2024/12/13 03:02 |
[PR] |
2013/02/04 11:35 |
オーディオニルバーナ 脱ダンボール その2 |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
前回お話しましたように、うちのAudioNirvana(オーディオニルバーナ)のフルレンジユニットは、今までの惨たらしい段ボールから脱却し、ついに念願の木製エンクロージャーへと入れ替える事が決まりました。
先回もお話したように、使用するエンクロージャーは、EV製のPA用のスピーカーシステムのエンクロージャーで、15インチウーハーとホーンドライバーが入っていた、2ウエイのエンクロージャーです。
概算の内容積を計算すると、およそ140リットルほどで、これに装着するAudio Nirvana 'Super 6.5 ALNICOはご覧のように6.5インチ(16センチ)ユニットですので、コンパクトシステムに用いられるサイズのユニットという事を考えれば、一般的にオーバーキャパシティーになるのでしょう。
もうかなり前の話ですが、以前まで鳴らしていたALTEC 515-16Cを入れていた、アピトン合板製の強固な230リットルのエンクロージャーに、ダイヤトーンのP610の初期型を入れて鳴らした事があります。
バスレフの指定箱サイズでいえば、45~70リットルサイズまでが許容サイズになり、このサイズのエンクロージャーでは非常にすばらしい音が聞けます。
一方コンパクトな箱に押し込むと、P610はかなり苦しそうに鳴ってしまい、正直聞いていてあまり気分のいいものではありません。
そんな事で230リットルのエンクロージャーを試したのですが、さすがにこれも無理でしたね。
ローエンドがだら下がりの傾向になり、平面バッフル的な音になるものの、箱で囲われた影響からか、伸び伸びとした鳴り方も影を潜めてしまい、これはこれでつまらない音になってしまいました。
そのような意味ではユニットには最適なサイズのエンクロージャーが必要なのですけど、Audio Nirvana 'Super 6.5 ALNICOにはどの程度がベストなのかといえば、これがまた許容範囲がかなり広いのです。
適合表をご覧いただければおわかりですが、最小の12リッターから最大では300リッターまで許容範囲に広いユニットでもあります。
ただしさすがに12リッターは、AV用などのサブ用としての使用が前提になるでしょうから、実質的に実用的になるのは25リッター以上となるでしょう。
25リッタークラスといえば、16センチのコンパクトモニターとしては定番的なサイズで、一般的に一番多く見られるサイズでもありますが、Audio Nirvana 'Super 6.5 ALNICOにはどうかといえば、正直あまりお勧めできるサイズではありません。
このサイズに入れるユニットとしては、振動系が比較的重めで低能率のユニットを、容積の小ささを利用してダンピングを効かせる鳴らし方のほうが相性がよく、パワフルな磁気回路でで軽量振動系を駆動するAudio Nirvana 'Super 6.5 ALNICOの場合、逆に内容積に小ささが振動系の動きを制限してしまいやすく、これまたふん詰まりなつまらない傾向になりやすいのです。
実際段ボール箱での実験を繰り返してみると、容積80リットル以上のほうが相性がいいようです。
低域のレンジの拡大はもちろん、その低域の音の出方も容量の大きいほうが切れもよく、スケール感の大きな音に変化してきました。
そのようなわけで、実際のところ160リットル~あたりに入れたいのが本音でしたが、EVのPA用の容積が140リットル程度であり、これなら十分いけそうだと感じたので入れる事にしたのです。
それに箱を一から自作するのに比べ、バッフル板だけの加工ですむのですから、工作難易度も非常に低く、また作業スペースも狭くても可能ですので、狭いアパートの一室でも十分加工作業が可能ですね。
という事で早速加工する事としました。
エンクロージャーの材質はパーチクルボードのようで、昔はよくメーカー製のエンクロージャーに使われていた材質のようですね。
板厚は18ミリ~21ミリ程度の標準的な厚さで、補強も申し訳程度にあるだけで、音響的に研究されているというものではありません。
本当であれば木枠で鳥かごのように細かい補強材を入れる事により、各板面の共振モードをコントロールする事ができますので、多少板材が粗悪でも意外と響きのいいエンクロージャーに仕上げるのは難しくありません。
でも今回はとにかく手軽な鳴らし方の提案という事ですので、補強枠などの話はまた時を改めてお話をしていきたいと思います。
さてそこでバッフル板をどうするかという事ですが、ご覧のようにバッフル面いっぱいに以前ユニットが取り付けられていたねじ穴がたくさんありますので、今回はまずこれによって板を取り付けることにしました。
次に悩むのがバッフル板の材質選定です。
自作派の方には圧倒的な人気と支持のある、音質的に良いフィンランドパーチやアピトン合板などもありますが、箱全体だと材料費がかかさむものの、バッフル板だけの使用であればそれほど高額ではありません。
でも今回はそれはまたのお楽しみにします。
という事で、近所のホームセンターへ板材の買出しに出かけてみました。
自作派の方によく利用されるラワン合板やシナ合板も考えましたが、それではありきたりでつまらない話です。
コスト優先でMDF材も候補になりましたが、音質との兼ね合いでコストパフォーマンスは高いものの、それでもちょっと面白くありませんね。
見た目の綺麗さでパイン集積材や竹の集積材もいいとは思ったのですが、どうせならマニアが敬遠する材質を使用してみようと思ったのです。
そこで目に入ったのが、なんだかわけのわからない集積材です。
バルサほどではありませんが、非常に軽く柔らかめの材質です。
高硬度、高密度 高比重の三高の材質を望むマニアが多い中、あえて軟質、低密度 低比重のへっぽこ木材を使用してみる事にしました。
どのような材質かといえば、通販などで売っている安物の出来の悪い桐タンスに使われているような材質といえばお分かりでしょうか。
今まで段ボール箱で鳴らしてきた経験があるため、こんな低比重な軟質な材料でも十分勝算があっての話です。
それにこのくらい大きなハンデを与えないと、世の中にある高級ブランドのシステムより良く鳴ってしまいますから・・・
という事で今回はここまで。
次回はいよいよ完成風景についてご報告いたしますね。
サムライジャパンでございます。
前回お話しましたように、うちのAudioNirvana(オーディオニルバーナ)のフルレンジユニットは、今までの惨たらしい段ボールから脱却し、ついに念願の木製エンクロージャーへと入れ替える事が決まりました。
先回もお話したように、使用するエンクロージャーは、EV製のPA用のスピーカーシステムのエンクロージャーで、15インチウーハーとホーンドライバーが入っていた、2ウエイのエンクロージャーです。
概算の内容積を計算すると、およそ140リットルほどで、これに装着するAudio Nirvana 'Super 6.5 ALNICOはご覧のように6.5インチ(16センチ)ユニットですので、コンパクトシステムに用いられるサイズのユニットという事を考えれば、一般的にオーバーキャパシティーになるのでしょう。
もうかなり前の話ですが、以前まで鳴らしていたALTEC 515-16Cを入れていた、アピトン合板製の強固な230リットルのエンクロージャーに、ダイヤトーンのP610の初期型を入れて鳴らした事があります。
バスレフの指定箱サイズでいえば、45~70リットルサイズまでが許容サイズになり、このサイズのエンクロージャーでは非常にすばらしい音が聞けます。
一方コンパクトな箱に押し込むと、P610はかなり苦しそうに鳴ってしまい、正直聞いていてあまり気分のいいものではありません。
そんな事で230リットルのエンクロージャーを試したのですが、さすがにこれも無理でしたね。
ローエンドがだら下がりの傾向になり、平面バッフル的な音になるものの、箱で囲われた影響からか、伸び伸びとした鳴り方も影を潜めてしまい、これはこれでつまらない音になってしまいました。
そのような意味ではユニットには最適なサイズのエンクロージャーが必要なのですけど、Audio Nirvana 'Super 6.5 ALNICOにはどの程度がベストなのかといえば、これがまた許容範囲がかなり広いのです。
適合表をご覧いただければおわかりですが、最小の12リッターから最大では300リッターまで許容範囲に広いユニットでもあります。
ただしさすがに12リッターは、AV用などのサブ用としての使用が前提になるでしょうから、実質的に実用的になるのは25リッター以上となるでしょう。
25リッタークラスといえば、16センチのコンパクトモニターとしては定番的なサイズで、一般的に一番多く見られるサイズでもありますが、Audio Nirvana 'Super 6.5 ALNICOにはどうかといえば、正直あまりお勧めできるサイズではありません。
このサイズに入れるユニットとしては、振動系が比較的重めで低能率のユニットを、容積の小ささを利用してダンピングを効かせる鳴らし方のほうが相性がよく、パワフルな磁気回路でで軽量振動系を駆動するAudio Nirvana 'Super 6.5 ALNICOの場合、逆に内容積に小ささが振動系の動きを制限してしまいやすく、これまたふん詰まりなつまらない傾向になりやすいのです。
実際段ボール箱での実験を繰り返してみると、容積80リットル以上のほうが相性がいいようです。
低域のレンジの拡大はもちろん、その低域の音の出方も容量の大きいほうが切れもよく、スケール感の大きな音に変化してきました。
そのようなわけで、実際のところ160リットル~あたりに入れたいのが本音でしたが、EVのPA用の容積が140リットル程度であり、これなら十分いけそうだと感じたので入れる事にしたのです。
それに箱を一から自作するのに比べ、バッフル板だけの加工ですむのですから、工作難易度も非常に低く、また作業スペースも狭くても可能ですので、狭いアパートの一室でも十分加工作業が可能ですね。
という事で早速加工する事としました。
エンクロージャーの材質はパーチクルボードのようで、昔はよくメーカー製のエンクロージャーに使われていた材質のようですね。
板厚は18ミリ~21ミリ程度の標準的な厚さで、補強も申し訳程度にあるだけで、音響的に研究されているというものではありません。
本当であれば木枠で鳥かごのように細かい補強材を入れる事により、各板面の共振モードをコントロールする事ができますので、多少板材が粗悪でも意外と響きのいいエンクロージャーに仕上げるのは難しくありません。
でも今回はとにかく手軽な鳴らし方の提案という事ですので、補強枠などの話はまた時を改めてお話をしていきたいと思います。
さてそこでバッフル板をどうするかという事ですが、ご覧のようにバッフル面いっぱいに以前ユニットが取り付けられていたねじ穴がたくさんありますので、今回はまずこれによって板を取り付けることにしました。
次に悩むのがバッフル板の材質選定です。
自作派の方には圧倒的な人気と支持のある、音質的に良いフィンランドパーチやアピトン合板などもありますが、箱全体だと材料費がかかさむものの、バッフル板だけの使用であればそれほど高額ではありません。
でも今回はそれはまたのお楽しみにします。
という事で、近所のホームセンターへ板材の買出しに出かけてみました。
自作派の方によく利用されるラワン合板やシナ合板も考えましたが、それではありきたりでつまらない話です。
コスト優先でMDF材も候補になりましたが、音質との兼ね合いでコストパフォーマンスは高いものの、それでもちょっと面白くありませんね。
見た目の綺麗さでパイン集積材や竹の集積材もいいとは思ったのですが、どうせならマニアが敬遠する材質を使用してみようと思ったのです。
そこで目に入ったのが、なんだかわけのわからない集積材です。
バルサほどではありませんが、非常に軽く柔らかめの材質です。
高硬度、高密度 高比重の三高の材質を望むマニアが多い中、あえて軟質、低密度 低比重のへっぽこ木材を使用してみる事にしました。
どのような材質かといえば、通販などで売っている安物の出来の悪い桐タンスに使われているような材質といえばお分かりでしょうか。
今まで段ボール箱で鳴らしてきた経験があるため、こんな低比重な軟質な材料でも十分勝算があっての話です。
それにこのくらい大きなハンデを与えないと、世の中にある高級ブランドのシステムより良く鳴ってしまいますから・・・
という事で今回はここまで。
次回はいよいよ完成風景についてご報告いたしますね。
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2013/02/04 11:34 |
オーディオニルバーナ 脱段ボール |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
さて前のエレックス様のブログに書かれていますように、エレックス様のメインデモシステムに、60センチクラスの巨大なウーハーで駆動する巨大ホーンが追加されました。
この巨大ホーンを設置している頃私はエレックス様の方におりましたので、その一部始終を拝見しておりましたが、いやはや目の前で見るとでかいのには驚きです。
さすがに巨大振動版の低音域は迫力がありますね。
アパートの一室みたいなところに置くには非現実的な巨大さになってしまいますけど、十分なリスニングルームを確保できる方には魅力のあるものでしょうね。
そんな事に刺激を受けたからというわけではありませんが、前回のブログでも予告していましたように、うちにあるAudioNirvana(オーディオニルバーナ)のフルレンジですが、皆様ご存知のように、マニアが卒倒するほど醜い姿の段ボール箱でできたエンクロージャー(エンクロージャーって言うなと罵声が聞こえてきそう)に入れて鳴らしていたのですが、この度念願の木製エンクロージャーへ収める事となりました。
フルレンジに限らずスピーカーユニットを単体で手に入れても、それだけでは十分ではないのは自作派の方にとっては周知の事実です。
もちろん自作派というわけでなくても、ハイエンドオーディオマニアの方にとっても、制約があれこれと多いシステムよりも、自分で組む方が理想の音に近道であるとお考えの方も多い事でしょう。
という事で、私もエンクロージャーをどうしようか思案していたのですが、とりあえず手っ取り早く実験しようと段ボール箱に入れてみたのです。
段ボールと聞いただけで一蹴されてしまうものですが、意外とこのブハブハボテボテの材質を使う事により、エンクロージャーには何が大切で何が必要ないかなど、意外と木製ではじめから作ってしまうと気が付き難い重要なポイントに気付く事が多かったので、大きくて重いユニットでは使用できませんけど、段ボールできちんとした音を出す方法を知っていると、意外と木製でもきちんと鳴らす事ができるのです。
逆の言い方をすれば、材質などに頼りすぎると、意外とまともな音を出せる方法を見つけられないという事もありえるのです。
機械的に見れば最低最悪の材質になるの段ボールですが、何でこんな音がするの?と視聴した人を驚かせる音は十分出せますし、切れのあるドラムやシンバルンの響きも十分出せますし、まるっきりだめなわけでもないのです。
と段ボールの話はこれくらいにして、木製エンクロージャーの話に移りましょう。
フルレンジなどのユニットを手に入れて一番の難題なのが、エンクロージャーをどうするかです。
このエンクロージャー次第で音も大きく影響を受けますので、いい加減に考えるわけにもいきません。
ある程度自作を経験している人にとっては難しい木工工作ではありませんが、初めての人はもちろん、作業スペースが十分確保できない人にはやはり様々な障害がありますね。
まずエンクロージャーの設計ですが、今はネットでも情報が公開されていたり、自作派のための書籍も豊富にありますので、それらを参考にすれば十分です。
しかし、同じ設計の箱を作っても、同じさ材質で作っても、どういうわけか作る人によって音が違う事が良く見られます。
これはそれぞれの持つ経験や知識、また様々なノウハウやセンスの違いが微妙に影響してしまうもので、そう考えると以外遠くの深い世界でもあるのです。
となると、自作初心者の方などには意外と難しく思えてしまいますが、これは経験を積めばある程度解決できますので、様々なチャレンジをしてみるといいかもしれません。
とはいうものの、小さい卓上の箱を作るのならともかく、大きなエンクロージャーを組み立てるには、大型のハタ金や広い作業スペースも必要ですし、意外と大変な作業も多いものです。
そこでできるだけ横着したい方に、段ボールでの製作を薦めます。
というのは冗談で、既成のユニットの壊れたような古いジャンクスピーカーを手に入れ、そのエンクロージャーを再利用するというのも手っ取り早く簡単な方法です。
これだとユニットを取り付けるバッフル板の加工だけになりますので、一からエンクロージャーを作るよりは非常にお手軽です。
ただ寸法やデザインなどに関しては、使用するエンクロージャー次第ですので、自分のオリジナリティーを出す部分は限りがあります。
でも作業自体がとても簡略化できますので、リサイクルショップなどでゴミ同然のスピーカーで使えそうなものがあれば、エンクロージャーの再利用に利用してみてはいかがでしょう。
という事で早速本題に入りましょうか。
私が手に入れたのは15インチ(38センチ)のウーハーとホーンが入っていた、PA用のスピーカーBOXです。
高さ約75センチ、幅42センチ、奥行き60センチと、意外と大きな箱です。
これに入れるユニットは、今まで段ボールに入れられていたAudio Nirvana ' Super 6.5 ALNICOです。
いわゆるロクハン、つまり16センチのフルレンジユニットです。
通常16センチクラスといえば、15~30リットルくらいのコンパクトなシステムが大半を占める大きさで、16センチフルレンジで有名なダイヤトーンのP610あたりだと、このクラスとしては大型の45~80リットルクラスになり、このあたりの大きさがこのサイズの最大クラスになりますので、15インチの入っていたエンクロージャーはさすがにでかすぎるだろうと考えるのが普通です。
しかし段ボール箱の実験で、Audio Nirvana(オーディオニルバーナ)のフルレンジは意外と大きい容積の方が鳴りが良いのは実証済みであったため、これよりも大型でも十分いけそうなのです。
一般的にオーバーキャパシティーだと意外とつまらない音にしかならないのですが、そこがAudio Nirvana(オーディオニルバーナ)の凄いところ、これがかなりゴキゲンなのですよ。
と長くなってしまいましたので今日はここまで。
次回バッフル版の加工風景など、続きを書きたいと思いますのでお楽しみに。
サムライジャパンでございます。
さて前のエレックス様のブログに書かれていますように、エレックス様のメインデモシステムに、60センチクラスの巨大なウーハーで駆動する巨大ホーンが追加されました。
この巨大ホーンを設置している頃私はエレックス様の方におりましたので、その一部始終を拝見しておりましたが、いやはや目の前で見るとでかいのには驚きです。
さすがに巨大振動版の低音域は迫力がありますね。
アパートの一室みたいなところに置くには非現実的な巨大さになってしまいますけど、十分なリスニングルームを確保できる方には魅力のあるものでしょうね。
そんな事に刺激を受けたからというわけではありませんが、前回のブログでも予告していましたように、うちにあるAudioNirvana(オーディオニルバーナ)のフルレンジですが、皆様ご存知のように、マニアが卒倒するほど醜い姿の段ボール箱でできたエンクロージャー(エンクロージャーって言うなと罵声が聞こえてきそう)に入れて鳴らしていたのですが、この度念願の木製エンクロージャーへ収める事となりました。
フルレンジに限らずスピーカーユニットを単体で手に入れても、それだけでは十分ではないのは自作派の方にとっては周知の事実です。
もちろん自作派というわけでなくても、ハイエンドオーディオマニアの方にとっても、制約があれこれと多いシステムよりも、自分で組む方が理想の音に近道であるとお考えの方も多い事でしょう。
という事で、私もエンクロージャーをどうしようか思案していたのですが、とりあえず手っ取り早く実験しようと段ボール箱に入れてみたのです。
段ボールと聞いただけで一蹴されてしまうものですが、意外とこのブハブハボテボテの材質を使う事により、エンクロージャーには何が大切で何が必要ないかなど、意外と木製ではじめから作ってしまうと気が付き難い重要なポイントに気付く事が多かったので、大きくて重いユニットでは使用できませんけど、段ボールできちんとした音を出す方法を知っていると、意外と木製でもきちんと鳴らす事ができるのです。
逆の言い方をすれば、材質などに頼りすぎると、意外とまともな音を出せる方法を見つけられないという事もありえるのです。
機械的に見れば最低最悪の材質になるの段ボールですが、何でこんな音がするの?と視聴した人を驚かせる音は十分出せますし、切れのあるドラムやシンバルンの響きも十分出せますし、まるっきりだめなわけでもないのです。
と段ボールの話はこれくらいにして、木製エンクロージャーの話に移りましょう。
フルレンジなどのユニットを手に入れて一番の難題なのが、エンクロージャーをどうするかです。
このエンクロージャー次第で音も大きく影響を受けますので、いい加減に考えるわけにもいきません。
ある程度自作を経験している人にとっては難しい木工工作ではありませんが、初めての人はもちろん、作業スペースが十分確保できない人にはやはり様々な障害がありますね。
まずエンクロージャーの設計ですが、今はネットでも情報が公開されていたり、自作派のための書籍も豊富にありますので、それらを参考にすれば十分です。
しかし、同じ設計の箱を作っても、同じさ材質で作っても、どういうわけか作る人によって音が違う事が良く見られます。
これはそれぞれの持つ経験や知識、また様々なノウハウやセンスの違いが微妙に影響してしまうもので、そう考えると以外遠くの深い世界でもあるのです。
となると、自作初心者の方などには意外と難しく思えてしまいますが、これは経験を積めばある程度解決できますので、様々なチャレンジをしてみるといいかもしれません。
とはいうものの、小さい卓上の箱を作るのならともかく、大きなエンクロージャーを組み立てるには、大型のハタ金や広い作業スペースも必要ですし、意外と大変な作業も多いものです。
そこでできるだけ横着したい方に、段ボールでの製作を薦めます。
というのは冗談で、既成のユニットの壊れたような古いジャンクスピーカーを手に入れ、そのエンクロージャーを再利用するというのも手っ取り早く簡単な方法です。
これだとユニットを取り付けるバッフル板の加工だけになりますので、一からエンクロージャーを作るよりは非常にお手軽です。
ただ寸法やデザインなどに関しては、使用するエンクロージャー次第ですので、自分のオリジナリティーを出す部分は限りがあります。
でも作業自体がとても簡略化できますので、リサイクルショップなどでゴミ同然のスピーカーで使えそうなものがあれば、エンクロージャーの再利用に利用してみてはいかがでしょう。
という事で早速本題に入りましょうか。
私が手に入れたのは15インチ(38センチ)のウーハーとホーンが入っていた、PA用のスピーカーBOXです。
高さ約75センチ、幅42センチ、奥行き60センチと、意外と大きな箱です。
これに入れるユニットは、今まで段ボールに入れられていたAudio Nirvana ' Super 6.5 ALNICOです。
いわゆるロクハン、つまり16センチのフルレンジユニットです。
通常16センチクラスといえば、15~30リットルくらいのコンパクトなシステムが大半を占める大きさで、16センチフルレンジで有名なダイヤトーンのP610あたりだと、このクラスとしては大型の45~80リットルクラスになり、このあたりの大きさがこのサイズの最大クラスになりますので、15インチの入っていたエンクロージャーはさすがにでかすぎるだろうと考えるのが普通です。
しかし段ボール箱の実験で、Audio Nirvana(オーディオニルバーナ)のフルレンジは意外と大きい容積の方が鳴りが良いのは実証済みであったため、これよりも大型でも十分いけそうなのです。
一般的にオーバーキャパシティーだと意外とつまらない音にしかならないのですが、そこがAudio Nirvana(オーディオニルバーナ)の凄いところ、これがかなりゴキゲンなのですよ。
と長くなってしまいましたので今日はここまで。
次回バッフル版の加工風景など、続きを書きたいと思いますのでお楽しみに。
2013/02/04 11:32 |
大きくてもAudioNirvana |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
さて前回のブログでは、ALTEC288の復刻版である、GPA-288-8H/16Hのご紹介をしましたが、最後に気になるパンケーキ755フルレンジの復刻版を少しご紹介しました。
パンケーキの持つ優れた質感や表現力は非常に魅力的ですので、このユニットも今注目している気になるユニットでもあるのですけどね。
さて先日お客様から頼まれていたAudioNirvanaのフルレンジユニットが届きました。
AudioNirvanaの場合フルレンジユニットという事もありますが、そのような事情で口径16センチや20センチをお求めになる方が大半になります。
確かに常識的に考えても低域から高域までを単一ユニットでカバーするという事を考えれば、それ以上の口径はウーハーとしての印象が強い方も多いからなのかもしれません。
昨今のスピーカーシステムの多くが小型化が進み、コンパクトでスリムな形状が比較的好まれるからなのでしょうが、いまや16センチや20センチでさえ大口径ウーハーと感じる方も多くなりました。
そのような方にとっては、13センチクラスで大径のフルレンジ、10センチ以下で普通のフルレンジと思う方も中にはいるかもしれませんね。
さてオーディオニルバーナですが、うちではデモ用として16センチ口径のアルニコマグネットバージョンを鳴らしていますけど、尋常じゃないクラスを超えたハイスペックゆえに、小口径ユニットという鳴り方ではなく、スケールを超えたもう十分大型システムと肩を並べる鳴りっぷりのよさを感じるものです。
しかし15インチなどの大型システムを鳴らされている方ならご存知のように、やはり大型振動板の奏でる低域の空気感は小口径ユニットではなかなか難しいものです。
でも話がフルレンジユニットとなると、やはり一番の魅力は中音域の密度の濃い鮮度満点の表現力。
それを達成するためにはあまり極端に大きくするわけにもいかないという事情があるのは世の常です。
実際私も15インチのフルレンジユニットといわれるJBLのD130を鳴らしていた事がありますが、中音域の表現力に関して言えば、ダンボールに入れられたP610の足元にも及ばないのが現状でした。
さて世談はさておき、今回ご注文いただいたのはAudio Nirvana 'Super 12 Neodymium'という、30センチクラスの大径フルレンジです。
普通のブックシェルスピーカーなら十分大径のウーハークラスです。
果たしてこんな大きなフルレンジがと思うのも無理はありません。
AudioNirvanaのデビットさんも話していましたが、実はAudioNirvanaの場合大口径の方が非常にいいという話をしていました。
もちろん音の好みという問題もありますが、オーディオニルバーナの場合確かに口径が大きい方が音楽性豊かになるのは間違いありません。
そのような意味では常識が通用しないフルレンジユニットといえるでしょう。
ただエンクロージャーなどの相性は小型システムには向かないため、コンパクトなシステムがお好みの方にはお勧めできませんけど、昨今流行の低能率ワイドレンジの小口径ユニットをハイパワーアンプで駆動するのもありですが、高反応高能率ユニットゆえに、シンプルで色付けが少ない自然な音を奏でる小出力アンプで朗々とした鳴らし方の音を知ってしまうと、その非常に高い表現力など比較にならないほど素晴らしい音楽を聴くことができるものです。
ただ大口径になるとどうしても聴感状ハイエンドがきつく響いて聞こえる事もありますが、そのような場合はスーパートゥイーターなどで高音域の伸びを補えば、とても繊細な音へと変えることも容易です。
じっさいオーディオニルバーナのユニットなら、高域の伸びが不足と感じる事は少ないはずです。
しかし分割振動特有の共振がないわけでなありませんので、そのあたりはケースバイケースで鳴らす事となるでしょう。
さて今回ご注文いただいたAudioNirvanaのユニットですが、いつも16センチ口径ばかり見慣れているせいで、お化けのように巨大に見えますね。
直径で約2倍ですから、振動面積でいえば約4倍になるので当然といえば当然です。
いや~ゴキゲンな音が聞こえてきそうですね。
そういえば前のブログにも少しご紹介しましたが、大口径ユニットのフルレンジという事で、タンノイ風のエンクロージャーに、30センチ口径の白い振動版のフルレンジが取り付けられた画像を載せました。
個人的には大口径のフルレンジをこんな感じで鳴らしてみたいのですが、実はこの白い振動版のフルレンジユニットですけど、これも個人的に注目しているユニットでもあります。
ご覧のように振動板の形状はオーディオニルバーナにそっくりで、もちろんオーディオニルバーナとは振動系が違う別物ですけど、丸い形状のヨークを持つ巨大アルニコマグネットで駆動するなど、その方向性が非常によく似ているのです。
これは30センチクラスの大口径フルレンジユニットですが、同じ仕様の20センチ口径のユニットもあります。
振動版の色や表情こそ異なりますが、オーディオニルバーナと同じ方向性を持つユニットのようですね。
さすがに手の込んだ作りやアルニコマグネットの採用などもあるため、価格的にはオーディオニルバーナと同じくらいか少し高くなる可能性もありますが、非常に面白そうなユニットですね。
このユニットも取り扱いができる方向で考えています。
という事で今回はここまで。
また楽しい話をしていきたいと思います。
サムライジャパンでございます。
さて前回のブログでは、ALTEC288の復刻版である、GPA-288-8H/16Hのご紹介をしましたが、最後に気になるパンケーキ755フルレンジの復刻版を少しご紹介しました。
パンケーキの持つ優れた質感や表現力は非常に魅力的ですので、このユニットも今注目している気になるユニットでもあるのですけどね。
さて先日お客様から頼まれていたAudioNirvanaのフルレンジユニットが届きました。
AudioNirvanaの場合フルレンジユニットという事もありますが、そのような事情で口径16センチや20センチをお求めになる方が大半になります。
確かに常識的に考えても低域から高域までを単一ユニットでカバーするという事を考えれば、それ以上の口径はウーハーとしての印象が強い方も多いからなのかもしれません。
昨今のスピーカーシステムの多くが小型化が進み、コンパクトでスリムな形状が比較的好まれるからなのでしょうが、いまや16センチや20センチでさえ大口径ウーハーと感じる方も多くなりました。
そのような方にとっては、13センチクラスで大径のフルレンジ、10センチ以下で普通のフルレンジと思う方も中にはいるかもしれませんね。
さてオーディオニルバーナですが、うちではデモ用として16センチ口径のアルニコマグネットバージョンを鳴らしていますけど、尋常じゃないクラスを超えたハイスペックゆえに、小口径ユニットという鳴り方ではなく、スケールを超えたもう十分大型システムと肩を並べる鳴りっぷりのよさを感じるものです。
しかし15インチなどの大型システムを鳴らされている方ならご存知のように、やはり大型振動板の奏でる低域の空気感は小口径ユニットではなかなか難しいものです。
でも話がフルレンジユニットとなると、やはり一番の魅力は中音域の密度の濃い鮮度満点の表現力。
それを達成するためにはあまり極端に大きくするわけにもいかないという事情があるのは世の常です。
実際私も15インチのフルレンジユニットといわれるJBLのD130を鳴らしていた事がありますが、中音域の表現力に関して言えば、ダンボールに入れられたP610の足元にも及ばないのが現状でした。
さて世談はさておき、今回ご注文いただいたのはAudio Nirvana 'Super 12 Neodymium'という、30センチクラスの大径フルレンジです。
普通のブックシェルスピーカーなら十分大径のウーハークラスです。
果たしてこんな大きなフルレンジがと思うのも無理はありません。
AudioNirvanaのデビットさんも話していましたが、実はAudioNirvanaの場合大口径の方が非常にいいという話をしていました。
もちろん音の好みという問題もありますが、オーディオニルバーナの場合確かに口径が大きい方が音楽性豊かになるのは間違いありません。
そのような意味では常識が通用しないフルレンジユニットといえるでしょう。
ただエンクロージャーなどの相性は小型システムには向かないため、コンパクトなシステムがお好みの方にはお勧めできませんけど、昨今流行の低能率ワイドレンジの小口径ユニットをハイパワーアンプで駆動するのもありですが、高反応高能率ユニットゆえに、シンプルで色付けが少ない自然な音を奏でる小出力アンプで朗々とした鳴らし方の音を知ってしまうと、その非常に高い表現力など比較にならないほど素晴らしい音楽を聴くことができるものです。
ただ大口径になるとどうしても聴感状ハイエンドがきつく響いて聞こえる事もありますが、そのような場合はスーパートゥイーターなどで高音域の伸びを補えば、とても繊細な音へと変えることも容易です。
じっさいオーディオニルバーナのユニットなら、高域の伸びが不足と感じる事は少ないはずです。
しかし分割振動特有の共振がないわけでなありませんので、そのあたりはケースバイケースで鳴らす事となるでしょう。
さて今回ご注文いただいたAudioNirvanaのユニットですが、いつも16センチ口径ばかり見慣れているせいで、お化けのように巨大に見えますね。
直径で約2倍ですから、振動面積でいえば約4倍になるので当然といえば当然です。
いや~ゴキゲンな音が聞こえてきそうですね。
そういえば前のブログにも少しご紹介しましたが、大口径ユニットのフルレンジという事で、タンノイ風のエンクロージャーに、30センチ口径の白い振動版のフルレンジが取り付けられた画像を載せました。
個人的には大口径のフルレンジをこんな感じで鳴らしてみたいのですが、実はこの白い振動版のフルレンジユニットですけど、これも個人的に注目しているユニットでもあります。
ご覧のように振動板の形状はオーディオニルバーナにそっくりで、もちろんオーディオニルバーナとは振動系が違う別物ですけど、丸い形状のヨークを持つ巨大アルニコマグネットで駆動するなど、その方向性が非常によく似ているのです。
これは30センチクラスの大口径フルレンジユニットですが、同じ仕様の20センチ口径のユニットもあります。
振動版の色や表情こそ異なりますが、オーディオニルバーナと同じ方向性を持つユニットのようですね。
さすがに手の込んだ作りやアルニコマグネットの採用などもあるため、価格的にはオーディオニルバーナと同じくらいか少し高くなる可能性もありますが、非常に面白そうなユニットですね。
このユニットも取り扱いができる方向で考えています。
という事で今回はここまで。
また楽しい話をしていきたいと思います。
2013/02/04 11:16 |
Audio Nirvanaの隠された能力 |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
前回はオーディオケーブルのお話をいたしました。
オーディオを鳴らす上で必要不可欠なケーブルですが、構造による音の傾向、素線による音の傾向、絶縁体による音の傾向など、それぞれ特徴があり、その中から自分の求める方向性を見つけるのも楽しいものです。
さて今回は、前回のお話とはまったく無関係ではないようなお話しをしていきたいと思います。
少し前に数回に分けて、YAMAHAのGT2000というアナログプレーヤーについている、YSA-2というトーンアームのアームパイプを変更し、その効果によりアナログの再生能力が劇的に改善されたお話をしたと思います。
これは使用しているトーンアームのアームパイプが組み立て式という事もあり、アームパイプの交換も容易に行えた理由もあります。
トーンアームの軸受け部分を中心をした根元部分は、たぶん砲金削り出しのもののようで、先端のアームパイプは薄い砲金のパイプを4本のスクリューネジで固定しているというシンプルなつくりです。
そのためこの4本のスクリューネジを緩めればアームパイプの抜き差しも容易ですので、交換による比較試聴も大掛かりな作業にならずにすみました。
さて今回、その4本のスクリューネジの増し締めを行いました。
もちろん今までも緩く締めていたわけではありませんが、交換作業から日時も経ち、確認のため増し締めを行ったのです。
実際増し締めを行ってみると、わずかに締め込める余地がありました。
もちろん力いっぱい締めると破壊してしまいますから、ほどほどにしなければなりませんけどね。
さてネジを締めこんで確認のために例の再生困難レコードである、ブラムースのレコードをかけてみました。
最初の音が出た瞬間から音の透明感が違って聴こえます。
さらに音の陰影やホールの奥行きのような音場の表現力、空間に漂う空気感、一つ一つのパートの音の解像度、すべてが明らかの向上して、今までは音の悪いレコードだと思っていたのですが、悪いのはプレーヤー側の使いこなしの問題で、プレーヤーの能力が高ければ普通の音質のレコードにしか聞こえません。
それに今までこのレコードでこんな音したことなどありませんし、他のレコードも、どれをかけてもやはり同じ傾向を示しますし、久しぶりにかけるレコードなどでは、今まで聴く事ができないような新たな次元の領域の音に聞こえます。
でも今回はそんなアナログのお話をするのではありません。
私のところで試聴用モニターとして使用しているAudioNirvanaの16センチフルレンジですが、皆さんご存知のようにダンボール製エンクロージャーという最低最悪の条件で鳴らしているのですが、今までの微妙なアナログプレーヤーのセッティングやチューニングの音の変化を的確に音として伝え、そのお陰でアナログプレーヤー関係のチューニングやセッティングが容易に進める事ができたのも、この微妙な信号の変化を的確に再生できる能力の高さという点が非常に優れていたからなのです。
もちろんどのスピーカーユニットでも、多かれ少なかれ信号の微妙な違いを音の変化として表現しますが、その能力には大きな開きがあるのも事実です。
前にブログで紹介したように、私は16センチサイズのフルレンジユニットは、ダイヤトーンのP610の前期型を持っているという話をしたと思います。
今ではエッジもぼろぼろですので近々エッジの修理もしなければいけないのですが、このユニットに惚れ込んだ理由は、先ほどAudioNirvanaのお話のように、微小なセッティングやチューニングの音の変化を的確に表現する能力が高かったためです。
これに比べればロールエッジを採用したP610no後期方のユニットは、再生レンジも耐入力も上がりスペック的には向上したのですが、聴こえてくる音はどこかメタボ的なところがあり、この信号に対する変化の違いの対応力が落ちてしまいました。
その点限定生産されたP610の革エッジを採用したユニットは、ジムに通って鍛えたような印象で、P610後期型にあるメタボ的なところはだいぶ解消されました。
ただセッティングなどによる微妙な音の変化に対する能力としてみれば、やはり前期型のP610が一番となり別格といえますが、前期型はどうしても再生音に線が細いところがあり、こじんまりと古いアコースティック系の録音された音源の質感表現力は高いものの、現代的な音楽などをダイナミックに鳴らすのは多少苦手のようです。
その点では後期型のP610の方が幅広いジャンルの音源に対応できるのですが、例のセッティングなどによる微妙な変化を音として表現する能力は劣ります。
そのような意味では、初期型ほどパフォーマンスは高くないものの、総合的には限定生産された革エッジ仕様はバランスもいいかもしれませんけど、現実的には入手は非常に困難になりますので、これも難しい話です。
でも台湾のメーカーが作り上げたValab P-610V 6.5 inch Alnicoなら、忠実にP610の音質を再現するため開発された経緯もあり、エッジも革製になっているため非常に期待が持てるのです。
さてこのセッティングやチューニングによる音の違いを的確に表現できるP610ですが、相手がAudioNirvanaと比較した場合、さすがのP610も後期型ではまったく歯が立ちません。
復刻版はマグネットも良質なため、後期型よりもパフォーマンスは高いです。
後期型のP610だってこの点に関していえば、スピーカーユニットの中では極めて優秀で、アンプやケーブルの音の違いだって的確に表現できますけど、AudioNirvanaの場合それとは比較にならないほど繊細で敏感に反応し、的確に音として表現してくるのです。
一般的に音の良し悪しの判定の基準としては、音色が好みの音かどうか的な要素が非常に大きく、その次に分解能やレンジ感などのような性能的要素が絡んできます。
しかしもう一つ奥に進んだ評価基準として、セッティングやチューニングなど、細やかで微妙な入力信号音の変化に対し的確に反応し易いかし難いかというポイントもあります。
私の場合この点に一番重点を置くポイントなのですが、聴感上の音の良し悪しとはあまり関係ない部分ですので、普通はこれに特にこだわる必要はない部分でもあります。
以前ALTECやマクソニックの大型システムを構築して長年鳴らしていましたが、実は私が重点を置く微妙な変化を的確に音として表現しやすい能力が非常に高かったため使用していました。
他にもTADのドライバーなども数年間使用していた事がありますが、微妙な信号の変化を的確に音にして表現する事ができる能力は高いのですが、音質的にもその能力に関してもマクソニックの励磁型磁器回路ユニットの方が私の好みにだったため入れ替えた経緯があります。
さて話をフルレンジユニットに戻しますと、スペック的にはAudioNirvana以上のものは世の中にありますが、微小なチューニングやセッティングなど、その違いを音として表現できるユニットは意外と少ないものです。
今でも自作派の方から絶対的支持が多い長岡鉄男氏が生み出した多くのシステムなど、私も多くのアイデアを参考させていただいた経緯がありますが、実は長岡氏が生み出したシステムのいくつかを聞いた事はあるものの、実際自分で組んだ事はないのです。
なぜかといえば、長岡氏の作品の多くに使われているユニットはフォステクス製がありますけど、すべてをくまなく比較試聴したわけではありませんが、私もいくつか所有した経験を持つフォステクスのユニットの音は、ジャ〇ネットの社長が声を裏返して製品を説明しているような、ある意味とても魅力的な音を出すことはあるものの、入力信号のわずかな変化などのようなの微小な音の違いの変化を表現する能力という点では、どうしてもP610の方が優れていたため触手が働かなかったのです。
他にもリチャードアレンやJBLなど魅力的な音を奏でるユニットも所有していましたけど、やはり微小な入力信号の変化を音として表現する能力は今ひとつという感じがします。
もちろんこれはまったく変化が表現されないという話ではありません。
どのユニットでもきちんと音の変化があります。
ただそこに差があるだけのことで、それだから音が良いとか悪いとかという話ではありません。
そのような微小な入力信号の変化にたいしてAudioNirvanaは、敏感に反応し、的確に音の違いとして表現できる点で、相当優れている数少ないユニットといえるかもしれませんね。
しかも魅力はそれだけにとどまらず、様々な音楽ジャンルに対する対応能力の高さもとても優れていて、50年代60年代の古い音源のジャズなど、シンプルで質感の高い音を奏でる音源などもリアルに再生できますし、フルオーケストラであっても、緻密で繊細に各パートごとの表情さえ手に取るように聞き取る事も可能ですし、弦楽四重奏などの小編成も、オペラのソロも合唱も、難なく再生しきってしまうのです。
私は他にも歌謡曲もヘビメタやロックも、またはトランス系の音楽もよく聴きますが、P610などでは難しいジャンルなどもまったく気にせずに楽しめてしまいます。
もちろん録音の質なども的確に表現してしまうところはありますが、それでも幅広いジャンルの音楽を楽しく再生しきってしまう能力は不思議なくらい魅力的なものです。
世の中にはクラッシックはとても心地よく聴けてもロックはまったく合わないものや、ジャズは気持ちよく聞こえるものの曲によっては煩すぎてしまったり、特定の音源だけびっくりするほど生々しい音なのに、他を聴くとぱっとしないものなど、意外と得意不得意がはっきりしているものも多くあります。
オールマイティーに何を聴いてもみな単調で同じようにしか聴こえないものなど、比較的マイペースに個性を主張してしまうユニットも少なくありません。
もちろん様々な個性的な音を奏でるユニットが多くありますので、その音が好きな音であるのなら良いわけですので、何に基準を持つかということの違いでしかありません。
もちろんAudioNirvanaだって、ALTECのユニットに似た明るく乾いたような音色傾向もありますが、それがでしゃばらないところが魅力の一つなのでしょうね。
そういえばつい先日うちへ定期的に来る置き薬の営業の方が来られました。
前回来られたときはまだダンボールスペシャルができる前でしたので、目の前にそびえる惨たらしい姿の段ボール箱に少々驚いていました。
その方のご自宅のお隣さんは、JBLの蜂の巣を組んだシステムを持つオーディオマニアの方らしく、ご近所さんということで何度かそのシステムを聴かれたそうです。
「この音がいいんだよね~」
と言われながら何度か聴かされたその方自身は、オーディオにはほとんど興味のない方ですので、一体何がいいのかよくわからないとよく話していました。
そこで試しにダンボールスペシャル少しだけ聴いてもらいました。
「えぇぇぇ!!何でそこで演奏しているように聞こえるの?」
「今の音本物みたいですね!」
時間の関係上、また特にオーディオマニアでもないので長時間聴いてもらうわけにはいきませんので、試聴は短時間で切り上げましたけど、
「なんかとても不思議だぁ~ いつまでも聴いていられる~」
「でもこれ段ボール箱ですよね?」
「オーディオはあまりよくわからないけど、これは私でもわかる・・・」
かなり驚いた様子で、
「また次回聞かせてもらいます」
と言い帰られました。
まだ段ボール箱スペシャルのAudioNirvanaのフルレンジですが、まだまだ隠された能力がたくさん眠っているのかもしれません。
私も早く箱を作らないといけませんね。
という事で今回はここまで。
また次回楽しいお話をしていきたいと思います。
サムライジャパンでございます。
前回はオーディオケーブルのお話をいたしました。
オーディオを鳴らす上で必要不可欠なケーブルですが、構造による音の傾向、素線による音の傾向、絶縁体による音の傾向など、それぞれ特徴があり、その中から自分の求める方向性を見つけるのも楽しいものです。
さて今回は、前回のお話とはまったく無関係ではないようなお話しをしていきたいと思います。
少し前に数回に分けて、YAMAHAのGT2000というアナログプレーヤーについている、YSA-2というトーンアームのアームパイプを変更し、その効果によりアナログの再生能力が劇的に改善されたお話をしたと思います。
これは使用しているトーンアームのアームパイプが組み立て式という事もあり、アームパイプの交換も容易に行えた理由もあります。
トーンアームの軸受け部分を中心をした根元部分は、たぶん砲金削り出しのもののようで、先端のアームパイプは薄い砲金のパイプを4本のスクリューネジで固定しているというシンプルなつくりです。
そのためこの4本のスクリューネジを緩めればアームパイプの抜き差しも容易ですので、交換による比較試聴も大掛かりな作業にならずにすみました。
さて今回、その4本のスクリューネジの増し締めを行いました。
もちろん今までも緩く締めていたわけではありませんが、交換作業から日時も経ち、確認のため増し締めを行ったのです。
実際増し締めを行ってみると、わずかに締め込める余地がありました。
もちろん力いっぱい締めると破壊してしまいますから、ほどほどにしなければなりませんけどね。
さてネジを締めこんで確認のために例の再生困難レコードである、ブラムースのレコードをかけてみました。
最初の音が出た瞬間から音の透明感が違って聴こえます。
さらに音の陰影やホールの奥行きのような音場の表現力、空間に漂う空気感、一つ一つのパートの音の解像度、すべてが明らかの向上して、今までは音の悪いレコードだと思っていたのですが、悪いのはプレーヤー側の使いこなしの問題で、プレーヤーの能力が高ければ普通の音質のレコードにしか聞こえません。
それに今までこのレコードでこんな音したことなどありませんし、他のレコードも、どれをかけてもやはり同じ傾向を示しますし、久しぶりにかけるレコードなどでは、今まで聴く事ができないような新たな次元の領域の音に聞こえます。
でも今回はそんなアナログのお話をするのではありません。
私のところで試聴用モニターとして使用しているAudioNirvanaの16センチフルレンジですが、皆さんご存知のようにダンボール製エンクロージャーという最低最悪の条件で鳴らしているのですが、今までの微妙なアナログプレーヤーのセッティングやチューニングの音の変化を的確に音として伝え、そのお陰でアナログプレーヤー関係のチューニングやセッティングが容易に進める事ができたのも、この微妙な信号の変化を的確に再生できる能力の高さという点が非常に優れていたからなのです。
もちろんどのスピーカーユニットでも、多かれ少なかれ信号の微妙な違いを音の変化として表現しますが、その能力には大きな開きがあるのも事実です。
前にブログで紹介したように、私は16センチサイズのフルレンジユニットは、ダイヤトーンのP610の前期型を持っているという話をしたと思います。
今ではエッジもぼろぼろですので近々エッジの修理もしなければいけないのですが、このユニットに惚れ込んだ理由は、先ほどAudioNirvanaのお話のように、微小なセッティングやチューニングの音の変化を的確に表現する能力が高かったためです。
これに比べればロールエッジを採用したP610no後期方のユニットは、再生レンジも耐入力も上がりスペック的には向上したのですが、聴こえてくる音はどこかメタボ的なところがあり、この信号に対する変化の違いの対応力が落ちてしまいました。
その点限定生産されたP610の革エッジを採用したユニットは、ジムに通って鍛えたような印象で、P610後期型にあるメタボ的なところはだいぶ解消されました。
ただセッティングなどによる微妙な音の変化に対する能力としてみれば、やはり前期型のP610が一番となり別格といえますが、前期型はどうしても再生音に線が細いところがあり、こじんまりと古いアコースティック系の録音された音源の質感表現力は高いものの、現代的な音楽などをダイナミックに鳴らすのは多少苦手のようです。
その点では後期型のP610の方が幅広いジャンルの音源に対応できるのですが、例のセッティングなどによる微妙な変化を音として表現する能力は劣ります。
そのような意味では、初期型ほどパフォーマンスは高くないものの、総合的には限定生産された革エッジ仕様はバランスもいいかもしれませんけど、現実的には入手は非常に困難になりますので、これも難しい話です。
でも台湾のメーカーが作り上げたValab P-610V 6.5 inch Alnicoなら、忠実にP610の音質を再現するため開発された経緯もあり、エッジも革製になっているため非常に期待が持てるのです。
さてこのセッティングやチューニングによる音の違いを的確に表現できるP610ですが、相手がAudioNirvanaと比較した場合、さすがのP610も後期型ではまったく歯が立ちません。
復刻版はマグネットも良質なため、後期型よりもパフォーマンスは高いです。
後期型のP610だってこの点に関していえば、スピーカーユニットの中では極めて優秀で、アンプやケーブルの音の違いだって的確に表現できますけど、AudioNirvanaの場合それとは比較にならないほど繊細で敏感に反応し、的確に音として表現してくるのです。
一般的に音の良し悪しの判定の基準としては、音色が好みの音かどうか的な要素が非常に大きく、その次に分解能やレンジ感などのような性能的要素が絡んできます。
しかしもう一つ奥に進んだ評価基準として、セッティングやチューニングなど、細やかで微妙な入力信号音の変化に対し的確に反応し易いかし難いかというポイントもあります。
私の場合この点に一番重点を置くポイントなのですが、聴感上の音の良し悪しとはあまり関係ない部分ですので、普通はこれに特にこだわる必要はない部分でもあります。
以前ALTECやマクソニックの大型システムを構築して長年鳴らしていましたが、実は私が重点を置く微妙な変化を的確に音として表現しやすい能力が非常に高かったため使用していました。
他にもTADのドライバーなども数年間使用していた事がありますが、微妙な信号の変化を的確に音にして表現する事ができる能力は高いのですが、音質的にもその能力に関してもマクソニックの励磁型磁器回路ユニットの方が私の好みにだったため入れ替えた経緯があります。
さて話をフルレンジユニットに戻しますと、スペック的にはAudioNirvana以上のものは世の中にありますが、微小なチューニングやセッティングなど、その違いを音として表現できるユニットは意外と少ないものです。
今でも自作派の方から絶対的支持が多い長岡鉄男氏が生み出した多くのシステムなど、私も多くのアイデアを参考させていただいた経緯がありますが、実は長岡氏が生み出したシステムのいくつかを聞いた事はあるものの、実際自分で組んだ事はないのです。
なぜかといえば、長岡氏の作品の多くに使われているユニットはフォステクス製がありますけど、すべてをくまなく比較試聴したわけではありませんが、私もいくつか所有した経験を持つフォステクスのユニットの音は、ジャ〇ネットの社長が声を裏返して製品を説明しているような、ある意味とても魅力的な音を出すことはあるものの、入力信号のわずかな変化などのようなの微小な音の違いの変化を表現する能力という点では、どうしてもP610の方が優れていたため触手が働かなかったのです。
他にもリチャードアレンやJBLなど魅力的な音を奏でるユニットも所有していましたけど、やはり微小な入力信号の変化を音として表現する能力は今ひとつという感じがします。
もちろんこれはまったく変化が表現されないという話ではありません。
どのユニットでもきちんと音の変化があります。
ただそこに差があるだけのことで、それだから音が良いとか悪いとかという話ではありません。
そのような微小な入力信号の変化にたいしてAudioNirvanaは、敏感に反応し、的確に音の違いとして表現できる点で、相当優れている数少ないユニットといえるかもしれませんね。
しかも魅力はそれだけにとどまらず、様々な音楽ジャンルに対する対応能力の高さもとても優れていて、50年代60年代の古い音源のジャズなど、シンプルで質感の高い音を奏でる音源などもリアルに再生できますし、フルオーケストラであっても、緻密で繊細に各パートごとの表情さえ手に取るように聞き取る事も可能ですし、弦楽四重奏などの小編成も、オペラのソロも合唱も、難なく再生しきってしまうのです。
私は他にも歌謡曲もヘビメタやロックも、またはトランス系の音楽もよく聴きますが、P610などでは難しいジャンルなどもまったく気にせずに楽しめてしまいます。
もちろん録音の質なども的確に表現してしまうところはありますが、それでも幅広いジャンルの音楽を楽しく再生しきってしまう能力は不思議なくらい魅力的なものです。
世の中にはクラッシックはとても心地よく聴けてもロックはまったく合わないものや、ジャズは気持ちよく聞こえるものの曲によっては煩すぎてしまったり、特定の音源だけびっくりするほど生々しい音なのに、他を聴くとぱっとしないものなど、意外と得意不得意がはっきりしているものも多くあります。
オールマイティーに何を聴いてもみな単調で同じようにしか聴こえないものなど、比較的マイペースに個性を主張してしまうユニットも少なくありません。
もちろん様々な個性的な音を奏でるユニットが多くありますので、その音が好きな音であるのなら良いわけですので、何に基準を持つかということの違いでしかありません。
もちろんAudioNirvanaだって、ALTECのユニットに似た明るく乾いたような音色傾向もありますが、それがでしゃばらないところが魅力の一つなのでしょうね。
そういえばつい先日うちへ定期的に来る置き薬の営業の方が来られました。
前回来られたときはまだダンボールスペシャルができる前でしたので、目の前にそびえる惨たらしい姿の段ボール箱に少々驚いていました。
その方のご自宅のお隣さんは、JBLの蜂の巣を組んだシステムを持つオーディオマニアの方らしく、ご近所さんということで何度かそのシステムを聴かれたそうです。
「この音がいいんだよね~」
と言われながら何度か聴かされたその方自身は、オーディオにはほとんど興味のない方ですので、一体何がいいのかよくわからないとよく話していました。
そこで試しにダンボールスペシャル少しだけ聴いてもらいました。
「えぇぇぇ!!何でそこで演奏しているように聞こえるの?」
「今の音本物みたいですね!」
時間の関係上、また特にオーディオマニアでもないので長時間聴いてもらうわけにはいきませんので、試聴は短時間で切り上げましたけど、
「なんかとても不思議だぁ~ いつまでも聴いていられる~」
「でもこれ段ボール箱ですよね?」
「オーディオはあまりよくわからないけど、これは私でもわかる・・・」
かなり驚いた様子で、
「また次回聞かせてもらいます」
と言い帰られました。
まだ段ボール箱スペシャルのAudioNirvanaのフルレンジですが、まだまだ隠された能力がたくさん眠っているのかもしれません。
私も早く箱を作らないといけませんね。
という事で今回はここまで。
また次回楽しいお話をしていきたいと思います。
2013/02/04 11:03 |
AudioNirvanaフルレンジのお話の続き |
みなさんこんにちは。
サムライジャパンでございます。
前回はAudioNirvanaのフルレンジユニットの話をしましたが、今回もその続きのお話をしたいと思います。
最近AudioNirvanaのフルレンジユニットに関しての問い合わせや質問が多くなり、その多くは興味があるのだけれど実際音はどうなの?という質問から、どのようなジャンルの音楽に合うのかとか、様々な質問が寄せられるようになりました。
現在うちのデモ用として鳴らしているのはAudio Nirvana 'Super 6.5 ALNICO' というユニットです。
サイズを超えた尋常じゃない巨大マグネットで振動版を駆動する、異次元のハイスペックフルレンジユニットです。
当然そのパフォーマンスは非常に高く、スペックうんぬんよりも実際音楽を再生してみると、その実力の高さをひしひしと感じます。
たとえば同サイズのロクハンと呼ばれる16センチフルレンジユニットの代表格として真っ先に思い浮かぶのは、ダイヤトーンのP610シリーズではないでしょうか。
私も前期型のP610のアルニコモデルを所有し、実際ロクハンクラス最高の音として、大型スピーカーを組む際のリファレンス原器としていたほど、その実力の高さに惚れ込んでいました。
p610シリーズは現在でも非常に人気が高く、中古市場でも高値で取引されるなど、その人気は一向に衰えていません。
もちろんその実力の高さという裏付けがあってこその人気ですが、確かの中音域の密度の濃い表現力は素晴らしいものがあります。
特に前期型は、ボーカルなど人の声や小編成のアコーステック楽器の音色などの質感表現が非常に高く、パワフルさやレンジ感こそロールエッジの付いた後期型に劣るものの、音の質感の高さで言えば圧倒的に前期型の方が優れている気がします。
限定生産された革エッジの後期モデルは、ロールエッジ仕様の後期型よりもその点改善されていますけど、悲しい事に生産終了で手に入れられません。
唯一台湾のメーカーがP610の音を忠実に再現するために復活させた、Valab P610V 6.5 inch Alnicoというモデルが現在新品で手に入れられるくらいです。
こちらならP610の質感の高い表現力にプラスして、現代の音楽にも対応できそうですので、少し使いやすいかもしれません。
さて上の画像にあるように、私のの所有するP610は前期型のスポンジエッジの付いたタイプで、長年の年月で加水分解を起こしボロボロです。
現在はこちらもやはり段ボール箱に入れられて保管されています。
こちらもエッジを張り替えて、綺麗な木製のエンクロージャーに入れてあげる予定です。
それとともにValab P610V 6.5 inch Alnicoを使用した、新たなシステムの構築という考えもあるのですけどね。
さて前置きはこのくらいにして、じっさいAudioNirvanaはP610と比べてどうなの?という疑問をもたれる方もいるでしょう。
今回はそのあたりを中心に話を進めたいと思います。
前記したように、P610の音の質感の表現力は前期型の方が優れていると思います。
もちろん後期型が悪いというのではなく、あくまでも相対的な比較での話です。
さてAudioNirvanaの方ですが、同じ系列のユニットではないので音色は当然違います。
中音域の密度の濃い高い音の質感も遜色ありません。
しかしP610と圧倒的に違うのは、レンジ感とパワフルさが加わっている事でしょうか。
パワフルだからといって大雑把な鳴り方という意味ではありません。
P610がロクハンの16センチサイズの鳴り方とすれば、AudioNirvanaは、まるで大型システムを聞いているような、そんなスケールの大きな鳴り方も可能なのです。
私はALTECの515Cという38センチの超強力ウーハーをアピトン合板のエンクロージャーに入れ、マクソニックの励磁型磁気回路の超ハイスピードハイパワーホーンドライバーとトゥイーターで構成された、大型の3ウエイシステムを長年使い続けてきましたが、P610を聞くと、どうしても16センチサイズの音という印象を感じていましたけど、AudioNirvanaの場合、そのような印象を感じさせないほどの鳴り方なのです。
P610が多少苦手とするフルスケールのオーケストラも、エネルギッシュに鳴る激しいロックも、あっさり鳴らしてしまうのです。
しかもフルオーケストラも各パートの分離も非常に緻密で繊細で、ジャズの切れのあるベースやドラムもなんのそのです。
もう16センチという口径が信じられないような鳴りの良さです。
カンターテドミノという、教会内で一本マイクで録音されたパイプオルガンやフルコーラスのスケール感の表現もすばらしく、とてもソフトでやわらかい表現をすると思いきや、シェフィールドのジェームスニュートンハワードなど、激しいハイスピードな切れのある音も難なく表現してしまいます。
音色的にはALTECのユニットに非常に似た傾向ですが、さらに緻密で繊細な表現も得意とし、けしてジャズ向きとかロック向きと片付けられるレベルではありません。
前のブログでも話したように、私が再生困難レコードとあだ名をつけたブラムースの曲も、あっさり鳴らしきってしまうその実力は、もはやジャンルを超えた再生能力です。
このおじさんのバイオリンがまたすばらしい音色を奏でるのですけど、そんな非常に細やかな微妙な音の質感もうまく表現してしまうのです。
このレコードは、プレーヤーやカートリッジ、またはセッティングの良し悪しに非常に敏感に反応するレコードで、このレコードをうまく鳴らすことができると他のレコードも問題なく再生できるため、私のテスト用レコードの一つなのです。
少し前のブログでは、ターンテーブルシートを浮かせるために、100円ショップで手に入れたポリエステル100%のフェルトが非常に効果的だった話をしたと思います。
そのようなわずかな違いもAudioNirvanaのフルレンジは表現してしまいます。
そこでターンテーブルで効果的だったフェルトですが、かなり余りが出たので、試しにプレーヤーのインシュレーターの下に重ねてみたところ、これもまたびっくりするほど効果的で、例の再生困難レコードも何事もなかったようにより緻密な鳴り方をするし、他のレコードを聴いても、聴いているのが快感に感じられるようになったのです。
長年に渡り超高剛性高比重主義を貫いてきた私ですので、プレーヤーのインシュレーターをソフトに浮かすなんて以前では考えられない行為なのですが、現在のプレーヤーを載せているのがただのガラステーブルというお粗末なものですので、逆に効果的だったのでしょう。
剛と軟をうまくコントロールしてこそ、より良い再生音が得られるのでしょうね。
そんな事に気を良くした私は、自己所有レコード盤のなかで最高に音の悪いレコードをかけてみる事にしたのです。
それはこちら。
私の少し上の方にとっては現役時代を良く知る方も多いと思いますが、当時ディスコで大流行したアラベスクのアルバムです。
私はアラベスクの曲自体は好きなのですが、その録音の悪さといったら、まるでステレオが壊れたのかと思うほど音が悪いのです。
音の透明感がなく、レンジも狭く、高音質録音のレコードとは対照的なそのアルバムは、録音や音の悪さをアピールするためのサンプルとしてしかかける事がなくなっていたレコードです。
そんな音の悪いレコードを久しぶりに聴いてみたくなったのです。
という事で早速レコード盤に針を落とすと、相変わらずびっくりするほど音が悪いのですが、以前は聴こえなかった音が聴き取れます。
しかも聴いていて思わずにやけてしまうほど、なんの苦もなく聴けるではありませんか。
これには少々驚きました。
これはこれなりに楽しく聴けてしまうのです。
しかも聴いていて感じるところも出てきました。
この音の悪さは意図的にミキシングされたものではないかと・・・
当時のディスコの状況は詳しく知りませんけど、ボテボデジャキジャキの喧しいだけの装置を使い大音量で鳴らしていたとしたら、このくらいのバランスでなければ大音量再生ができなかったのではないかと・・・
酷い音のする再生装置で高音質録音盤を大音量で再生しても、ただ煩く騒がしいだけで聞くに堪えないはずです。
そのような意味でこのような録音をしていたのかという仮説を感じたのです。
もちろん音は酷いものです。
でも、それさえ楽しめてしまう音を奏でるAudioNirvanaは、やはり凄いユニットなのかもしれませんね。
現在ダンボールという音質的に最低レベルの条件で鳴らされているにもかかわらず、微妙で繊細な音の違いを表現する実力は、やはり凄いとしか言いようがありません。
とついつい話が長くなってしまいますので、今回はここまで。
また次回楽しい話をしたいと思います。
サムライジャパンでございます。
前回はAudioNirvanaのフルレンジユニットの話をしましたが、今回もその続きのお話をしたいと思います。
最近AudioNirvanaのフルレンジユニットに関しての問い合わせや質問が多くなり、その多くは興味があるのだけれど実際音はどうなの?という質問から、どのようなジャンルの音楽に合うのかとか、様々な質問が寄せられるようになりました。
現在うちのデモ用として鳴らしているのはAudio Nirvana 'Super 6.5 ALNICO' というユニットです。
サイズを超えた尋常じゃない巨大マグネットで振動版を駆動する、異次元のハイスペックフルレンジユニットです。
当然そのパフォーマンスは非常に高く、スペックうんぬんよりも実際音楽を再生してみると、その実力の高さをひしひしと感じます。
たとえば同サイズのロクハンと呼ばれる16センチフルレンジユニットの代表格として真っ先に思い浮かぶのは、ダイヤトーンのP610シリーズではないでしょうか。
私も前期型のP610のアルニコモデルを所有し、実際ロクハンクラス最高の音として、大型スピーカーを組む際のリファレンス原器としていたほど、その実力の高さに惚れ込んでいました。
p610シリーズは現在でも非常に人気が高く、中古市場でも高値で取引されるなど、その人気は一向に衰えていません。
もちろんその実力の高さという裏付けがあってこその人気ですが、確かの中音域の密度の濃い表現力は素晴らしいものがあります。
特に前期型は、ボーカルなど人の声や小編成のアコーステック楽器の音色などの質感表現が非常に高く、パワフルさやレンジ感こそロールエッジの付いた後期型に劣るものの、音の質感の高さで言えば圧倒的に前期型の方が優れている気がします。
限定生産された革エッジの後期モデルは、ロールエッジ仕様の後期型よりもその点改善されていますけど、悲しい事に生産終了で手に入れられません。
唯一台湾のメーカーがP610の音を忠実に再現するために復活させた、Valab P610V 6.5 inch Alnicoというモデルが現在新品で手に入れられるくらいです。
こちらならP610の質感の高い表現力にプラスして、現代の音楽にも対応できそうですので、少し使いやすいかもしれません。
さて上の画像にあるように、私のの所有するP610は前期型のスポンジエッジの付いたタイプで、長年の年月で加水分解を起こしボロボロです。
現在はこちらもやはり段ボール箱に入れられて保管されています。
こちらもエッジを張り替えて、綺麗な木製のエンクロージャーに入れてあげる予定です。
それとともにValab P610V 6.5 inch Alnicoを使用した、新たなシステムの構築という考えもあるのですけどね。
さて前置きはこのくらいにして、じっさいAudioNirvanaはP610と比べてどうなの?という疑問をもたれる方もいるでしょう。
今回はそのあたりを中心に話を進めたいと思います。
前記したように、P610の音の質感の表現力は前期型の方が優れていると思います。
もちろん後期型が悪いというのではなく、あくまでも相対的な比較での話です。
さてAudioNirvanaの方ですが、同じ系列のユニットではないので音色は当然違います。
中音域の密度の濃い高い音の質感も遜色ありません。
しかしP610と圧倒的に違うのは、レンジ感とパワフルさが加わっている事でしょうか。
パワフルだからといって大雑把な鳴り方という意味ではありません。
P610がロクハンの16センチサイズの鳴り方とすれば、AudioNirvanaは、まるで大型システムを聞いているような、そんなスケールの大きな鳴り方も可能なのです。
私はALTECの515Cという38センチの超強力ウーハーをアピトン合板のエンクロージャーに入れ、マクソニックの励磁型磁気回路の超ハイスピードハイパワーホーンドライバーとトゥイーターで構成された、大型の3ウエイシステムを長年使い続けてきましたが、P610を聞くと、どうしても16センチサイズの音という印象を感じていましたけど、AudioNirvanaの場合、そのような印象を感じさせないほどの鳴り方なのです。
P610が多少苦手とするフルスケールのオーケストラも、エネルギッシュに鳴る激しいロックも、あっさり鳴らしてしまうのです。
しかもフルオーケストラも各パートの分離も非常に緻密で繊細で、ジャズの切れのあるベースやドラムもなんのそのです。
もう16センチという口径が信じられないような鳴りの良さです。
カンターテドミノという、教会内で一本マイクで録音されたパイプオルガンやフルコーラスのスケール感の表現もすばらしく、とてもソフトでやわらかい表現をすると思いきや、シェフィールドのジェームスニュートンハワードなど、激しいハイスピードな切れのある音も難なく表現してしまいます。
音色的にはALTECのユニットに非常に似た傾向ですが、さらに緻密で繊細な表現も得意とし、けしてジャズ向きとかロック向きと片付けられるレベルではありません。
前のブログでも話したように、私が再生困難レコードとあだ名をつけたブラムースの曲も、あっさり鳴らしきってしまうその実力は、もはやジャンルを超えた再生能力です。
このおじさんのバイオリンがまたすばらしい音色を奏でるのですけど、そんな非常に細やかな微妙な音の質感もうまく表現してしまうのです。
このレコードは、プレーヤーやカートリッジ、またはセッティングの良し悪しに非常に敏感に反応するレコードで、このレコードをうまく鳴らすことができると他のレコードも問題なく再生できるため、私のテスト用レコードの一つなのです。
少し前のブログでは、ターンテーブルシートを浮かせるために、100円ショップで手に入れたポリエステル100%のフェルトが非常に効果的だった話をしたと思います。
そのようなわずかな違いもAudioNirvanaのフルレンジは表現してしまいます。
そこでターンテーブルで効果的だったフェルトですが、かなり余りが出たので、試しにプレーヤーのインシュレーターの下に重ねてみたところ、これもまたびっくりするほど効果的で、例の再生困難レコードも何事もなかったようにより緻密な鳴り方をするし、他のレコードを聴いても、聴いているのが快感に感じられるようになったのです。
長年に渡り超高剛性高比重主義を貫いてきた私ですので、プレーヤーのインシュレーターをソフトに浮かすなんて以前では考えられない行為なのですが、現在のプレーヤーを載せているのがただのガラステーブルというお粗末なものですので、逆に効果的だったのでしょう。
剛と軟をうまくコントロールしてこそ、より良い再生音が得られるのでしょうね。
そんな事に気を良くした私は、自己所有レコード盤のなかで最高に音の悪いレコードをかけてみる事にしたのです。
それはこちら。
私の少し上の方にとっては現役時代を良く知る方も多いと思いますが、当時ディスコで大流行したアラベスクのアルバムです。
私はアラベスクの曲自体は好きなのですが、その録音の悪さといったら、まるでステレオが壊れたのかと思うほど音が悪いのです。
音の透明感がなく、レンジも狭く、高音質録音のレコードとは対照的なそのアルバムは、録音や音の悪さをアピールするためのサンプルとしてしかかける事がなくなっていたレコードです。
そんな音の悪いレコードを久しぶりに聴いてみたくなったのです。
という事で早速レコード盤に針を落とすと、相変わらずびっくりするほど音が悪いのですが、以前は聴こえなかった音が聴き取れます。
しかも聴いていて思わずにやけてしまうほど、なんの苦もなく聴けるではありませんか。
これには少々驚きました。
これはこれなりに楽しく聴けてしまうのです。
しかも聴いていて感じるところも出てきました。
この音の悪さは意図的にミキシングされたものではないかと・・・
当時のディスコの状況は詳しく知りませんけど、ボテボデジャキジャキの喧しいだけの装置を使い大音量で鳴らしていたとしたら、このくらいのバランスでなければ大音量再生ができなかったのではないかと・・・
酷い音のする再生装置で高音質録音盤を大音量で再生しても、ただ煩く騒がしいだけで聞くに堪えないはずです。
そのような意味でこのような録音をしていたのかという仮説を感じたのです。
もちろん音は酷いものです。
でも、それさえ楽しめてしまう音を奏でるAudioNirvanaは、やはり凄いユニットなのかもしれませんね。
現在ダンボールという音質的に最低レベルの条件で鳴らされているにもかかわらず、微妙で繊細な音の違いを表現する実力は、やはり凄いとしか言いようがありません。
とついつい話が長くなってしまいますので、今回はここまで。
また次回楽しい話をしたいと思います。