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サムライジャパン ブログ

サムライジャパン オーディオ関連を中心にしたブログです。
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2024/12/05
06:16
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2013/02/04
12:18
P610V取り扱い開始とLcaoフルレンジ取り扱い開始

みなさまこんにちは。

サムライジャパンでございます。



さて何度かに渡りご紹介してきたP610の復刻版?ユニットですが、取り扱いを始めることにしました。


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もともと生産中止になったダイヤトーンP610のサウンドを忠実に再現するために、出来るだけオリジナルに忠実に再現しようとしたのですから、ご覧のように外観形状はダイヤトーンのP610と瓜二つです。


ただオリジナルでは耐久性に難があるエッジ部分は革エッジに変更されて、耐久性はかなり向上していそうです。


しかしオリジナルとは関係性の無いメーカー製ですので、その再現しようとする情熱がどれほどなのか・・・


この製品はVintage Audio LobからValab P-610V 6.5 inch Alnico という正式名称で発売されたものです。

Valabブランドといえば、各種チューブソケットや、ケーブルやピンプラグ、またホスピタルコネクターなど、さまざまなオーディオ関連部品を持つブランドです。

そしてVintage Audio Lobではほかのブランド製品も取り扱いをしていて、その中に興味のあるフルレンジユニットを見つけました。



L. Cao 6.5" inch Alnico Fullrange Speaker

L. Cao 6.5


なんとも頼りなさそうな面構えで、どことなくレトロなイメージの外観です。


しかしフレームなどは最新モデルと遜色ない作りで、マグネットはかなり強力なアルニコマグネットで駆動します。

L. Cao 6.5


L. Cao 6.5


スペック的にもかなり優秀で、エッジもフィックスドタイプで反応もよさそうです。


Specification:
Power : 30W
Frequency : 58~20k (see fig. 7)
Impedance : 8 Ohm
Sensitivity : 91DB
Fs : 58HZ
Qes : 0.71
Qms : 5.71
Qts : 0.63
Cms : 1.1122mm/N
Re : 6.1 Ohm
BL : 4.37T.m
Mmd : 5.31g
Mms : 6.08g
Sd : 0.0129m2
Vas : 25.7L
Weight : 1.83 each (5.5kg/pair after packaging)



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メーカー側の指定箱の図面も紹介されていますが、やはり卓上オーディオのようにコンパクトにこそまとめられませんが、反応のいい音楽が楽しめそうですね。

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コーン紙がイエローなのでちょっと目立つ色といえばそうですが、ホワイトカラーのコーン紙が黄ばんだ色よりははるかに綺麗ですね。


有名ブランド製品でもなく、オーディオ雑誌で評判になる製品でもないのですが、このユニットもかなりいい線いくのではと思えます。


使用例はバスレフですが、たぶん密閉型にするとつまらない音にもなりそうな感じもしますし、平面バッフルや後面開放型、またはマルチダクトやバックロードホーンも面白そうです。

意外と切れ味鋭い音がしそうですね。


スペック的に優秀とはいえ、意外と使いやすそうなユニットにも感じます。


フィックスドエッジですので、反応はかなりよさそうですが、ローエンドの鳴らし方をうまくすれば、結構化けるのではないでしょうか。


また妄想にうなされてしまうやばいものを見つけてしまったようです。



個人的には重い振動系の音はあまり好きではないので、このような軽量系でしかもフィックスドエッジ、そこへ強力なアルニコマグネットとなると、見てみぬふりが出来なくなるのです。


小出力の球のシングルアンプなんかでシンプルに駆動するのも面白そうだし、表現力の豊かなデジタルアンプで駆動するのも面白そうです。


というより、すでにあれやこれやの妄想の洪水に悩まされているのです。


しかもL caoのフルレンジは、この上に8インチモデル、20センチバージョンもあるので、そちらも次回ご紹介しますね。


意外とこの手のフルレンジユニット、普段大型システムを聞いている方にも受けがよさそうです。


世界の名機が迷機にしてしまいそうな予感・・・


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2013/02/04
11:33
P610復刻版 フェライトモデル

みなさんこんにちは。


サムライジャパンでございます。

しばらく更新をさぼっておりましたが、元気に過ごしております。


日曜日からは急遽エレックス様のサポートがてら足利に来ております。


さて今回はP610復刻版のフェライトマグネットバージョンについてお話ししたいと思います。


ダイヤトーンのP610後期型には、低価格なフェライトマグネットバージョンがありましたね。


アルニコマグネットモデルに比べてしまえば、ソースのニュアンスなど細かい質感の表現力が多少乏しいものの、音質的にはP610の音そのもので、様々な鳴らし方やテストなどにも気軽に使えましたね。


P610復刻版のアルニコマグネットバージョンはご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、同じフレーム同じ振動版を用い、磁気回路のみフェライトマグネットへ変更し、防磁カバーが付いたタイプを新たに取り扱いを始めることとしました。


こちらはうちのホームページ上には既に掲載していましたが、ブログでは前に取扱い予定としてご紹介していたものになります。


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上記画像左はアルニコマグネットモデル、右がフェライトマグネットモデルになります。

基本スペックはアルニコと同じですので、どうしても高音質でなければという方以外でしたら、様々な鳴らし方を楽しむことにも利用できます。

 P-610F

取りつけ寸法などはダイヤトーンのP610と同じですので、ユニットが傷んで仕舞い込まれているエンクロージャーなどがあれば、ユニットだけ付け替えて楽しむこともできますね。

また基本的にP610のオリジナルの再現を目指しているものの、オリジナルよりも音楽の対応範囲が広いなど、オリジナルにはない隠れた一面もあります。

 P-610F


アルニコモデルに比較すれば多少奥行が少ないものの、防磁カバーも付いているため意外とボリューム感のある磁気回路です。


上手くチューニングをすれば、P610の鳴らし方としては比較的少ないバックロードホーンなどに使うのも面白いですね。

 P-610F


どのような鳴らし方をするかでその表情を変える高反応ユニットですので、使い方次第では楽しいシステムを構築できるかもしれませんね。


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さて皆さんならどのような鳴らし方をしますか。


ということで今回はここまで。


また次回楽しいお話をしたいと思います。

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2013/02/04
11:30
究極のP610復刻版の驚愕なスペック

みなさんこんにちは。


サムライジャパンでございます。


さて前回のブログでは、海外のP610ユーザーの、少し珍しいタイプのものなどをご紹介しました。

ご存知のようにP610は国内での生産が終了しましたが、現在も活発に中古市場では取引が盛んなど未だにその人気が衰えないのですが、これは国内だけの話ではなく、海外でも様々な有名ブランド製品と方を並べる多くの愛用者がいる人気ユニットには違いありません。

前回のブログでは、P610を用いたシステムのための様々なエンクロージャーについてご紹介をしましたが、その最後のほうに驚愕のシステムをご紹介したと思います。

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ここまでくればとてもP610とは思えない驚愕のシステムとなりますね。


でもこのシステムに取り付けられているP610なのですが、当然ダイヤトーンのオリジナル純正品ではありません。


では復刻版のValab P-610V 6.5 Alnicoなのかといえば、よく見るとエッジ部分の色の違いに気がついた人がいるかもしれません。

Valab P-610V 6.5 Alnico 


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じつはこちらもP610復刻版ユニットなのですが、これはうちで現在扱っているP610の復刻版ユニットとは別のモデルなのです。

エッジの形状処理はそっくりですが、スペックがまるで違うものです。



うちで扱っているユニットといえば、P610の音を忠実に再現する事を目的に作られたものですが、オリジナルに比べればエッジ部分の耐久性も向上し、しかも磁気回路のマグネットもオリジナルよりも強化されているため、オリジナルの音を再現しながらも、音楽に対する対応性も広がっています。


さてこの謎のP610の正体ですが、これも同じくP610の優れた音質、優れた表現力など、世界の名だたるフルレンジの名機達に引けを取らないという、その優れた能力を再現するために立ち上げたブランドから発売されているものです。

そのブランドのトップの方はオーストリア人らしく、自身も数多くのP610のオリジナルを所有するというマニアであり、ダイヤトーンが生産終了後、その歴史に幕を閉じる事を危惧し、自ら先導して再生産の道を模索してきたそうです。

音質を決定付ける振動版の材質、エッジの材質、またアルニコマグネットの材質など、P610の音質的基本を十分抑えた素材探しからはじめてきたそうです。


その経緯で出来上がったのがこのユニットなのですが、外観こそP610そのものといえるのですが、実はスペック的にはオリジナルのP610の比ではなく、とてつもないハイスペックフルレンジユニットなのです。


上の画像のような驚愕のシステムもありますが、現地での価格も驚愕の価格になり、フルレンジ=自作マニア=低コストという図式が成り立ちません。

もしどうしても上の驚愕のシステムがどうしても欲しいという方がいればご相談に乗ることは可能ですけどね。



さてこのP610のハイスペックバージョンですが、何も驚愕のシステムばかりではありません。


フルレンジのよさを最大限に生かしたシンプルなシステムもあります。

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能率/インピーダンス:98B/8

再生帯域:38~20K Hz

入力:12W/RWS MAX 25W/RWS

サイズ:300×330×500 (W×D×H)

重量:14.5KG


こんなタイプもあります。

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上の2モデルと比較すれば遥かに安いとはいえ、現地でもヨーロッパ製の小型ブランド製品並のお値段ですから、ローコスト商品ではなく、十分高級品といえますね。


ところで上のスペックご覧になっていただければわかりますが、なんかオリジナルのP610とは違うのを感じていただけると思います。


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まず能率がオリジナルに比べて非常に高くなっています。

エンクロージャーに入れて98dbですが、ユニット単体での音圧も96dbと公表されています。

対入力もオリジナルよりも高いだけではなく、ボイスコイルは6Nの銅線で巻かれたものになり、マグネットも非常に強力な磁力を発揮するものへと改められているのです。


もう完全にオリジナルのスペックを遥かに超えたユニットといえますね。

ある意味究極のP610を目指した結果という事のようです。


さて気になるのはそのお値段ですが、やはりというかかなり高いです。


十分高級ユニットの仲間になれます。


気軽に遊びで使えるというより、本気で鳴らしこむという意気込みが必要になってくる価格といえます。


もちろん卒倒してしまうような高額ではありませんので、P610という基準で見ればの話ですけどね。


ただ究極のP610を目指しているだけに、隅々まで妥協のないところはさすがでしょう。


こちらは入手先が限られているので、今後取り扱うかは検討中です。


でも個人的には非常に興味があるのですけどね。




ということで、ここまでくるともはや遊びで手軽に使えるP610とはいかなくなりますので、音質的に反応や表現力が多少落ちる面がありますが、同じ振動版とフレームを用いた、P610のフェライトマグネットの復刻版の取り扱いを予定しております。

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こちらはできるだけ手軽に遊べるような価格を考えてみたいと思います。


できるだけ早くホームーぺージにも公開していきますので、今しばらくお待ちください。


という事で今回はここまで。


また次回楽しい話をしていきたいと思います。


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2013/02/04
11:28
P610の様々な鳴らし方

みなさんこんにちは。


サムライジャパンでございます。


さて前回のブログでは、海外のエンクロージャーメーカーが製作した、少し珍しいタイプのものなどをご紹介しました。

まずはユニットの能力が優れている事が最低条件となりますが、そのユニットを生かすも殺すもエンクロージャーしだいです。



ダンボールで鳴らしている奴が偉そうなこと言うな!!!


と、厳しい罵声を浴びせられるかもしれませんが、ダンボール箱ではまともな音などするはずがないと考えられるのは間違いのない話ですが、ダンボールでもある程度の水準の音を出すノウハウというのも、実は木製のエンクロージャー作りに非常に役に立つ部分もあるのです。

最低最悪の素材であるダンボールですから、クリアーで切れのある音を出すなんていうのは、材質からして非常に困難な話です。

でもそれを達成するためにあれこれやってみると、意外と木製のエンクロージャーの使いこなし、あるいは作りこみのあまい点などに気付くことも多いのです。

ダンボールがエンクロージャーの材質として不適合なのは、一般的な常識として皆さんもご承知のとおりです。

では常識的に言えばどのようなものがいいのでしょう。

硬くて比重があって内部損失もあり・・・etc


物理学の観点から考えても、材料力学や構造力学など工学的観点から考えても、おのずと理想とする方向性が常識として浮かび上がるのは当然の事です。

でもよくよく考えてみれば、音を出す楽器的な視点で見ると、工学的視点や物理学の視点では、芸術的な音の感性とは必ずしも合致しないものです。

曲げ剛性やねじれ剛性が何%向上すれば、出てくる音が何%向上するなんて話聞いたことがありませんからね。



という事でダンボールを推奨するという話ではありません。


皆様がお使いのエンクロージャー、あるいは製作しているエンクロージャーも、世間一般で言われる常識に踊らされて、本当に聴きたい音の方向性とは異なってしまうという事も実際には多い話なのです。


どのような音が好みかは、人それぞれが持つ感性に左右される部分ですが、どこをどうすればどのように音が変わるのかなど、そのようなノウハウを試してみる事ができるのは、既製品のセッティングだけでは得られない話ですので、様々なものを使いながらそれらを探るのもなかなか楽しいものですよ。



少し前置きが長くなってしまいましたが、今回は前のブログでも何度かご紹介したP610関連の話について、海外のP610ユーザーがどのような鳴らし方をしているのか、日本国内の標準的な使い方に縛られない使いこなしをご紹介します。

まずはうちにあるダイヤトーンP610Aですが、ただの梱包用の箱に入れられています。

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ただ内部には秘密が・・・

と、こんなものはどうでもいいので、早速海外のユーザーさんのご紹介をしていきます。


まずは一般的なバスレフエンクロージャーです。

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これらはダイヤトーンの限定販売された復刻版のエンクロージャーをモデルとしたものです。

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コンパクトでありながら非常にバランスのいい鳴らし方のひとつで、とりあえず箱で鳴らしてみようというにはいいのではないでしょうか。


さて次ですが、少し大きめのバスレフBOXです。

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伸びやかな再生を望むのであれば、少し大きめのほうがより開放的な鳴りかたになりますね。



さて次ですが、パッと見た感じは上の物と同じように少し大きめのバスレフBOXです。

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確かにバスレフボックスには間違いありませんが、内部に仕切りがあり、またそこにもバスレフポートが設けられたダブルバスレフBOXになります。

ユニットはダイヤトーンP610限定復刻版のユニットが使われていますね。



さて次もバスレフBOXですが、右側には復刻版ユニットであるValab P-610V 6.5 Alnicoが入れられた、コンパクトなキャビネット仕様がありますね。

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次は最近流行のスリムなトールボーイ型で、リアにバスレフポートが付けられたタイプです。

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コンパクトなマルチダクト仕様というのもあります。

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これもユニットはValab P-610V 6.5 Alnicoが入れられていますね。


次はこちらも最近流行のスリムな形状が特徴的なバスレフのエンクロージャーです。

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自作といえば、最も簡単でしかもユニットの音の素質が非常に聞き取りやすい方法として、平面バッフルがあります。

でもただの板では見た目がという方もいる事でしょう。


そんなときは板材を工夫すれば、見た目も素敵なだけではなく、インテリアアイテムとしても素晴らしいものを作る事だってできるものです。

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さて次は、自作派には支持率が高いバックロードホーンです。

P610のバックロードホーン率は高くありませんが、P610用に設計やチューニングをすればゴキゲンな低音で鳴らす事が可能です。

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さて次ですが、フルレンジ1発というのとは多少違うのですが、トゥイーターをプラスした2ウエイで、大型でしかも豪華なキャビネット仕様です。

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この堂々とした姿は、チープ感が見え隠れするP610のイメージを払拭しますね。

これなら知らない人が見たら、きっと高価で凄いものだろうと思うでしょうから、十分人に見せて自慢の対象にもなる事でしょう。


さて次もどうだ凄いだろう!!といえるものです。

完全にP610という16センチ口径のフルレンジという世界とはかけ離れた驚愕の世界です。

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これもフルレンジ1発とは違い、ミッドレンジにP-610を使用した3ウエイ構成で、もうP610というフルレンジのイメージとはまったくかけ離れた世界になっていますね。

もちろんP610の素晴らしい再生能力を知っているからこその選択なのでしょうけど、確かにこのような鳴らし方もけして間違いではありません。



とP610関係の様々な鳴らし方を見てきましたが、昔ならダイヤトーンのP610は気軽に遊べて、しかも素晴らしい表現力を持つユニットでしたので、いろいろな鳴らし方をされた方もいるでしょう。


しかし生産が終了した今となっては、コレクターアイテムとして保存されてしまう事も多くなってしまい、気軽に様々な鳴らし方を試してみる事も困難になりました。


でも上のある驚愕のシステムのような使い方も、復刻版であるValab P-610V 6.5 Alnicoなどができたからこそなのかもしれません。

確かに当時のものよりも価格は上がり、ましてや価格破壊が進む今となっては、数千円も出せば見た目も立派なユニットも手に入るわけですし、わざわざP610なんてと思うのも当然の話かもしれません。

しかしP610でしか知る事のできない音の世界を聴き取れる方にとっては、これは非常に魅力のある世界かもしれません。

誰しもが同じ感性を持つわけではなく、またどれほど素晴らしいものでも、その片鱗さえ理解できない方がいるかと思えば、そこに広がる奥深い世界を瞬時に感じ取れる方もいます。


オーディオも一種の芸術世界になりますので、今回ご紹介したようにP610ひとつとっても、様々な世界が生まれてくるのでしょうね。


という事で今回はここまで。


また次回楽しい話をしたいと思います。

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2013/02/04
11:23
フルレンジの原点 P610

みなさんこんにちは。


サムライジャパンでございます。


いやはや暑くなりましたね。

夏本番到来を感じさせるようになりました。


さて前回のブログでは、こんな暑さによって影響を受けやすい、アナログプレーヤーの針圧調整についてお話をしました。


とはいいましても、暑いから必ずしも針圧調整が必要かと聞かれれば、トーンアームやカートリッジ次第では、針圧調整が必ずしも必要でないものだってあります。


一方ほんのわずかな気温差に敏感で、常に微調整が要求されるものだってあります。


だからこれは実際に必要な場合にのみ調整をされればいい事です。


でも基本的な適正針圧を中心に、極端な使い方をしないようしなければならないのは当たり前の事ですけどね。

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さてそんな針圧調整ですが、お使いのシステムによっては、音としてその違いを聞き取るのが困難なシステムというのもあります。


たとえば独自の音質的なキャラクターで音楽を奏でる装置の場合、そのような入力信号の差に敏感に反応しにくいシステムもありますので、針圧による音の違いを聞き取りにくい場合もあります。


またオーディオは一種の芸術的要素を持つため、感性的にそのような違いをあまり気にならない方もいるわけですので、それが何かに気がつかないレベルであれば、特別神経質になる必要もありません。



という事で、この針圧による音の違い、あるいは新しく手に入れたケーブルの音の違いなど、そのような微細な音の違いをテストするためには、敏感かつ適切に音の違いとして表現できるユニットが必要不可欠になります。


もちろん音質的に十分満足のいく音を奏でるのであれば、どれほど個性的な音であろうと、入力信号などの外乱の影響に対し鈍感であろうと一向に構わない話です。


ただその違いがどうしてもすぐに聞こえてしまう方にとっては、やはり適切に反応し表現できる敏感なスピーカーユニットなどをお使いになると、その後の調整が非常に楽になります。


そのような時に重宝するのが、フルレンジユニット1発の再生です。

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もちろんマルチシステムであっても敏感に反応するシステムなら問題ありませんが、どうしても不確定要素が多く絡みやすくなるので、時には好みの音からずれたから音が悪いと安易に誤った判断をしてしまう危険性があります。

その点フルレンジユニットなら、はじめからある程度音のバランスもまとめられているわけですので、マルチシステムのバランスをとる際などの指標としても活躍できます。


ただ問題なのは、ユニット一発で広帯域をカバーしなければならず、マルチシステムのようなワイドレンジが難しいという問題もあります。


しかしフルレンジをお使いの方なら十分ご存知のように、バランスの悪い下手なマルチシステムよりも、遥かに密度の濃い素晴らしい音楽を聴けるという話になれば、立場が逆転してきます。


良質なフルレンジユニットの音をマルチシステムで凌駕するというレベルになると、よほど吟味したユニットを用い、適切にチューニングを施しても、そのレベル以上にするのは非常に困難な話です。


そのような意味では、かなりいい加減な音作りをされたマルチシステムなんていうのも世の中にはたくさんあるものです。




さて前回のブログにも書いたように、微妙なカートリッジの適切な針圧調整ができたのも、入力信号に対して敏感に、そして適切に反応して音に表現してくれる、AudioNirvanaのユニットがあってこその話です。

Audio Nirvana 'Super 6.5 ALNICO'


そんな敏感に反応するフルレンジ1発の本当のよさを私に教えてくれたのが、上の画像にあるボロボロのダイヤトーンのP610Aです。


私がオーディオを始めるきっかけは、オートバイで瀕死の重症を負い、しばらくオートバイに乗れない間の繋ぎの趣味として始めたのが始まりです。


そんな流れですので、オーディオを始めたころといえば、好みの音が出ればそれが良い音なのだろうと思っていたわけです。


そんな中で様々なスピーカーを買い込んで鳴らしている中で、以前何度かブログにも書いたように、JBLのD130のバックロードホーンを手に入れて、天下の有名ブランドJBLサウンドだ!と、自信満々に聞いていたのを思い出します。

JBL D130

はじめての15インチクラスの大型システムで、基本的にフルレンジユニットのためJBLの075を繋いだ2ウエイで聴いていました。

そんな時前にも話したように、リサイクルショップで薄汚れたP610Aを購入したのです。


しかもエンクロージャーが無いので、間に合わせに段ボール箱に入れて鳴らしてみたわけですが、入力信号に対する敏感な反応や音質的な質感の表現力や解像度など、どれもD130を遥かに凌駕していたことに驚いたものです。

その後平面バッフルで鳴らすようになったわけですが、上のP610はその頃程度の良い中古を見つけて購入したものなのです。


その頃から友人たちの間では、私は十分気の狂ったオーディオマニアだったらしく、そんな友人や後輩の多くもやがてP610の後期型を購入し、平面バッフルや指定エンクロージャーを製作して鳴らしていました。



さてこのP610に関してですが、私が前期型を中古で手に入れた頃は時代は後期型に移行した頃です。

P610DA

前期型よりもよりワイドレンジな再生を目指し、エッジは前期型のスポンジからウレタンに変わり、振動板も多少変更を受け、センタキャップなどの仕様変更などもありました。

そして対入力性の向上と、やや重めになった振動板を駆動するため、マグネットも少し強化されました。

また価格を抑えるために、フェライトマグネットモデルもラインナップに加わりました。

それらの変更からより幅広い音楽への対応性は向上したものの、P610前期型が本来が持つバランスの良さは少し崩れてしまい、細やかで繊細な質感の表現など応答性が鈍化してしまったようです。

もちろん下手なスピーカーよりはぜんぜんいいのですけど、スポンジエッジで初期応答性に敏感に反応する前期型を持っていた私は、どうしても触手が動くほどの魅力がありませんでした。


今手に入れやすいモデルの多くは、この後期型になります。


その後限定で発売されたP610の最終版もありますが、こちらはエッジも革製に変更され、音質的にも後期型の不満を改善する方向性になりましたが、やはり短命で生産を終了してしまい入手困難な製品です。

P610MA

基本スペックは後期型をベースにしていますので、多くの音楽への対応力はあるものの、初期初動や質感の表現力に関しては、やはり前期型の方がその描写や反応は優れています。

P610A

しかし製造終了からの年月もかなり経っていますので、こちらも現在では入所困難です。

しかも限定生産の最終モデル以外は、アキレス腱であるエッジの加水分解による劣化が激しく、生産時のコンディションを維持しているのが珍しいほど、やはりその多くはエッジの張替え済みかあるいはボロボロというのがほとんどです。


そのようなわけで、ダイヤトーンのP610に関しては私個人的には前期型が最も好きなユニットで、AudioNirvanaを知るまでは、これこそ最高のフルレンジとさえ思っていたのですが、そんな前期型にも欠点がないわけではありません。


その音の表現力や反応は優れているとはいうものの、どうしてもコンパクトで線の細い表現しかできない面があります。

そのため音楽への対応力も限られてしまい、アコースティクなジャズや小編成のクラッシック、あるいはボーカルなどには抜群の相性を示すものの、その他の音楽によっては物足りない鳴り方になってしまうこともあります。


同じボーカルものでも、近代の歌謡曲などもやはり録音の質の悪さばかりを露呈するだけで、楽しく聞くというのにもなかなか難しい面がありますね。


そのようなP610ですが、以前も何度かご紹介したValab P-610V 6.5 inch Alnico というモデルが、台湾のパーツメーカーから発売されました。

Valab P-610V 6.5 inch Alnico 

メーカーこそダイヤトーンではありませんが、P610の持つ優れた音質を徹底的に再現するために、熱い情熱を持つ技術者が集い完成させたユニットです。

基本スペックは後期モデルに準じますが、P610歴代のシリーズのアキレス腱であるエッジは、革製のエッジへと改められ強化してあり、しかも磁気回路もダイヤトーン製より強化されています。

Designation P-610VA

Production 2011

Diameter 16cm

Resonance frequency between 65Hz and 75Hz
Nominal power capacity 7W
Max permissible 20W
Sensitivity 90 dB/m/W
Magnet Alnico
Magnetic flux density in the gap 12000 Gauss
Impedance P610VA 8 ohms
Magnet diameter 30 mm
Magnet height 25 mm
Magnet weight 0.92 Kg


これらの仕様変更は、P610の持つ基本性能を、現代の音楽にも順応できるようにするための改善ともいえますので、古きよき時代のP610の音を現代でも気軽に、しかも永く楽しむ事ができるという意味では、とても魅力的なユニットといえます。

ただどうしてもダイヤトーンというブランド名でなければ納得できないという、ダイヤトーンファンの方にはお勧めできませんが、バランス的に優れ、音質表現力や入力信号にも敏感に反応してくる、そんな魅力のあるフルレンジをお望みの方にはお勧めできるユニットですね。


もちろん大型システムのようなパワフルさは望めませんが、それでも十分な再生が楽しめるのではないでしょうか。


今の私のオーディオの音作りの原点を教えてくれたのがP610です。

様々なスピーカーシステムを聴いてみましたが、P610の本質的な能力を超えるシステムというのは非常に少ない気がします。

もちろん好みの音でなれば、どれほどバランスが悪かろうが、めちゃくちゃな音になろうが、それはそれでひとつのオーディオの世界ですけど、一度原点に返ってみて、良質なフルレンジを楽しんでみるのもなかなか面白いものですね。


と、今回も長くなってしまいましたが、今回はここまで。

また次回楽しい話をしていきたいと思います。


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