに通って鍛えたような印象で、P610後期型にあるメタボ的なところはだいぶ解消されました。
ただセッティングなどによる微妙な音の変化に対する能力としてみれば、やはり前期型のP610が一番となり別格といえますが、前期型はどうしても再生音に線が細いところがあり、こじんまりと古いアコースティック系の録音された音源の質感表現力は高いものの、現代的な音楽などをダイナミックに鳴らすのは多少苦手のようです。
その点では後期型のP610の方が幅広いジャンルの音源に対応できるのですが、例のセッティングなどによる微妙な変化を音として表現する能力は劣ります。
そのような意味では、初期型ほどパフォーマンスは高くないものの、総合的には限定生産された革エッジ仕様はバランスもいいかもしれませんけど、現実的には入手は非常に困難になりますので、これも難しい話です。
でも台湾のメーカーが作り上げたValab P-610V 6.5 inch Alnicoなら、忠実にP610の音質を再現するため開発された経緯もあり、エッジも革製になっているため非常に期待が持てるのです。
さてこのセッティングやチューニングによる音の違いを的確に表現できるP610ですが、相手がAudioNirvanaと比較した場合、さすがのP610も後期型ではまったく歯が立ちません。
復刻版はマグネットも良質なため、後期型よりもパフォーマンスは高いです。
後期型のP610だってこの点に関していえば、スピーカーユニットの中では極めて優秀で、アンプやケーブルの音の違いだって的確に表現できますけど、AudioNirvanaの場合それとは比較にならないほど繊細で敏感に反応し、的確に音として表現してくるのです。
一般的に音の良し悪しの判定の基準としては、音色が好みの音かどうか的な要素が非常に大きく、その次に分解能やレンジ感などのような性能的要素が絡んできます。
しかしもう一つ奥に進んだ評価基準として、セッティングやチューニングなど、細やかで微妙な入力信号音の変化に対し的確に反応し易いかし難いかというポイントもあります。
私の場合この点に一番重点を置くポイントなのですが、聴感上の音の良し悪しとはあまり関係ない部分ですので、普通はこれに特にこだわる必要はない部分でもあります。
以前ALTECやマクソニックの大型システムを構築して長年鳴らしていましたが、実は私が重点を置く微妙な変化を的確に音として表現しやすい能力が非常に高かったため使用していました。
他にもTADのドライバーなども数年間使用していた事がありますが、微妙な信号の変化を的確に音にして表現する事ができる能力は高いのですが、音質的にもその能力に関してもマクソニックの励磁型磁器回路ユニットの方が私の好みにだったため入れ替えた経緯があります。
さて話をフルレンジユニットに戻しますと、スペック的にはAudioNirvana以上のものは世の中にありますが、微小なチューニングやセッティングなど、その違いを音として表現できるユニットは意外と少ないものです。
今でも自作派の方から絶対的支持が多い長岡鉄男氏が生み出した多くのシステムなど、私も多くのアイデアを参考させていただいた経緯がありますが、実は長岡氏が生み出したシステムのいくつかを聞いた事はあるものの、実際自分で組んだ事はないのです。
なぜかといえば、長岡氏の作品の多くに使われているユニットはフォステクス製がありますけど、すべてをくまなく比較試聴したわけではありませんが、私もいくつか所有した経験を持つフォステクスのユニットの音は、ジャ〇ネットの社長が声を裏返して製品を説明しているような、ある意味とても魅力的な音を出すことはあるものの、入力信号のわずかな変化などのようなの微小な音の違いの変化を表現する能力という点では、どうしてもP610の方が優れていたため触手が働かなかったのです。
他にもリチャードアレンやJBLなど魅力的な音を奏でるユニットも所有していましたけど、やはり微小な入力信号の変化を音として表現する能力は今ひとつという感じがします。
もちろんこれはまったく変化が表現されないという話ではありません。
どのユニットでもきちんと音の変化があります。
ただそこに差があるだけのことで、それだから音が良いとか悪いとかという話ではありません。
そのような微小な入力信号の変化にたいしてAudioNirvanaは、敏感に反応し、的確に音の違いとして表現できる点で、相当優れている数少ないユニットといえるかもしれませんね。
しかも魅力はそれだけにとどまらず、様々な音楽ジャンルに対する対応能力の高さもとても優れていて、50年代60年代の古い音源のジャズなど、シンプルで質感の高い音を奏でる音源などもリアルに再生できますし、フルオーケストラであっても、緻密で繊細に各パートごとの表情さえ手に取るように聞き取る事も可能ですし、弦楽四重奏などの小編成も、オペラのソロも合唱も、難なく再生しきってしまうのです。
私は他にも歌謡曲もヘビメタやロックも、またはトランス系の音楽もよく聴きますが、P610などでは難しいジャンルなどもまったく気にせずに楽しめてしまいます。
もちろん録音の質なども的確に表現してしまうところはありますが、それでも幅広いジャンルの音楽を楽しく再生しきってしまう能力は不思議なくらい魅力的なものです。
世の中にはクラッシックはとても心地よく聴けてもロックはまったく合わないものや、ジャズは気持ちよく聞こえるものの曲によっては煩すぎてしまったり、特定の音源だけびっくりするほど生々しい音なのに、他を聴くとぱっとしないものなど、意外と得意不得意がはっきりしているものも多くあります。
オールマイティーに何を聴いてもみな単調で同じようにしか聴こえないものなど、比較的マイペースに個性を主張してしまうユニットも少なくありません。
もちろん様々な個性的な音を奏でるユニットが多くありますので、その音が好きな音であるのなら良いわけですので、何に基準を持つかということの違いでしかありません。
もちろんAudioNirvanaだって、ALTECのユニットに似た明るく乾いたような音色傾向もありますが、それがでしゃばらないところが魅力の一つなのでしょうね。
そういえばつい先日うちへ定期的に来る置き薬の営業の方が来られました。
前回来られたときはまだダンボールスペシャルができる前でしたので、目の前にそびえる惨たらしい姿の段ボール箱に少々驚いていました。
その方のご自宅のお隣さんは、JBLの蜂の巣を組んだシステムを持つオーディオマニアの方らしく、ご近所さんということで何度かそのシステムを聴かれたそうです。
「この音がいいんだよね~」
と言われながら何度か聴かされたその方自身は、オーディオにはほとんど興味のない方ですので、一体何がいいのかよくわからないとよく話していました。
そこで試しにダンボールスペシャル少しだけ聴いてもらいました。
「えぇぇぇ!!何でそこで演奏しているように聞こえるの?」
「今の音本物みたいですね!」
時間の関係上、また特にオーディオマニアでもないので長時間聴いてもらうわけにはいきませんので、試聴は短時間で切り上げましたけど、
「なんかとても不思議だぁ~ いつまでも聴いていられる~」
「でもこれ段ボール箱ですよね?」
「オーディオはあまりよくわからないけど、これは私でもわかる・・・」
かなり驚いた様子で、
「また次回聞かせてもらいます」
と言い帰られました。
まだ段ボール箱スペシャルのAudioNirvanaのフルレンジですが、まだまだ隠された能力がたくさん眠っているのかもしれません。
私も早く箱を作らないといけませんね。
という事で今回はここまで。
また次回楽しいお話をしていきたいと思います。
サムライジャパンでございます。
前回はオーディオケーブルのお話をいたしました。
オーディオを鳴らす上で必要不可欠なケーブルですが、構造による音の傾向、素線による音の傾向、絶縁体による音の傾向など、それぞれ特徴があり、その中から自分の求める方向性を見つけるのも楽しいものです。
さて今回は、前回のお話とはまったく無関係ではないようなお話しをしていきたいと思います。
少し前に数回に分けて、YAMAHAのGT2000というアナログプレーヤーについている、YSA-2というトーンアームのアームパイプを変更し、その効果によりアナログの再生能力が劇的に改善されたお話をしたと思います。
これは使用しているトーンアームのアームパイプが組み立て式という事もあり、アームパイプの交換も容易に行えた理由もあります。
トーンアームの軸受け部分を中心をした根元部分は、たぶん砲金削り出しのもののようで、先端のアームパイプは薄い砲金のパイプを4本のスクリューネジで固定しているというシンプルなつくりです。
そのためこの4本のスクリューネジを緩めればアームパイプの抜き差しも容易ですので、交換による比較試聴も大掛かりな作業にならずにすみました。
さて今回、その4本のスクリューネジの増し締めを行いました。
もちろん今までも緩く締めていたわけではありませんが、交換作業から日時も経ち、確認のため増し締めを行ったのです。
実際増し締めを行ってみると、わずかに締め込める余地がありました。
もちろん力いっぱい締めると破壊してしまいますから、ほどほどにしなければなりませんけどね。
さてネジを締めこんで確認のために例の再生困難レコードである、ブラムースのレコードをかけてみました。
最初の音が出た瞬間から音の透明感が違って聴こえます。
さらに音の陰影やホールの奥行きのような音場の表現力、空間に漂う空気感、一つ一つのパートの音の解像度、すべてが明らかの向上して、今までは音の悪いレコードだと思っていたのですが、悪いのはプレーヤー側の使いこなしの問題で、プレーヤーの能力が高ければ普通の音質のレコードにしか聞こえません。
それに今までこのレコードでこんな音したことなどありませんし、他のレコードも、どれをかけてもやはり同じ傾向を示しますし、久しぶりにかけるレコードなどでは、今まで聴く事ができないような新たな次元の領域の音に聞こえます。
でも今回はそんなアナログのお話をするのではありません。
私のところで試聴用モニターとして使用しているAudioNirvanaの16センチフルレンジですが、皆さんご存知のようにダンボール製エンクロージャーという最低最悪の条件で鳴らしているのですが、今までの微妙なアナログプレーヤーのセッティングやチューニングの音の変化を的確に音として伝え、そのお陰でアナログプレーヤー関係のチューニングやセッティングが容易に進める事ができたのも、この微妙な信号の変化を的確に再生できる能力の高さという点が非常に優れていたからなのです。
もちろんどのスピーカーユニットでも、多かれ少なかれ信号の微妙な違いを音の変化として表現しますが、その能力には大きな開きがあるのも事実です。
前にブログで紹介したように、私は16センチサイズのフルレンジユニットは、ダイヤトーンのP610の前期型を持っているという話をしたと思います。
今ではエッジもぼろぼろですので近々エッジの修理もしなければいけないのですが、このユニットに惚れ込んだ理由は、先ほどAudioNirvanaのお話のように、微小なセッティングやチューニングの音の変化を的確に表現する能力が高かったためです。
これに比べればロールエッジを採用したP610no後期方のユニットは、再生レンジも耐入力も上がりスペック的には向上したのですが、聴こえてくる音はどこかメタボ的なところがあり、この信号に対する変化の違いの対応力が落ちてしまいました。
その点限定生産されたP610の革エッジを採用したユニットは、ジムに通って鍛えたような印象で、P610後期型にあるメタボ的なところはだいぶ解消されました。
ただセッティングなどによる微妙な音の変化に対する能力としてみれば、やはり前期型のP610が一番となり別格といえますが、前期型はどうしても再生音に線が細いところがあり、こじんまりと古いアコースティック系の録音された音源の質感表現力は高いものの、現代的な音楽などをダイナミックに鳴らすのは多少苦手のようです。
その点では後期型のP610の方が幅広いジャンルの音源に対応できるのですが、例のセッティングなどによる微妙な変化を音として表現する能力は劣ります。
そのような意味では、初期型ほどパフォーマンスは高くないものの、総合的には限定生産された革エッジ仕様はバランスもいいかもしれませんけど、現実的には入手は非常に困難になりますので、これも難しい話です。
でも台湾のメーカーが作り上げたValab P-610V 6.5 inch Alnicoなら、忠実にP610の音質を再現するため開発された経緯もあり、エッジも革製になっているため非常に期待が持てるのです。
さてこのセッティングやチューニングによる音の違いを的確に表現できるP610ですが、相手がAudioNirvanaと比較した場合、さすがのP610も後期型ではまったく歯が立ちません。
復刻版はマグネットも良質なため、後期型よりもパフォーマンスは高いです。
後期型のP610だってこの点に関していえば、スピーカーユニットの中では極めて優秀で、アンプやケーブルの音の違いだって的確に表現できますけど、AudioNirvanaの場合それとは比較にならないほど繊細で敏感に反応し、的確に音として表現してくるのです。
一般的に音の良し悪しの判定の基準としては、音色が好みの音かどうか的な要素が非常に大きく、その次に分解能やレンジ感などのような性能的要素が絡んできます。
しかしもう一つ奥に進んだ評価基準として、セッティングやチューニングなど、細やかで微妙な入力信号音の変化に対し的確に反応し易いかし難いかというポイントもあります。
私の場合この点に一番重点を置くポイントなのですが、聴感上の音の良し悪しとはあまり関係ない部分ですので、普通はこれに特にこだわる必要はない部分でもあります。
以前ALTECやマクソニックの大型システムを構築して長年鳴らしていましたが、実は私が重点を置く微妙な変化を的確に音として表現しやすい能力が非常に高かったため使用していました。
他にもTADのドライバーなども数年間使用していた事がありますが、微妙な信号の変化を的確に音にして表現する事ができる能力は高いのですが、音質的にもその能力に関してもマクソニックの励磁型磁器回路ユニットの方が私の好みにだったため入れ替えた経緯があります。
さて話をフルレンジユニットに戻しますと、スペック的にはAudioNirvana以上のものは世の中にありますが、微小なチューニングやセッティングなど、その違いを音として表現できるユニットは意外と少ないものです。
今でも自作派の方から絶対的支持が多い長岡鉄男氏が生み出した多くのシステムなど、私も多くのアイデアを参考させていただいた経緯がありますが、実は長岡氏が生み出したシステムのいくつかを聞いた事はあるものの、実際自分で組んだ事はないのです。
なぜかといえば、長岡氏の作品の多くに使われているユニットはフォステクス製がありますけど、すべてをくまなく比較試聴したわけではありませんが、私もいくつか所有した経験を持つフォステクスのユニットの音は、ジャ〇ネットの社長が声を裏返して製品を説明しているような、ある意味とても魅力的な音を出すことはあるものの、入力信号のわずかな変化などのようなの微小な音の違いの変化を表現する能力という点では、どうしてもP610の方が優れていたため触手が働かなかったのです。
他にもリチャードアレンやJBLなど魅力的な音を奏でるユニットも所有していましたけど、やはり微小な入力信号の変化を音として表現する能力は今ひとつという感じがします。
もちろんこれはまったく変化が表現されないという話ではありません。
どのユニットでもきちんと音の変化があります。
ただそこに差があるだけのことで、それだから音が良いとか悪いとかという話ではありません。
そのような微小な入力信号の変化にたいしてAudioNirvanaは、敏感に反応し、的確に音の違いとして表現できる点で、相当優れている数少ないユニットといえるかもしれませんね。
しかも魅力はそれだけにとどまらず、様々な音楽ジャンルに対する対応能力の高さもとても優れていて、50年代60年代の古い音源のジャズなど、シンプルで質感の高い音を奏でる音源などもリアルに再生できますし、フルオーケストラであっても、緻密で繊細に各パートごとの表情さえ手に取るように聞き取る事も可能ですし、弦楽四重奏などの小編成も、オペラのソロも合唱も、難なく再生しきってしまうのです。
私は他にも歌謡曲もヘビメタやロックも、またはトランス系の音楽もよく聴きますが、P610などでは難しいジャンルなどもまったく気にせずに楽しめてしまいます。
もちろん録音の質なども的確に表現してしまうところはありますが、それでも幅広いジャンルの音楽を楽しく再生しきってしまう能力は不思議なくらい魅力的なものです。
世の中にはクラッシックはとても心地よく聴けてもロックはまったく合わないものや、ジャズは気持ちよく聞こえるものの曲によっては煩すぎてしまったり、特定の音源だけびっくりするほど生々しい音なのに、他を聴くとぱっとしないものなど、意外と得意不得意がはっきりしているものも多くあります。
オールマイティーに何を聴いてもみな単調で同じようにしか聴こえないものなど、比較的マイペースに個性を主張してしまうユニットも少なくありません。
もちろん様々な個性的な音を奏でるユニットが多くありますので、その音が好きな音であるのなら良いわけですので、何に基準を持つかということの違いでしかありません。
もちろんAudioNirvanaだって、ALTECのユニットに似た明るく乾いたような音色傾向もありますが、それがでしゃばらないところが魅力の一つなのでしょうね。
そういえばつい先日うちへ定期的に来る置き薬の営業の方が来られました。
前回来られたときはまだダンボールスペシャルができる前でしたので、目の前にそびえる惨たらしい姿の段ボール箱に少々驚いていました。
その方のご自宅のお隣さんは、JBLの蜂の巣を組んだシステムを持つオーディオマニアの方らしく、ご近所さんということで何度かそのシステムを聴かれたそうです。
「この音がいいんだよね~」
と言われながら何度か聴かされたその方自身は、オーディオにはほとんど興味のない方ですので、一体何がいいのかよくわからないとよく話していました。
そこで試しにダンボールスペシャル少しだけ聴いてもらいました。
「えぇぇぇ!!何でそこで演奏しているように聞こえるの?」
「今の音本物みたいですね!」
時間の関係上、また特にオーディオマニアでもないので長時間聴いてもらうわけにはいきませんので、試聴は短時間で切り上げましたけど、
「なんかとても不思議だぁ~ いつまでも聴いていられる~」
「でもこれ段ボール箱ですよね?」
「オーディオはあまりよくわからないけど、これは私でもわかる・・・」
かなり驚いた様子で、
「また次回聞かせてもらいます」
と言い帰られました。
まだ段ボール箱スペシャルのAudioNirvanaのフルレンジですが、まだまだ隠された能力がたくさん眠っているのかもしれません。
私も早く箱を作らないといけませんね。
という事で今回はここまで。
また次回楽しいお話をしていきたいと思います。
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