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サムライジャパン ブログ

サムライジャパン オーディオ関連を中心にしたブログです。
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2013/02/04
11:03
AudioNirvanaフルレンジのお話の続き

みなさんこんにちは。


サムライジャパンでございます。

前回はAudioNirvanaのフルレンジユニットの話をしましたが、今回もその続きのお話をしたいと思います。

最近AudioNirvanaのフルレンジユニットに関しての問い合わせや質問が多くなり、その多くは興味があるのだけれど実際音はどうなの?という質問から、どのようなジャンルの音楽に合うのかとか、様々な質問が寄せられるようになりました。


現在うちのデモ用として鳴らしているのはAudio Nirvana 'Super 6.5 ALNICO' というユニットです。

Audio Nirvana 'Super 6.5 ALNICO'

サイズを超えた尋常じゃない巨大マグネットで振動版を駆動する、異次元のハイスペックフルレンジユニットです。

当然そのパフォーマンスは非常に高く、スペックうんぬんよりも実際音楽を再生してみると、その実力の高さをひしひしと感じます。


たとえば同サイズのロクハンと呼ばれる16センチフルレンジユニットの代表格として真っ先に思い浮かぶのは、ダイヤトーンのP610シリーズではないでしょうか。

私も前期型のP610のアルニコモデルを所有し、実際ロクハンクラス最高の音として、大型スピーカーを組む際のリファレンス原器としていたほど、その実力の高さに惚れ込んでいました。

1 721

p610シリーズは現在でも非常に人気が高く、中古市場でも高値で取引されるなど、その人気は一向に衰えていません。

もちろんその実力の高さという裏付けがあってこその人気ですが、確かの中音域の密度の濃い表現力は素晴らしいものがあります。

特に前期型は、ボーカルなど人の声や小編成のアコーステック楽器の音色などの質感表現が非常に高く、パワフルさやレンジ感こそロールエッジの付いた後期型に劣るものの、音の質感の高さで言えば圧倒的に前期型の方が優れている気がします。

限定生産された革エッジの後期モデルは、ロールエッジ仕様の後期型よりもその点改善されていますけど、悲しい事に生産終了で手に入れられません。


唯一台湾のメーカーがP610の音を忠実に再現するために復活させた、Valab P610V 6.5 inch Alnicoというモデルが現在新品で手に入れられるくらいです。

Valab P-610V 6.5 inch Alnico

こちらならP610の質感の高い表現力にプラスして、現代の音楽にも対応できそうですので、少し使いやすいかもしれません。



さて上の画像にあるように、私のの所有するP610は前期型のスポンジエッジの付いたタイプで、長年の年月で加水分解を起こしボロボロです。

現在はこちらもやはり段ボール箱に入れられて保管されています。

P610

こちらもエッジを張り替えて、綺麗な木製のエンクロージャーに入れてあげる予定です。

それとともにValab P610V 6.5 inch Alnicoを使用した、新たなシステムの構築という考えもあるのですけどね。



さて前置きはこのくらいにして、じっさいAudioNirvanaはP610と比べてどうなの?という疑問をもたれる方もいるでしょう。

今回はそのあたりを中心に話を進めたいと思います。


前記したように、P610の音の質感の表現力は前期型の方が優れていると思います。

もちろん後期型が悪いというのではなく、あくまでも相対的な比較での話です。

さてAudioNirvanaの方ですが、同じ系列のユニットではないので音色は当然違います。

中音域の密度の濃い高い音の質感も遜色ありません。

しかしP610と圧倒的に違うのは、レンジ感とパワフルさが加わっている事でしょうか。

パワフルだからといって大雑把な鳴り方という意味ではありません。

P610がロクハンの16センチサイズの鳴り方とすれば、AudioNirvanaは、まるで大型システムを聞いているような、そんなスケールの大きな鳴り方も可能なのです。

私はALTECの515Cという38センチの超強力ウーハーをアピトン合板のエンクロージャーに入れ、マクソニックの励磁型磁気回路の超ハイスピードハイパワーホーンドライバーとトゥイーターで構成された、大型の3ウエイシステムを長年使い続けてきましたが、P610を聞くと、どうしても16センチサイズの音という印象を感じていましたけど、AudioNirvanaの場合、そのような印象を感じさせないほどの鳴り方なのです。

P610が多少苦手とするフルスケールのオーケストラも、エネルギッシュに鳴る激しいロックも、あっさり鳴らしてしまうのです。

しかもフルオーケストラも各パートの分離も非常に緻密で繊細で、ジャズの切れのあるベースやドラムもなんのそのです。

もう16センチという口径が信じられないような鳴りの良さです。

カンターテドミノという、教会内で一本マイクで録音されたパイプオルガンやフルコーラスのスケール感の表現もすばらしく、とてもソフトでやわらかい表現をすると思いきや、シェフィールドのジェームスニュートンハワードなど、激しいハイスピードな切れのある音も難なく表現してしまいます。


音色的にはALTECのユニットに非常に似た傾向ですが、さらに緻密で繊細な表現も得意とし、けしてジャズ向きとかロック向きと片付けられるレベルではありません。

前のブログでも話したように、私が再生困難レコードとあだ名をつけたブラムースの曲も、あっさり鳴らしきってしまうその実力は、もはやジャンルを超えた再生能力です。

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このおじさんのバイオリンがまたすばらしい音色を奏でるのですけど、そんな非常に細やかな微妙な音の質感もうまく表現してしまうのです。

このレコードは、プレーヤーやカートリッジ、またはセッティングの良し悪しに非常に敏感に反応するレコードで、このレコードをうまく鳴らすことができると他のレコードも問題なく再生できるため、私のテスト用レコードの一つなのです。


少し前のブログでは、ターンテーブルシートを浮かせるために、100円ショップで手に入れたポリエステル100%のフェルトが非常に効果的だった話をしたと思います。

そのようなわずかな違いもAudioNirvanaのフルレンジは表現してしまいます。


そこでターンテーブルで効果的だったフェルトですが、かなり余りが出たので、試しにプレーヤーのインシュレーターの下に重ねてみたところ、これもまたびっくりするほど効果的で、例の再生困難レコードも何事もなかったようにより緻密な鳴り方をするし、他のレコードを聴いても、聴いているのが快感に感じられるようになったのです。

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長年に渡り超高剛性高比重主義を貫いてきた私ですので、プレーヤーのインシュレーターをソフトに浮かすなんて以前では考えられない行為なのですが、現在のプレーヤーを載せているのがただのガラステーブルというお粗末なものですので、逆に効果的だったのでしょう。

剛と軟をうまくコントロールしてこそ、より良い再生音が得られるのでしょうね。


そんな事に気を良くした私は、自己所有レコード盤のなかで最高に音の悪いレコードをかけてみる事にしたのです。

それはこちら。

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私の少し上の方にとっては現役時代を良く知る方も多いと思いますが、当時ディスコで大流行したアラベスクのアルバムです。

私はアラベスクの曲自体は好きなのですが、その録音の悪さといったら、まるでステレオが壊れたのかと思うほど音が悪いのです。

音の透明感がなく、レンジも狭く、高音質録音のレコードとは対照的なそのアルバムは、録音や音の悪さをアピールするためのサンプルとしてしかかける事がなくなっていたレコードです。

そんな音の悪いレコードを久しぶりに聴いてみたくなったのです。


という事で早速レコード盤に針を落とすと、相変わらずびっくりするほど音が悪いのですが、以前は聴こえなかった音が聴き取れます。

しかも聴いていて思わずにやけてしまうほど、なんの苦もなく聴けるではありませんか。

これには少々驚きました。

これはこれなりに楽しく聴けてしまうのです。


しかも聴いていて感じるところも出てきました。

この音の悪さは意図的にミキシングされたものではないかと・・・


当時のディスコの状況は詳しく知りませんけど、ボテボデジャキジャキの喧しいだけの装置を使い大音量で鳴らしていたとしたら、このくらいのバランスでなければ大音量再生ができなかったのではないかと・・・

酷い音のする再生装置で高音質録音盤を大音量で再生しても、ただ煩く騒がしいだけで聞くに堪えないはずです。

そのような意味でこのような録音をしていたのかという仮説を感じたのです。


もちろん音は酷いものです。

でも、それさえ楽しめてしまう音を奏でるAudioNirvanaは、やはり凄いユニットなのかもしれませんね。


現在ダンボールという音質的に最低レベルの条件で鳴らされているにもかかわらず、微妙で繊細な音の違いを表現する実力は、やはり凄いとしか言いようがありません。


とついつい話が長くなってしまいますので、今回はここまで。


また次回楽しい話をしたいと思います。

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